ビール党に朗報。ビールは最初の一杯だけという人にも朗報。キリンが2杯目、3杯目も飲み飽きないビールを開発した。どんなビールなんだろう。早速、飲みに行ってきました。
ウッ、うまい。何なんだ、この舌にも、のどにも残るおいしさは…。
「それが、ビール本来が持つうまさなんですよ」
と教えてくれたのは、商品開発研究所の和田徹(わだ・とおる)さん。2005年3月に、この『キリン・ザ・ゴールド』の開発に着手。コンセプトは“ビール本来のおいしさを見つめ直す”だったと言います。
「近年のビールにはない味を求めて、チェコに行きました。もともと、世界の9割以上のビールがピルスナータイプで、そのピルスナービールの発祥地がチェコなのです。温故知新ではないですが、おいしいビールをチェコで探し出してみようと」
幸運にも、これというビールに出会い、ピルスナービールのおいしさを再認識したそうだ。なるほど、チェコがピルスナービールの
マーケティング部
商品開発研究所
和田 徹さん
本場ということは分かったけれど、ビール本来の味とは、どういうもの?
「麦芽にある甘みを含めたうまみと、ホップのおいしい苦味がバランスよく入っているということになるでしょうか。その、おいしい苦味を出すのが、ひとつのポイントでした」
キリン100年間の醸造技術を結集
原料調達のメドは立ったとしても、実際にビールを製造するのは、また別の問題。さまざまな苦労があったようです。
「中身については、飲み飽きないうまさ。これが、キーワードでした」
と言うのは、商品開発研究所の太田雄人(おおた・たけひと)さん。とかくビールは最初の一杯だけという人が多い中、どうすれば2杯、3杯と飲み続けてもらえるのか。
「そこに“隠し苦味”が効いてくるのです。水だと、そう何杯も飲めるものではありませんが、ビールなら何杯でも飲める。それは、ある程度の苦味があるから。
マーケティング部
商品開発研究所
太田雄人さん
マーケティング部
商品開発研究所
門田邦彦さん
ただ、その苦味は濃淡をつけるという単純なものではありません。うまみの中に、きっちりした苦味を潜ませておく。だから“隠し苦味”と呼んでいるわけです」。
その“隠し苦味”を生かすには、最適な酵母が不可欠であり、またビールの鮮度、クリーミーな泡など、それぞれ越えるべきハードルは高かったようです。試行錯誤を繰り返し、パイロット版として製造されたビールは、160種に及んだらしい。そのひとつひとつを試飲したのが、ワインアドバイザーでもある門田邦彦(かどた・くにひこ)さん。
「一般のお客さまにも何度も試飲してもらい、最終的にこれだと決まったのは、昨年の10月。私の好みとお客さまの好みが一致した時でもあります。売れる自信はありましたよ」
今年3月に缶ビールで発売。反響は大きく、2カ月半で1億本(350ml缶換算)を突破。
「発売当初から、瓶ビールの要望が多く、5月から大瓶・中瓶を緊急発売することに。今年の目標は累計800万ケース(大瓶換算)です」
達成すれば、ビール業界久々の快挙。期待しています!
  早くも3000店以上の飲食店で取り扱われている、大びん※(633ml)と中びん(500ml)。
※ビール用軽量リターナブル大びんは、平成18年度容器包装3R環境大臣賞・優秀賞を受賞


●プロフィール
一押し太郎(いちおし・たろう)1981年3月3日生まれ。うお座。『マンスリーみつびし』新米記者。
2005年4月号から「わが社の一押し」を担当。まだまだ未熟でドジな面もあるが好奇心とヤル気だけは旺盛。ただ今、恋人募集中。
ピルスナービールの発祥地がチェコとは知りませんでした。何でも、1842年にチェコ産のピルスナービールが世に出、あっという間に世界中のビールを変えてしまったそうです。ちなみに、ひとりあたりのビールの消費量も、チェコが世界1。その秘密は、やはり何杯飲んでも、飲み飽きないからでしょう。
実際、取材後に続けて飲ませてもらったけど、最初の一杯のうまさは全然変わらなかった。取材の労だけでなく、何度も、ビールを運んでいただいた小倉夕佳(おぐら・ゆか)さん。本当に、お世話になりました。
皆さん、大のビール党。『キリン・ザ・ゴールド』の爆発的な売れ行きは確信していたという。右から2番目が、コーポレートコミュニケーション部の小倉さん