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助成プロジェクト 成果レポート

探究的な教育活動を継続・発展させていくためには?【開催レポート】みらい育成アワード2023?知見、実践、その想いを分かち合う?

みらい育成アワード2023?知見、実践、その想いを分かち合う?

2023年9月24日、東京都のJPタワーホールで、「みらい育成アワード2023?知見、実践、その想いを分かち合う?」が開催されました。年に一度、三菱みらい育成財団の助成を受けて活動している助成先の中から、優れた活動・成果を表彰という形でたたえ、ノウハウや想いを分かち合う場です。

2019年に財団が設立されて以来、今回が初めての集合形式による開催となり、助成先や招待者、およびパートナー団体含め、100名を超える参加者が一堂に会しました。 アワードの模様はライブ配信され、団体の代表者以外の方や会場に来られなかった方もオンラインで多数参加されました。

みらい育成アワード2023の様子

今回は2022年度に採択された74団体の中から特に優れたプログラムを実施した9団体が表彰され、その後には各カテゴリーのグランプリ受賞団体(5団体)より、プロジェクトの成果に関するプレゼンテーションが行われました。

みらい育成アワード2023の様子
発表団体一覧

カテゴリー1(第1地区)グランプリの新渡戸文化高等学校からは、受賞プロジェクト「心が震えた想いをプロジェクトにするために~クロスカリキュラムで生徒の心に火をともす『SDGs de未来構想』の教材開発~」について発表されました。教科横断や個別最適化学習を取り入れた授業に加え、全国の提携先から選んだスタディ・ツアーで土地や人と触れあう「旅」、これらの活動を通して生徒が自らの興味と社会課題を結びつけて問いを立て、動いて、調べて、発表する探究活動を行う、というものです。

みらい育成アワード2023の様子

プレゼンテーション後に行われた参加者同士のディスカッションでは「このような活動では生徒が課題設定をするのは大変難しいが、ワークシートを用いて言語化しやすくするなど、サポートも充実している」といった感想が聞かれました。

カテゴリー2グランプリ、教育と探究社からは「『問い』で授業と出会い直す Question X」の成果が発表されました。Question Xとは、カードを使ったゲーム形式により生徒が授業の中でさまざまな問いを立て、主体的、探究的に学ぶ楽しさを体感するプログラムで、プレゼンテーション後には「問いを立てるのに行き詰まり、あきらめてしまう生徒もいる中でゲームの要素を加え障壁を下げる手法は画期的ではないか」といった意見が出ていました。

みらい育成アワード2023の様子

続いて、2020年に採択され、3年の助成期間を終えてから再び助成される「リエントリー制度」に採択された4団体のパネルディスカッションが行われました。

みらい育成アワード2023の様子

「教育活動のサステナビリティを考える」というテーマで、予算やマンパワーなど現実的な課題がある中で生徒に探究をもたらす活動を自走させ、継続していくにはどうすればいいのか、といった議題が論じられ、オンライン参加の方々からも教育の現場に携わる立場からリアリティのある意見や質問が寄せられました。

みらい育成アワード2023の様子

パネルディスカッションの熱気も冷めやらぬまま、参加者同士の感想共有やフリーディスカッションも行われました。

今回のアワードでは冒頭のプレゼンテーションからこうした交流・ディスカッションの機会が多く設定されており、団体の垣根を越えた意見交換で知見やノウハウをシェアする貴重な場となりました。