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| 厳かな雰囲気の漂う外観。 |
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昨年、リニューアルオープンしたこの博物館は、日本郵船、ひいては日本の歴史を展示した場所。館内が実際にどうなっているのか、案内していただきました。
歴史ある洋館が立ち並び、エキゾチックな雰囲気を漂わせる横浜・海岸通り。その一角に、ひときわ目を引く建造物があります。1936年に建てられ、日本郵船の横浜支店として長年愛されてきた建物。昨年6月、隣にあった資料館がこちらにお引っ越し、新しい「日本郵船歴史博物館」として生まれ変わりました。
どっしりと風格ある外観も印象的ですが、中に足を踏み入れてみると、柱や床などが当時のまま残された、とても重厚な趣に圧倒されます。隅々までピカピカに磨き上げられ、そこに、最新の技術を駆使した展示物が並んでおり、まさに、近代と現代とが融合した空間です。
この博物館は、日本郵船の長い歴史を知ることができる博物館。創業から現在までを9つの時代に分け、それぞれの時期にどんな事業が行われてきたのか、日本の歴史と絡(から)めながら紹介しています。9つに分けられたゾーンを順に辿(たど)れば、その歩みを追うことができます。
チャップリンもここへ来た!
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| コンピューターには、目からウロコの情報がいっぱい詰まっています。 |
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そもそも、日本郵船はどんな事業を行ってきたのでしょうか。歴史の時間に勉強した記憶はあるものの、なんだかうろ覚え。そこで、館長代理の金澤寛治(かなざわ・かんじ)さんに、館内を案内してもらいつつ、その歴史を紹介していただきました。
「海に囲まれた日本は、船によって外国との交流を開きました。日本の近代化は海運なくしてはありえなかったわけです。日本郵船は、海外航路を次々と切り開いた船会社です。ですから日本郵船の歴史は、日本の近代化の歴史でもあります」(金澤さん)
まず最初は、創業期を展示したゾーンへ。日本郵船の創業は、1885(明治18)年。郵便汽船三菱会社と共同運輸とが合併して、日本郵船が誕生し、それは93(明治26)年商法改正とともに日本初の株式会社となります。岩崎彌之助ら、会社設立に関わった先人たちの写真が飾られていますが、そうそうたる顔ぶれで、この会社の発足がいかにすごいことだったのか、改めて感じさせられます。
上海、ウラジオストック、釜山・仁川などの沿海航路を郵便汽船三菱会社から引き継ぎ、1893年にはボンベイ航路を開設。日本の海運会社としては初めて、遠洋定期航路を開拓したわけです。それがやがて、世界第3位の海運国・日本を作っていきました。
「次に、昭和初期に入ると、豪華客船の時代が到来します。浅間丸や鎌倉丸といった豪華客船が次々と就航し、国内外の要人たちが船旅を楽しみました。チャールズ・チャップリンやヘレン・ケラー、アインシュタインなど、そうそうたる顔ぶれが、日本郵船の船を利用しました。乗船前にはこの場所に立ち寄ったかもしれませんね。当時、船は文化も運んだのですね」(金澤さん)
豪華客船時代の詳細を記したゾーンには、船で使われたファブリック(布製の備品)や、食事のメニューなどが展示されていますが、今見ても、ため息が出るほどゴージャス。客船を利用した人々の写真も飾られています。今、自分が立っている場所に、世界の偉人たちが足を運んだのだと思うと、感慨もひとしおです。
ショップや資料スペースも
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実際に使われていた舵輪。
重みを感じます。 |
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そんな時代が過ぎ、やがて戦争が始まります。日本郵船所有の船も戦争に徴用され、多くの船が沈められ、多数の社員が命を落としました。全世界に航路を広げ、世界第1位の船会社にまで上り詰めたというのに、戦争で大打撃を受けたのです。
しかし、その痛みを乗り越え、1951(昭和26)年、会社は復興に向けスタート。そして新たに目指したのは、総合海運会社。石油・鉄鋼・石炭など、さまざまな物資を運ぶための専用船を開発し始めました。日本のさらなる国際化にめました。日本のさらなる国際化に向けて、次へのステップを歩き始めたのです。現在、それら専用船は実に多岐にわたっています。例えば、5000〜6800台の自動車を積むことができる船の断面が展示され、その横のディスプレイでは、船にどうやって運び入れるのか、専用船の実際を垣間見ることができます。
そして、グルッと一周して最後にたどり着くと、これからの日本郵船の活動ゾーンがある。現在、総合物流企業として飛躍を続ける日本郵船は、安全・確実な輸送を追求するだけでなく、海洋汚染防止の研究など、海の環境保全のための新たなる取り組みを始めていることを、知ることができます。
館内には、コンピューターが多数設置されているほか、羅針盤を踏むとムービーがスタートしたりと、楽しい仕掛けもたくさんあります。また、資料を閲覧できるスペースや、客船で使われた食器や荷物に貼ったモダンなデザインのステッカーのレプリカなどを販売するミュージアムショップも併設されているので、飽きることなく、何時間でも過ごせます。横浜散策の折に、ぶらりと立ち寄ってみてはいかがでしょうか。子どもみたいな気持ちで楽しめる上、きっと、新しい発見があると思います。
日本郵船歴史博物館 http://www.nykline.co.jp/rekishi
まりんの取材日誌
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高校時代、あんなに必死に日本の歴史を勉強したのに、受験が終わったとたんにすべてを忘れてしまっていました。館内を巡り、さまざまな歴史に触れるうち、机上だけの勉強がいかに身につかないかということを実感しました。この博物館は、日本の歴史をおさらいできる場所です。いや、日本の歴史を、体で感じることができる場所といったほうがいいかもしれません。この時代にこんなことがあったんだ、歴史上の人物たちは、こんなふうに船を利用し、こんなふうに生きていたんだ。受験勉強でしか歴史を学ばなかった私は、改めて、先人の偉大さを実感しました。
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