三菱の歴史

2023.11.30

漫画「千年くすのき」彌太郎編

第3話 不撓不屈

千年くすのき プロフィール

原作:成田 誠一(なりた・せいいち)
『マンスリーみつびし』冊子時代に連載していた歴史エッセイ『千年くすのき』著者。本連載はこのコラムの漫画化。

漫画原作:星井 博文(ほしい・ひろぶみ)
漫画原作者、漫画家。『まんがでわかる 伝え方が9割』(ダイヤモンド社)など経済から歴史ものまで著書多数。「なんでもマンガにしちゃう男」

@hoshiihirofumi(X、旧twitter)


漫画作画:上川 敦志(かみかわ・あつし)
漫画家。小学館「少年サンデー」などで活躍。同社の学習まんがシリーズでも著書多数。『小学館版 学習まんが人物館 スティーブ・ジョブズ』(小学館)など。実は女性。


題字:藤田 紅子(ふじた・こうし)
書道家。毎日書道会審査会員、南不乗発会、現日会副会長、高知現日会長、安芸全国書展審査会員。安芸全国高校生書展審査員。

岩崎彌太郎の生家の庭には、日本列島の石組が!?
高知県安芸市の名所へ行ってみた

眼前には田んぼが広がり、背後には妙見山。岩崎彌太郎の生家は、南国の陽がさんさんと降り注ぐ気持ちのいい場所に今もきれいに保存されています。 高知県安芸市の郊外の集落で、まず出迎えてくれるのは、彌太郎の銅像です。3.3メートルの大きなもので、故郷の田園風景を見守るようにそびえています。これは生誕150年を機に昭和60年に制作され、平成27年にこの場所に移築されたものなのだとか。

さあ、生家の門を入りましょう。茅葺きの母屋が見えてきます。庭には大きな楠。この連載コミックの原作「千年くすのき」もこの庭の楠を元に名付けられたそうです。

立派な枝ぶりを見上げて、振り返るとお庭が。右側の竹垣の中には、日本列島をイメージした石組があります。こちらは、彌太郎が少年の頃に、天下雄飛の思いを込めて作ったものなのだとか。少年時代にすでに大志を抱いて、大きな石で日本列島を作るとは・・・。
少年の頃から持っているものが違うというか、傑物だったのだなという思いを深くせざるを得ません。

庭から目を転じて家はというと、茅葺きの母屋に、二棟の土蔵。200年以上の風雪に耐えて残る母屋、当時の暮らしが感じられるものです。見学は土間まで入れますし、風通しのいい建物の内部がよく見えます。

母屋の裏のほうにある土蔵には、三菱マークが見られます。もう一方の蔵には、三菱のマークになったといわれる岩崎家の家紋の三階菱が鬼瓦に付いています。
それはまた別の回でお話ししましょう。

高知県安芸市井ノ口甲一の宮

岩崎彌太郎生家