ライフスタイル企画

2023.04.13

旅企画「目的旅のススメ」

日々の頑張りに充電切れを感じたら…。島旅で“デジタルデトックス”

毎日何かに追われ、忙しく生きる大人にこそ、デジタルデトックスが必要だ。うつむいてばかりいる日常から離れ、遠くの地にて視点を上げてみる。すると、そこには見渡す限り広がる青い海、肌を潤いで包み込むやわらかな湯、頭上にきらめく満天の星…。圧倒的な非日常の世界が私たちを癒してくれる。さぁ、スマホやパソコンから距離を置き、島旅に出かけよう。

ライフスタイル企画 旅 メインビジュアル

船旅を経てたどり着く、ジオパークに浮かぶ拠点施設『Entô』

島根半島から北へ約80km。日本海のはるか沖合に浮かぶ隠岐諸島は、2013年にユネスコ世界ジオパークにも認定された、ダイナミックな地形が魅力の島々。「大地の成り立ち」、「独自の生態系」、そして「人の営み」を一つの物語として知れる場所だ。

そんな隠岐諸島にある中ノ島に2021年にオープンしたのが、泊まれる拠点施設『Entô』だ。

拠点施設『Entô』外観写真

最寄りの菱浦港に着くまでは、実に長旅。隠岐世界ジオパーク空港まで飛行機で向かい、その後はフェリーにも揺られ、風に抱かれること約1時間。決してアクセスが良いと場所とは言えないが、ダイナミックな景色を目の当たりにすれば、それまでの苦労は一瞬にして吹っ飛ぶ。

拠点施設『Entô』客室写真

客室の左右に大きく広がる窓から望む、約600万年前の火山活動で形成されたカルデラ湾の美しさは、圧巻の一言。刻一刻と変わるその景色は何時間眺めても飽きることはない。

これらが作り上げられるまでの地球の歴史から見れば、普段の悩みなどちっぽけなもののように思えてくる。

拠点施設『Entô』食事写真

豊かな海の幸、新鮮な島野菜など、素材の旨みがダイレクトに伝わってくるコース料理を堪能し、温泉で旅の疲れを流せば、夜は驚くほどぐっすり眠れる。

また、焚き火や夜光虫観察のナイトクルーズ、ジオパークに息づく自然を体感できるガイドツアーなど、好奇心を満たすアクティビティも充実している。

大きな窓から差す陽の光で目覚め、太陽の時間軸で過ごす旅は、心身ともに“生き返った”と感じられる、これ以上ないデジタルデトックス旅のはずだ。

『Entô』

施設写真

〒684-0404 島根県隠岐郡海士町福井1375−1
050•3198•9491

客室数36室(本館「BASE」18室、別館「Annex NEST」18室)
「Annex NEST」1泊2食付き1名2万6,800円~。菱浦港より徒歩で約3分。

絶景とスパに癒される、天然温泉リゾート『アクアイグニス淡路島』

長期の休みを取らずとも、デトックスできる方法はある。たとえばドライブを兼ねての日帰り島旅。

関西エリアであれば、淡路島は身近なデスティネーションだ。世界最大級の吊り橋、橋長3,911mの明石海峡を走るだけでも気分は爽快。

でもさらに非日常感を味わうなら、2022年夏にオープンした『アクアイグニス淡路島』を目的地に設定したい。

天然温泉リゾート『アクアイグニス淡路島』外観写真

神戸・三宮からたった30分。天然温泉と美食を堪能できる癒しの新スポットは、国営明石海峡公園内にある複合型天然温泉リゾートだ。

到着と同時にまず訪れたいのは、「伊弉冉(いざなみ)の湯」。幅約45mという広さの“インフィニティバス”からは、大阪湾を一望。

天然温泉リゾート『アクアイグニス淡路島』客室写真

地下1,000mの深度から湧出した天然温泉に浸かりながら、目の前に広がる海をただ眺める。水着着用温泉だけに、家族や恋人、親友と語り合いながら楽しめるのもいい。

天然温泉リゾート『アクアイグニス淡路島』食事写真

また、施設内には「手水敷(てうづしき)」というスパも完備。コンセプトの“うったえかけるマッサージ”に体を預ければ、するすると緊張が解けていく。

帰路は当然、心身ともにぽかぽか&軽やか。「明日からまた頑張ろう!」、そんなふうに思えるに違いない。

『アクアイグニス淡路島』

天然温泉リゾート『アクアイグニス淡路島』写真

〒656-2306 兵庫県淡路市夢舞台2-28
0799•73•6602(代表)

「伊弉冉(いざなみ)の湯」
営業時間7時~22時(受付21時30分まで) 無休
入湯料 大人(中学生以上)全日2,000円 子供(3歳〜小学生まで)全日1,000円 ※3歳未満は無料

「手水敷(てうづしき)」
営業時間12時~21時(最終受付20時)
0799•73•6598

大阪方面から神戸淡路鳴門自動車道「明石海峡大橋」を渡り、淡路ICを降りて国道28号を南に車で5分。

自然と歴史ロマンあふれる、五島列島の最北端『宇久島』

朝のNHK連続ドラマ『舞いあがれ!』にも登場した五島列島。

美しい海とそこに暮らす優しい島人たちの姿を見て、行ってみたいと思った人も多いだろう。

大小合わせて152の島々からなる五島列島だが、デジタルデトックスにおすすめしたいのは、佐世保から航路距離66km、平戸島から西25kmの距離にある『宇久島』だ。

五島列島の最北端『宇久島』景観写真

実はこの島では、「心の充電、出来ていますか?」という胸打つコピーを掲げ、デジタルデトックス滞在のモデルプランを提案している。

最初の一歩は、当然、スマートフォンの電源をOFFにすることだが、なんと滞在中はそれを観光協会で預かってくれるというから面白い。

五島列島の最北端『宇久島』読書 写真

スマートフォンがない旅は、最初こそ少し落ち着かないが、浜辺を散歩し、お寺で瞑想、灯台近くでハンモックに揺られ読書にふければ、その存在すらすっかり忘れてしまう。

ただのんびりするだけでなく、釣りやサイクリングを楽しんだり。または、島に数多く残る史跡や文化財を見て回りながら、想像力をふくらませたり。

1187年壇ノ浦の戦いに敗れた平家盛が安住の地を求めて辿り着いた島、という伝説もロマンを誘う。

五島列島の最北端『宇久島』 船隠し

そして雄大なサンセットに癒された後は、民泊で島人と触れ合い、満天の星を眺めて眠りにつこう。

時間やメールに追われることなく、気の向くままに過ごす1泊2日が教えてくれるのは、心が満たされることの大切さ。

五島列島の最北端『宇久島』 船隠し

心が充電されると、世界はより鮮やかに見える。

『宇久島』はそんなことに気付かせてくれる場所だ。

『宇久町観光協会』

天然温泉リゾート『アクアイグニス淡路島』写真

〒857-4901 長崎県佐世保市宇久町平2524-23
0959•57•3935

営業時間8時30分~17時30分 年末年始休

構成・文/一寸木芳枝