6月の食材:にんじん

にんじんは1年を通して品種と産地を変えて生産されているため安定した価格で手に入るうえ、栄養価の高さでも日々の食卓に活用しないともったいなさすぎる野菜。夏目前の今の時期こそ、積極的にとりたい食材ともいえます。なぜならば…βカロテンのパワフルな抗酸化力を期待して! こんがりブロンズ色の日焼け肌がステイタスなフランス人は、夏はとくにUVケアを意識してキャロットラペをたんまり食べる習慣があるとの噂。カラダの中から健やかでイキイキとした美しさを目指したいなら、にんじんをぜひ味方に。今回はにんじんを主役にした、リピート必至の“ひとひねり”常備菜をご紹介します。

にんじんはβカロテンやビタミンC、カリウム、食物繊維が豊富。健やかなカラダ&ハリツヤ美肌をサポートするのにもってこいの食材。ツヤツヤとしたオレンジ色で表面に割れなどがないなめらかなものを選んで。大きすぎるものよりも、切り口の直径が小さいもののほうが芯までやわらかく、味が詰まって濃い場合が多い。
●にんじん常備菜をおいしく負担なく作るコツは…優秀ツール使いにあり!

キャロットラペやしりしりなど、にんじん常備菜作りは「いかに細かく均一に切るか」が肝。優秀ツールを使えば、下ごしらえが時短に、さらに調味料のなじみが変わるうえ、見た目も美しく仕上がります。しりしりには沖縄旅の道中で購入した「しりしり器」(左)で少し平べったい不揃いの千切りに。キャロットラペには「万能野菜調理器 ベンリナー」(中央+三つの替え刃)を使って極細の千切りに。さらに皮むきや長いリボン状の削ぎ切りには、切れ味抜群の「リッター」社のピーラー(右下)を愛用中。
<Recipe1>
シンプルな味付けに味噌を足し、噛むほどに滋味深い
にんじんしりしり

このレシピのPoint!
☑ にんじんしりしりは具材も味付けも多種多様だが、あえてにんじん+卵だけでとことんシンプルに。食べ飽きないおいしさを追求。
☑ 油はごま油、調味料は酒としょうゆ、味噌のみ。しょうゆはごく少量、隠し味に味噌を加えることで味が締まり、コクがプラスされる。
☑ 香ばしさを添えるすりごまはたっぷりめに。
【材料】2人分
にんじん…1本
卵…1個
ごま油…大さじ1
酒…大さじ2
しょうゆ…小さじ1/2
味噌…大さじ1/2
白すりごま…大さじ1~お好みで
つくり方
① にんじんはしりしり器やスライサーで細かくスライス(スライサーがない場合は千切りに)。
② 小鉢などに味噌を入れ、酒としょうゆで溶いておく。
③ フライパンにごま油を入れて中火にかけ、にんじんを2分ほど炒める。

④ ③に②を加えひと混ぜし、溶いた卵を入れて卵がポロポロになるよう炒め合わせる。
⑤ 火を止め、白すりごまを加えてひと混ぜする。
<Recipe2>
にんじん嫌いも克服!? 抜群においしく爽やかなハーモニー
フルーティキャロットラペ

このレシピのPoint!
☑ にんじんとビタミンたっぷりのオレンジを組み合わせることで、さらに効率的に栄養を摂取。フルーティな爽やかさが加わり、格段においしさアップ。
☑ にんじんはスライサーで極細にすると調味料がなじみやすくなるうえ、もりもり食べやすくなる。
☑ 酸味だけでなく、適度にハチミツで甘みを。さらに黒こしょうのピリッと感も味の決め手に。
☑ ジップ付き保存袋で作ると、味がなじみやすく保存もしやすい(冷蔵庫で3~4日保存可)。
【材料】2人分
にんじん…1本
オレンジ…1玉
オリーブオイル…大さじ1/2
白ワインビネガー…大さじ1/2
レモン汁…大さじ1
ハチミツ…大さじ1/2
塩…ひとつまみ
黒こしょう…少々
アーモンド…5粒
つくり方
① にんじんはスライサーで細めの千切りに(スライサーがない場合はできる限り細く切る)。

② オレンジは皮をむき、縦4分割にしてから幅3~4mmに切る。
③ ジップ付き保存袋に①と②、オリーブオイルを入れて一度軽くもんで全体に油をまとわせてから、白ワインビネガー、レモン汁、ハチミツ、塩、黒こしょうを入れる。調味料&具材がまんべんなく混ざるよう、封をして袋をふったりもみこんだりする。

④ 10分ほどおいて味がなじんだらできあがり。皿に盛り、好みで砕いたアーモンドをトッピングする。
<Recipe3>
サラダ感覚のやさしいお漬物は和洋中なんにでも合う万能選手!
にんじん豆もやしパセリのナムル風

このレシピのPoint!
☑ にんじんをピーラーでリボン状に削いで、存在感&食感&風味をあえて全面に出して主役に。
☑ ナムルの定番素材である食感が楽しい豆もやしと、抗酸化効果を狙ってパセリも加え、食感も味わいも栄養価も欲ばりに。
☑ 鶏がらスープの素とおろしにんにくで、パワフル野菜をおいしく食す“無限ナムル”の完成。
【材料】2人分
にんじん…1/2本
豆もやし…1/2袋
パセリ…3~5枝程度
ごま油…大さじ1
鶏がらスープの素…小さじ1/2
酒…大さじ1
塩…小さじ1/6
おろしにんにく…小さじ1/6
黒こしょう…少々
つくり方
① にんじんはピーラーでリボン状に薄く削ぐ。

② 豆もやしはひげや豆の皮などを取り除いておく(今回は見映えを考えてひと手間かけていますが、ひげが気にならない人、面倒な人はそのまま洗って使ってもOKです)。
③ パセリは枝を取り除き、葉の部分をみじん切りに。
④ 鶏がらスープの素を大さじ2のお湯(分量外)で溶いておく。
⑤ フライパンを中火にかけごま油を熱し、最初に②の豆もやしを加えて1~2分炒めてから、①と酒と塩を加えさらに2分ほど炒めて少ししんなりしてきたら、④とおろしにんにくを加えてひと混ぜする。
⑥ 最後に③と黒こしょうを加えてひと混ぜし、味を調える。

※レシピの分量は常備菜という意味を含めての2人分を目安にしています。
※大さじは15ml、小さじは5mlです。「少々」は親指と人さし指でつまんだ約小さじ1/8、ひとつまみは約小さじ1/5の量です。
※火加減や加熱時間は環境によって異なるので、様子を見ながら調整してください。
※野菜を洗う、皮をむくなどの下準備は一部省略しています。
撮影・レシピ制作・ライター/門司紀子