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わが社の一押しシリーズ
vol.31ピーエス三菱 新橋梁形式「コルティー工法」


コンクリートと鉄の長所を組み合わせた、強くて軽い橋

プレストレスト・コンクリート(細い線をより合わせた鋼材をコンクリートに数本通すことでひび割れなどを防ぐ)の技術を誇り、それを用いた橋などの設計・施工などを行ってきたピーエス三菱。その技術に、新たな工法が加わりました。

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角田さんは曽宇川橋の設計・施工などを担当(左)
服部さんは日本初の波形鋼板ウェブを使用した橋梁を担当(右)

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プレストレスト・コンクリート。上下の端が黄色い棒状のものがコンクリートの中を貫き、その張力で強度を保つ。真ん中の板が下図・緑の部分が波形鋼板(曽宇川橋の実物大断面)(上)
「コルティー工法」を使った桁橋の模型。緑の部分が、波形鋼板。蛇腹状にうねりがある(下)


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これが従来のコンクリート桁橋。波形鋼板を使った桁橋と比較すると、コンクリートの量が多く、重い


コンクリートを薄い鋼板に替えることでコスト削減

今回は、橋の話。なかでも、橋面を支えている桁橋(けたばし)の部分をクローズアップします。橋面の下側に、橋面と垂直に桁を数本並べることで、橋は支えられています(左の模型を参照)。

「従来、コンクリートの橋は、桁をすべてコンクリートで造るのが一般的でした。ところが、コスト削減が叫ばれるようになり、別の部材と組み合わせる必然性が出てきました」と、技術本部土木技術第一部の角田隆洋(かくた・たかひろ)さん。

というのも、コンクリートだけの桁では、材料の良さを最大限に生かすことができなかったり、重いので作業も大変で、橋を支える基礎に負担を与えたりするからです。そのマイナス面を解消するために別の部材を用いたのが、「コルティー工法(波形鋼板ウェブPCT桁)」。

「桁の真ん中部分を、波形鋼板(蛇腹のような形状の鉄板)に変えて作る工法のことです。この工法は、フランスで生まれ、日本でも応用されてきました。これまでは大きな橋に用いられてきたのですが、大浦隆技術本部長のアイデアでこの度初めて、桁を工場で造る長さ約24メートルの小さな橋で用いたのです」と話すのは、技術本部技術研究所管理グループ服部政昭(はっとり・まさあき)さん。石川県加賀市に建設された曽宇(そう)川橋がそれです。

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加藤さんは波形鋼板ウェブを使用した長大橋日本1号を担当


桁橋を波形鋼板にするのには、どんなメリットがあるのでしょう? 「波形鋼板はわずか9〜12mmの薄さです。34cmの分厚いコンクリート(左写真)にこれが取って替わるわけですから、桁橋そのものが軽くなります。結果、今までは橋面を支えるために桁が14本必要だったところ、9本に減らすことができたのです。また、鋼板が波形になっていると、上から重量がかかっても座屈しにくくなり、強度も高くなります」と説明するのは、技術本部土木技術第一部の加藤卓也(かとう・たくや)さん。

桁1当たりが軽くなるため、重たいコンクリートよりも少ない本数で橋面を支えることが可能になったということ。たとえば、筋肉質の痩せ型の人ならば、9人で橋面を支えられるのに、肥満型の人の場合、自身の重さも支えなければならないため14人必要になる、というイメージです。そのため、橋全体の重さが20%ほど軽減でき、結果として、6%のコスト削減を実現することができました。


納得してもらうために公開試験を敢行

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試験場内。頭上の赤いものが下に降りてきて、筆者が立っている場所に置いた桁に圧力をかけていく

設計には自信があったものの、橋を管轄する役所の許可がおりるまでの道のりが大変だったそうです。

「曽宇川橋は小さな橋ですから、昔から用いられている工法を使うのが当たり前という認識があったんですね。その工法を使えば間違いないことはわかっているわけですから、わざわざ新しい工法にチャレンジする必要はないと。しかし、この工法は、コスト削減につながるだけでなく、強度が高いという特長もあります。そこで、それを理解していただくため、公開試験を行いました」(角田さん)

小田原にある技術研究所に関係者を招き、いかに壊れにくいかという実験を行いました。異例のことでした。造った桁に上から圧力をかけていったところ、110トンまで壊れなかったとのこと。桁の性能を皆さまに、その目で実際に確認していただくことができました。軽くて強くて安い、3拍子揃ったコルティー工法の橋。曽宇川橋の竣工をきっかけに、大小にかかわらず、この技術を用いた橋が日本各地にお目見えする日は近いかもしれません。


(問)ピーエス三菱 技術本部土木技術第一部
電話番号 03-4562-3071 
http://www.psmic.co.jp




まりんの取材日誌

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橋梁作りのプロフェッショナルたちと
東京駅のプラットホームにもピーエス三菱の技術が生きていた

今回訪れたのは、曽宇川橋の公開試験を行った小田原の技術研究所。さまざまな製品の試験や研究が行われている場所です。構内には、1951年に日本初のプレストレスト工法により造られた、石川県七尾市の長生橋、1953年に建設された東京駅のプラットホーム桁など、ピーエス三菱が手がけた橋などの一部がモニュメントのように飾られています。ピーエス三菱の技術は、数多くの人が利用する場所を形作り、支え、快適にしてきたのです。