個人投資家の皆さん。また、これから株の売買をしてみようと考えている方々。吉報です。 オペレーター待ちで、イライラすることがありません。苦手なパソコンを使わずとも、音声だけで株の売買ができるシステムが導入されたそうです。一体、どんな仕組み?
そもそも、どうして『ボイストレード』なるものが生まれてきたのか。その背景を、コールセンター長の辻井博之(つじい・ひろゆき)さんが説明してくれました。
「現在、株価照会はネットが主流ですが、以前はコールセンターに殺到していました。株価照会だけを行えるシステムはあったのですが、4桁の銘柄コードをプッシュしなくてはならず、利用は限られていた。その頃、音声をテキストに変換できるソフトが開発され、これはコールセンターの替わりになるなと。なぜなら、会社名を言っても、俗称を言ってもオペレーター同様に対応できますから。つまり、売買も可能。そこで『ボイストレード』と」
実際、コールセンターにかかって来た電話で『ボイストレード』を紹介すると、利用者数はまたたく間に逆転。今なおオンライントレードが66 %と最多だが、これに次ぐのが『ボイストレード』の21%。コールセンター6%の3倍以上の利用率となったそうです。
「パソコン操作の苦手な高齢者の方を中心に、利用が広まったようです。しかも『ボイストレード』での株式注文手数料は、オンライントレード同様、対面売買の50%引きです」
三菱UFJ証券
営業本部
コールセンター長
辻井博之さん
三菱UFJ証券 営業本部
コールセンター
オンライントレード課長
白木勇一さん
利便性とパソコンより
早く照会・注文が可能
では、どうして急速に『ボイストレード』の利用者が増えたのだろう。オンライントレード課長の白木勇一(しろき・ゆういち)さんが、教えてくれました。
「一番の理由は、利便性。“株価”“買い”といった言葉に、即座に対応。本物の女性アナウンサーのような声で応答します。そのまま、お客さまの声だけで売買できますし、お手元の電話機のプッシュボタンを押されても、要望にお答えできます」
その仕組みについて、白木さんはこんなふうに説明してくれました。
「コールセンター内にあるパソコンに『ボイストレード』
のソフトが内蔵されていると思ってください。つまり、お客さまの声に無人のパソコンが、しっかり対応しているのです」
でも、会社名や注文内容を誤って言ってしまったら、どうなるのだろう。また、昨年に起こった世界同時株安の時みたいに『ボイストレード』に電話が殺到したら……。
「まったく、心配ありません。左表のように、会社の愛称、通称をおっしゃられても、正式な社名へと誘導します。そこが、また『ボイストレード』の優れた点で、誤発注は一度もなく、電話が殺到してつながらなかったという苦情もありません」
さらに、前出の白木さんが『ボイストレード』のメリットを追加。
「スピードです。パソコンだと起動するまでに30秒ほどかかる。でも、こちらは電話するだけで、即座にリアルタイムの株価照会が可能。しかも、電話代は無料」
携帯電話からもつながり、今後、若い世代にも浸透していきそうだ。


●プロフィール
一押し太郎(いちおし・たろう)1981年3月3日生まれ。うお座。『マンスリーみつびし』新米記者。
2005年4月号から「わが社の一押し」を担当。まだまだ未熟でドジな面もあるが好奇心とヤル気だけは旺盛。ただ今、恋人募集中。
いやぁ、本当に驚きました。「マック」と言えば、「日本マクドナルドホールディングスで、よろしいですか」と答えるんだもの。只者ではありませんよ、『ボイストレード』は。それに、自分の口座にある金額以上の株は買えなくなっているらしいから、安心です。ボクも資金がたまったら、早速電話してみよう。
今回、取材の労を取っていただいた広報室長の久戸瀬博志(くとせ・ひろし)さん。株式売買の基礎知識を教えていただいたオペレーターの笹田祐美子(ささだ・ゆみこ)さん。本当にお世話になりました。
左から順に、久戸瀬さん、辻井さん、笹田さん、白木さん。東京・豊洲にある三菱UFJ証券のコールセンター内にて。同センターのセキュリティーは、万全