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| 超薄型のパラレルフローチューブ。 |
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今回の一押しは、左の写真に写っている、アルミのチューブ。この小ささ、薄さがすごいとのこと。いったい、何に使われるものなのか、工場を訪ね、お話を伺いました。
訪ねたのは、静岡県にある三菱アルミニウム富士製作所。この製作所では、飲料用のアルミ缶材やエアコン・ラジエーターのフィン材、ビルや住宅の内外装材、アルミ箔など、さまざまなアルミ製品を作っています。アルミは、熱・電気伝導性、耐蝕性、リサイクル、強靭性などに優れ、しかも軽いという特性があり、さまざまなところで使用されています。金属としての歴史は百数十年と比較的浅いものの、軽量化などが進む分野で他の金属にとって代わりつつあります。
左の写真の一押し製品も、以前は銅で作られていたそうです。名称は「パラレルフローチューブ」。カーエアコン内部の、冷媒の通り道になる部分に使われているチューブです。写真のように、内部には穴が開いています。管が何本も並んでいるような状態です。そこを冷媒が通り抜けるという仕組み。
「およそ30年ほど前に銅からアルミへと素材が変わってきました。当初は、現在のものよりも大きく、穴は現在よりもかなり少ない4つ程度でした」
と、押出製造部金型課長兼押出品質技術室課長・長谷川伸幸(はせがわ・のぶゆき)さん。
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穴の数増で効率アップ
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| 左・長谷川さん、右・津田さん。「多本出しが実現でき、生産効率を向上させたのがシェアアップの要因でもあります」(長谷川さん) |
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アルミに素材を変更し小型・軽量化は図れたものの、同時に、効率の高さも求められました。そこで考えたのが、穴の数を増やすこと。
「穴の数が多いと、冷媒が触れる表面積が大きくなるので、必然的に効率が高くなります」
とは、押出製造部押出品質技術室の津田晋一(つだ・しんいち)さん。
最新の製品の穴の数は21 (写真は19穴)。6穴から19穴、そして21穴と穴の数を増やしていったそうです。しかしそれは容易なことではなかったとか。
「このチューブは、金型を作り、そこへアルミを入れて、押し出して製造する押出製品のひとつ。ですから金型を完成させることが、最大の関門でした」(長谷川さん)
金型は、コンピュータで設計されますが、なにしろこの小さくて薄いチューブに21もの穴を開けるのですから、相当緻密な設計が要求されます。
「試作段階では、押し出しをすると金型が折れるというアクシデントもありました。押し出すとき、1ミリ角のものに体重60kgの人が乗るのと同じ圧力がかかるんです。それに耐えうる金型を作らなければいけない。そこで、設計と加工の過程で何度も改良を重ね、金型が完成しました」(長谷川さん)
世界シェアは35%
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| これが多本出し。チューブは、カットして使用します。 |
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このようなチューブを作っているメーカーは、日本にも数社ありますが、他社と比較して優れているのは、一度に複数本、このチューブを押し出すことができるということ。これは“多本出し”という技術ですが、同じ速度で均等にアルミを流し、押し出すのは、非常に難しいことなのだそうです。それを実現させたことで、業界を牽引しているというわけです。
このチューブが使われると、カーエアコンが軽くなり、エアコンの効率もアップ。結果的に燃費がよくなります。以前は高級車のみに使われていましたが、この実力が買われて、いまでは大衆車にも使われるようになりました。日本だけでなく、アメリカ、タイにも工場があり、世界シェアは35%。目に直接触れるものではありませんが、まさに縁の下の力持ちとして車文化を支えているチューブなのです。
(問)管理部 電話番号 03・3769・0111
まりんの取材日誌
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静岡県の裾野市に建つ富士製作所。取材の日はあいにくの天気でしたが、富士山がきれいに見える場所にあり、とてもいい環境で皆さん仕事をなさっているのだなあと、まずはうらやましく思いました。飲料用の缶材をはじめ、アルミ製品には毎日触れていますが、こうして製造過程を見るのは初めて。パラレルフローチューブのようなものからビルの建材まで、ここではさまざまなものが作られています。アルミがいかに柔軟性に富んでいるかということを認識しました。そして、社員の方々が生み出した技術が、アルミの可能性を広げたのだということも感じました。
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