子どもたちの笑顔のために私たちが今できること。今すべきこと。

菱アジア子ども絵日記フェスタ」は、日本固有の文化である絵日記をアジアのこどもたちに描いてもらうことで、お互いの生活や文化への理解をより深めてもらおうという、国際文化交流事業です。
   三菱広報委員会は、アジア太平洋ユネスコ協会クラブ連盟と社団法人日本ユネスコ協会連盟とともに、1990年にこの絵日記事業を始めました。当初は、国連の制定した「国際識字年」の「全ての人々が読み書きできる世界を」という趣旨に賛同して、アジアの子どもたちが絵日記を描いたり読んだりすることが識字教育に結びつくことを期待して「三菱IMPRESSION-GALLERYアジア子どもアート・フェスティバル」としてスタートしたものです。その後、当初の趣旨は引き継ぎつつも、次代を担うアジアの子どもたちが日本固有の文化である絵日記を通じてお互いの文化を理解・尊重し、共により良い未来を築くことができるようにという期待も含めて、名称も「三菱アジア子ども絵日記フェスタ」に変更して、より国際交流に重点を置いた活動として継続しています。そして、2010年6月にはいよいよ第10期の絵日記フェスタの作品募集を開始しました。
   1990年にアジアの8つの参加国で始まったこの事業は、期を重ねるごとに成長し、第9期では新たにカザフスタン共和国の参加も得て、ほぼアジア全体の24の国と地域にまで広がりを見せています。そして、第1期からの応募者の総数は48万人を超えました。
   絵日記のテーマは「伝えたいな、私の生活」として、子どもたちには普段の生活の中で「したこと・見たこと・感じたこと」などの中から、アジアの子どもたちに伝えたい、紹介したいこと、例えば行事・お祭り、好きな遊び、家族や友達、学校での出来事など自由に描いてもらうことにしています。
   応募された作品については、先ず各国・地域で選考を行い、各国・地域ごとに8作品を選定してもらいます。その後、それらの作品は全て日本に集められ、国際選考会において各国ごとにグランプリ、「三菱広報委員会賞」などの主催者賞、入選を決定します。
   国際選考会の選考委員については、この事業の趣旨に賛同いただけた各界の著名人の方々にお願いしてきました。特に、平山郁夫先生(日本画家・ユネスコ親善大使・元東京藝術大学学長)には第1期から第9期まで選考委員長を務めていただき、この事業の発展に多大なる貢献をいただきましたが、残念ではありますが2009年末にご逝去されました。
   第10期の選考委員長には、選考副委員長として平山先生と共に当初よりこの事業を支えてくださった大沼映夫氏にご就任頂き、新たに洋画家であり東京藝術大学の教授である佐藤一郎氏を選考副委員長としてお迎えしています。
 国際選考会で決定した各受賞者には賞状や副賞が贈呈されますが、更に日本の入賞者8名は、各国のグランプリ受賞者などと共にアジアスタディーツアーに招待されます。開催地はその期により異なりますが、第8期はタイ・バンコック、第9期はベトナム・ハノイ(但し、新型インフルエンザ蔓延により中止)、そして第10期は韓国・ソウル(2011年開催予定)となっています。
   このツアーの中で、国際表彰式を行い、あわせて各国・地域の受賞者たちとの交流を目的とした共同作品の作成、現地小学生との交流会、世界遺産などの名所旧跡見学なども行い、遊びやふれあいを通じて受賞者同士の言葉を超えた国際交流を図ります。
   受賞作品は日本国内および海外での展示会で展示します。また、これらの作品を三菱広報委員会の会員企業の本店・支店などで展示したり、公共団体等が企画・実施する催しなどに貸し出しをしたりして、子どもたちの作品を多くの方々に見てもらうように努めています。
   また、入賞作品を網羅した「絵日記集」を日本語・英語併記で作成し、内外の関係者に配布する一方、全国の小学校や図書館に寄贈しています。
   さらに、参加国に対しては入賞作品を利用した識字教材の制作についても費用助成を行い、識字率の一層の向上に貢献するよう図っています。
   日本固有の文化である「絵日記」がアジア各国・地域で「ENIKKI」として拡がり、そしてそれが識字率の向上に貢献すること、更に絵日記を通じて「小さな芸術家」たちの国際交流ができること、これらがこの事業を主催するわれわれの喜びです。

選考委員長
大沼 映夫
(洋画家・東京藝術大学名誉教授・ 文星芸術大学副学長)
選考副委員長
佐藤 一郎
(洋画家・東京藝術大学教授)
選考委員
C.W.ニコル
(作家)
選考委員
大石 芳野
(写真家)
選考委員
池上 彰
(ジャーナリスト)
選考委員
里中 満智子
(マンガ家・
大阪芸術大学教授)

第9期国際選考会終了後のコメント

初回から参加していますので、絵の移り変わりを見ています。ラオス、カンボジア、ブルネイ、ブータンなどは、当初は比較的簡単な絵が多かったのですが、今回の作品では相当力が付いてきました。情報の国際化や絵日記作品の展示会などによって、他の国から学習していくように感じました。
国際選考会では、先生方は皆、最初から最後まで「あぁすごい」と声を上げていました。資料で決めてきたはずなのに現物を見ると順番が違ってきてしまいました。実際の作品は資料とはずいぶん違っており、そういう驚きも審査の楽しみです。
また、日本の作品選考に残った最後の500点ぐらいは、どれを選んでも間違いない作品ばかりで、日本代表の8作品を選ぶのは本当に苦労しました。

大沼映夫 選考委員長 

この事業は2010年で20年になります。最初に応募した子どもが当時10歳だとすると、今はもう30歳です。私も20年の年をとって、孫が5人おりますが、子どもの目は本当に大事だと感じました。この仕事、この宿題に携わるのは本当に光栄です。
子どもたちは生活や考えていることを素直に描いていますから、この絵日記を見ると24の国・地域の子どもたちの家に呼ばれたようです。世界の子どもは何を望んでいるか、何を喜んでいるかと心まで感じます。また、物が溢れている国ほど、絵は少しおとなしいと思います。周りに自然、動物、土がある文化は、絵が生き生きしています。子どもたちへ、ありがとう。あなたたちの生活を分かち合えることはとても光栄だと思います。本当に、ありがとう。

C.W.ニコル 選考委員