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わが社の一押しシリーズ
vol.39 新日本石油 燃料電池「 ENEOS ECO LP‐1 」


夢のエネルギー燃料電池が
ついに家庭に普及開始!

今回の訪問先は新日本石油です。ついにLPG原料の燃料電池の商品化に成功したのだとか。夢のエネルギーといわれる燃料電池の未来とは? 地球全体の環境を見据えた努力がそこにはありました。

「地球にやさしい燃料電池。開発のみならず、本格的な普及を目指すのが使命」と池松さん 「より身近な原料で水素を作り出すことが燃料電池開発のカギになります」と大石さん
「地球にやさしい燃料電池。開発のみならず、本格的な普及を目指すのが使命」と池松さん

「より身近な原料で水素を作り出すことが燃料電池開発のカギになります」と大石さん


ENEOSのブランドで知られる新日本石油。ガソリンの会社というイメージが強いんだけど、なんと21世紀のエネルギーといわれている「燃料電池」を家庭用に普及させるべく研究開発に取り組んでいるのだとか。先頃は、世界初のLPガス仕様家庭用燃料電池システムの商品化にも成功。でも、なんで燃料電池は、スゴイ! 画期的な製品だ! といわれているのでしょうか? 研究開発本部中央技術研究所FC開発研究所長の池松正樹(いけまつ・まさき)さんが教えてくれました。

「燃料電池の最大の魅力は低公害ということです。燃料電池は『水素と酸素を電気化学的に反応させ、電気エネルギーを起こす装置』のため、電気エネルギー以外に発生するのは水だけです。燃料から水素を作り出す段階でCO2が発生しますが、燃焼を伴わないので、従来の発電に比較した場合、6〜8割の排出量に抑制が可能です。窒素化合物(NOχ)や、硫黄酸化物(SOχ)もほとんど発生しません。また、エネルギー効率も高いのです。従来の発電機では、燃料の持つエネルギーを熱エネルギーに変換し、さらに発電機を動かすための運動エネルギーに変換するため、エネルギーロスが発生してしまいます。燃料電池は、電気化学反応により、直接電気エネルギーに変換するためエネルギーの損失が少ないのです。さらに、大変静かな発電システムであるということ、出力規模の大小にかかわらず、一定の高い発電効率が得られることなど、省エネ、環境特性の面でとても優れています」

そんな、とっても優秀な燃料電池を家庭でも使えるようにしたのがENEOS ECO LP‐1。FC・新商品事業本部FC事業部副部長の大石庸之(おおいし・やすゆき)さんは、新日本石油が他社に先駆けて開発に成功した理由を話してくれました。

(上)左側の箱が燃料電池スタック。LPガスを燃料に水素が生み出され、それを酸素と電気化学的に反応させることで電気が作り出される。右側の箱は、電気とともに生まれる熱によって温められた水を貯めておく貯湯槽。電気と温水が同時に作れるシステムだ。

(右)愛・地球博メインパビリオン・グローバルハウスに展示されている「銀河時計」は燃料電池で動いている

(上)左側の箱が燃料電池スタック。LPガスを燃料に水素が生み出され、それを酸素と電気化学的に反応させることで電気が作り出される。右側の箱は、電気とともに生まれる熱によって温められた水を貯めておく貯湯槽。電気と温水が同時に作れるシステムだ。(右)愛・地球博メインパビリオン・グローバルハウスに展示されている「銀河時計」は燃料電池で動いている

燃料電池システム設置イメージ
2005年度中に、関東圏1都10県に150台の燃料電池が設置される。2006年以降は全国展開される予定だとか。ふたつのユニットからなる燃料電池システムは家庭に必要な電気と温水・給湯をまかなう。装置の制御は遠隔監視センターでモニターされており、従来の電気やガスと変わらない感覚で使用できる。既存エネルギーに比べ、使っているだけで環境に貢献しているのは確かだ


水素を作り出すノウハウが 燃料電池開発に役立つ


「環境問題に真剣に取り組む総合エネルギー企業を目指す。燃料電池はその一歩」と藤野さん
「環境問題に真剣に取り組む総合エネルギー企業を目指す。燃料電池はその一歩」と藤野さん

「燃料電池の燃料となる水素は、天然に存在する資源ではないため、石油や天然ガス、メタノールなどから改質製造しなくてはなりません。私たちはこれまで原油から石油製品を製造する過程において、硫黄などの不純物を取り除くために大量の水素を使用していました。石油から水素を製造するための技術を持っていたのです。1986年に初めて燃料電池用の水素改質装置の研究に着手したのですが、こうした技術やノウハウを応用した結果、ようやくLPGを原料とする家庭用燃料電池の開発に成功し、商品化となったわけです」

家庭用に普及しているLPGを原料とすることで、燃料電池の設置が促進されることを期待しているとのこと。また、LPGよりさらに安価で入手しやすい灯油を原料とした燃料電池を三菱重工業と共同で研究開発中。燃料電池がより身近になる日も近い。

FC・新商品事業本部FC開発グループの藤野雄三(ふじの・ゆうぞう)さんは、 「いままで世界の発展というのはエネルギーを消費することで遂げられてきました。しかし、これからは、環境との調和を考えなければいけない。総合エネルギー企業を目指す新日本石油は、単なるエネルギーサプライヤーではなく、環境面でも社会に貢献できる会社であることを目指しています。環境にやさしい燃料電池の開発は、その具体化のひとつなのです」と語ってくれました。

各家庭に燃料電池が普及したら、地球もずいぶん喜ぶんだろうなあと、そんな想像をしてしまう新日本石油への取材でした。
一押しくん

(問)新日本石油広報部
電話番号 03-3502-1124
http://info.eneos.co.jp/



一押しくんの取材日記
プロフィール 一押し太郎(いちおし・たろう)
1981年3月3日生まれ。うお座。『マンスリーみつびし』新米記者。 2005年4月号から「わが社の一押し」を担当。まだまだ未熟でドジな面もあるが好奇心とヤル気だけは旺盛。ただ今、恋人募集中


本社の1階に展示されているENEOS ECOLP-1の前で記念撮影。2005年度中に国内の150戸の家庭に、この装置が設置されます。なんだかうらやましいような
本社の1階に展示されているENEOS ECO LP-1の前で記念撮影。2005年度中に国内の150戸の家庭に、この装置が設置されます。なんだかうらやましいような
地球にやさしいエネルギーとは? 環境について 考えさせられた一日

ボクがENEOSと聞いて連想するのはガソリンスタンド。ガソリンの会社が、なんで燃料電池なの? というのがはじめに抱いた印象でした。だって燃料電池が普及したら、ガソリンを売っている会社は困るんじゃないの? そう思ったからです。いやあ、考えが甘かった。

現在、一次エネルギー供給に占める石油の割合は、5割にまで低下しているのだそうです。発電用燃料が多様化し、自動車の燃費性能も向上、ひところの「エネルギー=石油」という時代から徐々に変わりつつあるのだとか。新日本石油は確かに社名に"石油"の文字は入っていますが、実態は"さまざまなエネルギーを供給する会社"でした。燃料電池システムの開発もその一環。開発の念頭に置かれているのは、まさに「環境」のひとこと。21世紀になってようやく普及の兆しが見えてきた夢のエネルギーシステムの明日が楽しみです。