三菱自動車再生計画の最終年度にあたる本年、7年ぶりに新型セダンを発表した。エンジンからタイヤにいたるまで、すべて新開発の 『ギャラン フォルティス』 は、スポーティーな走りとフラットな乗り心地を実現。早くも海外で高く評価されている。
増え続けるミニバンやコンパクトカークラスなどに押され、この頃セダンは何となく影が薄く見えがちです。しかし、近年ずっと年間約50万台と需要は安定しています。
「セダンのお客さまは他メーカーに乗り換えない方が多いのです。なのにこの7年間、セダンの新車を発売できず、ご迷惑をおかけしてきましたが、ようやく自信作、『 ギャラン  フォルティス 』 をお届けできて、うれしく思っています」
と解説してくれたのは、商品戦略本部・商品企画部マネージャーの吉永浩和(よしなが・ひろかず)さん。
「三菱自動車は『クルマづくりの原点へ。』を企業スローガンに各種新型車を投入、今回はセダンの再興がテーマでした。私たちのセダンはスポーティセダン。では、現代のスポーティーとは何か?これを問い直
商品戦略本部
商品企画部
マネージャー
吉永浩和さん
商品開発統括部門
C-seg商品開発プロジェクト
エキスパート
前勝美さん
すことが第一歩でした」
問い直しの結果、見えてきたのはスピードマニアのための“尖った”車ではありませんでした。車好きの人に走る喜びをもう一度感じてもらいたい。そのためにキビキビとしたハンドリングと、しなやかに走れるフラットな乗り心地を兼ね備えた車に仕上げようという方向性でした。
「これを達成するため新型アルミエンジンを開発しました。2Lではトップクラスの出力を実現し、同時に軽量化も達成しました」
と振り返るのは商品開発統括部門、C-seg商品開発プロジェクトのエキスパート、前勝美(まえ・かつみ)さん。
足回りでも 『 ギャラン  フォルティス 』 のSPORTでは、これまた新開発の18インチタイヤを採用。 このサイズは一般には乗り心地に難アリと見られがちですが、
「新設計のサスペンションやボディの剛性を高めたり、パーツに繊細なチューニングを施しましたので、きっと ス ト レ ス のない走りを感じていただけると思います」
そして、広大な市場が広がる海外を視野に、体格の大きな人でも快適に乗れるよう、全高は 1490mm としました。 これは先代ギャランに比べ 7cm もノッポです。
大柄な欧米人でも十分にくつろげる室内空間を確保しつつ、タワーパーキングにも安心して入れる車高=1490mmを割り出した。その上で衝突安全強化ボディを採用・改良し、万が一の際の歩行者保護、低速衝突時の車体修理費低減にも取り組んでいる
デザイン本部
デザイン部
エキスパート
松延浩昭さん
ダッシュボードに無用な突起はなく、自然な曲線で左右のドアにつながる。これもまた乗り手に広々感を与える“性能”のひとつ
写真から受ける印象が小ぶりな車ならば、それはスポーティーなルックスに仕上がった証拠だろう
「それでもスポーティーに見えるのは、ドアと窓の高さの関係、車高に占める窓の比率を調整したり、官能的なシルエットを工夫したせいでしょう」
と苦労を語るのはデザイン本部・デザイン部、エキスパートの松延浩昭(まつのぶ・ひろあき)さん。
「新採用の台形グリルとともに、ボンネット先端が前に突き出た三菱自動車伝統の逆スラントノーズを活用したことも、スポーティーさの表現に大きく貢献しています」
クルマづくりの原点回帰は、『 ギャラン  フォルティス 』 のデザインにも魂を吹き込んだようですね。
精悍な表情の中に高度な安全性能を
盛り込んだ多灯式ヘッドライト
アダプティブフロントライティングシステム(AFS)は夜間、ハンドルを回すと曲がる方向の補助灯が点灯します。高速走行時には、少ないハンドル操作でも点灯します
(※SPORTに標準装備。他はメーカーオプション)


●プロフィール
一押し太郎(いちおし・たろう)1981年3月3日生まれ。うお座。『マンスリーみつびし』新米記者。
2005年4月号から「わが社の一押し」を担当。まだまだ未熟でドジな面もあるが好奇心とヤル気だけは旺盛。ただ今、恋人募集中。
スポーティーで快適。それは今まで二度にわたり日本カー・オブ・ザ・イヤーに輝いたギャランにとって、当然のことかもしれません。このたびの 『 ギャラン  フォルティス 』 では「世界基準と照らし合わせても、ほとんど最高水準の全方向衝突安全性を確保しつつ、優れた環境性能も達成したんですよ」と吉永さんが胸を張ります。そのとおりで、全車平成17年基準排出ガス75%低減レベルも全車平均平成22年度燃費基準も見事にクリアしています。人に優しく、環境にも優しいこの新車が世界中で支持されるといいですね。
開発中に実際の路上での走行試験のため、欧米と日本を何度も一緒に往復したチームの結束は固く、深くなりました。もうほとんど家族?