「三菱重工スポーツチャレンジ」を掲げ、企業スポーツの強化・推進に取り組んでいる三菱重工。その活動について、三菱重工 グループ戦略推進室 広報部 企業スポーツ推進センター長の黒沢 英図氏、同センター ラグビー部 ゼネラルマネージャーの石井 晃氏、同センター マラソン部 ゼネラルマネージャーの原口 宗靖氏、同副センター長 兼 野球部 ゼネラルマネージャーの大川 広誉氏に話を聞いた。
「企業ブランド」「社員エンゲージメント」「CSR/地域・社会貢献」の3本柱
黒沢 英図センター長
――「三菱重工スポーツチャレンジ」とはどのような取り組みでしょうか。
黒沢
英図センター長(以下、黒沢センター長) 「三菱重工スポーツチャレンジ」は、スポーツを通じて「企業ブランド」「社員エンゲージメント」「CSR/地域・社会貢献」を向上する活動で、2021年から開始しました。それまで各拠点などに属していたラグビー部、マラソン部、硬式野球部、および当社がトップパートナーを務める浦和レッドダイヤモンズ、三菱重工浦和レッズレディースを一元的にサポートし、常に優勝を狙うことを目指すとともに、スポーツを通して一体感を醸成していきたいと考えています。
この取り組みをスタートしてから、戦績は飛躍的に向上しており、それとともに「三菱重工」という社名の露出も増え、ブランド力は向上。各拠点で社員向けのスポーツ教室を開催したり、応援観戦企画を実施したりすることで、社員エンゲージメントにおいても成果を感じています。社内の組織「三菱重工スポーツチャレンジサポーターズクラブ」のメンバーは、おかげさまで5,000人を超えました。
GM制にすることで優勝を狙えるチームに成長
ラグビー部 三菱重工相模原ダイナボアーズ 石井 晃ゼネラルマネージャー
――それぞれのチームの特徴、注目選手、目標などを教えてください。
石井 晃ゼネラルマネージャー(以下、石井GM) ラグビー部 三菱重工相模原ダイナボアーズは2027年に頂点を取ることを目標にしています。相当高い目標ですが、コーチらとも協議してそのためのプランを作りました。昨シーズンはディビジョン1に残るという目標を達成できたので、今シーズンはトップ8に入ることを目指し、入替戦を回避し、昨シーズンに出せた存在感を継続してしっかりと出していきたい。三菱重工相模原ダイナボアーズは粘り強さを長所とするチーム。選手たちは他チームよりも早い時期から練習を始め、自分を追い込んでいます。
マラソン部 原口 宗靖ゼネラルマネージャー
原口 宗靖ゼネラルマネージャー(以下、原口GM) マラソン部は、「長崎から世界へ」を合言葉に世界トップレベルの選手を育成しているチームです。8月に開催される「ブダペスト2023世界陸上競技選手権大会」に山下 一貴選手、10月の「杭州2022アジア競技大会」に定方 俊樹選手、同月、パリ五輪の代表選考会となる「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」に井上 大仁選手、山下 一貴選手が出場します。ぜひ応援してください。全日本実業団駅伝(ニューイヤー駅伝)は、毎年優勝まであと一歩というところなので、来年は優勝したいですね。
野球部 大川 広誉ゼネラルマネージャー
大川 広誉ゼネラルマネージャー(以下、大川GM) 硬式野球部はかつて6チームありました。その後、統廃合するなどして4チーム体制がしばらく続き、2021年、三菱重工スポーツチャレンジの活動開始に伴い、地域性などさまざまな点を考慮し、神戸・高砂と横浜をそれぞれ本拠地とするWestとEastの2チームに統合・再編しました。目標は都市対抗野球大会、および社会人野球日本選手権大会での優勝です。三菱重工スポーツチャレンジ3年目となり、今シーズンは常勝チームの基盤を仕上げるシーズンだと考えています。来シーズン以降、常に優勝争いに絡むチームにしたいと思っています。
――みなさんはゼネラルマネージャー(GM)という立場ですが、三菱重工スポーツチャレンジで改めて配置されたGMはどのような役割を担っているのでしょうか。
大川GM 三菱重工スポーツチャレンジの構想段階で各競技にGMを置くことがチームの常勝化に向けた有効な手段だと考えました。各GMが俯瞰した視点で現場の声も聴きながら責任を持ってチーム強化に当たります。また、ラグビー部、マラソン部、硬式野球部は運営形態や集客力・露出量などの特長が違いますが、それらを各GMと、新たに立ち上げたスポーツの専門部署・企業スポーツ推進センターが協力して、「企業ブランド」「社員エンゲージメント」「CSR/地域・社会貢献」」の3本柱の向上をポートフォリオでもって取り組むことで企業価値向上につなげていきます。
黒沢センター長 そうですね。三菱重工スポーツチャレンジ発足以前は、チームごとにそれぞれの考えで強化していましたが、GM制にしたことで、個々の戦略や選手のことだけでなく、予算も含めてトータルで見てチームを経営していくことができます。実際、GM制にしたことで強くなり露出も増えて認知度も向上しました。週1回は各チームのGMを含めた企業スポーツ推進センターのメンバーが集まって会議を行っています。
MOVE THE WORLD FORWARDを象徴するスポーツ
――三菱重工スポーツチャレンジの意義と三菱重工らしさを感じることがあれば教えてください。
石井GM スリーダイヤを背負う以上、日本一を目指します。今はそれが実現できる体制です。三菱グループには、1928年に創部された「全三菱ラグビーフットボール倶楽部」があり、創部90周年のとき、三菱重工相模原ダイナボアーズは英国に遠征をさせてもらいました。引き続き連携し、三菱重工相模原ダイナボアーズが三菱グループの結束の象徴となり、グループに貢献していきたいと思っています。
原口GM 社員の皆さんの愛社精神が強く、ニューイヤー駅伝でも「感動した」「家族と一緒に見た」といった感想をもらい、たいへん励みになりました。三菱重工スポーツチャレンジによってチームがどんどん強化されているので、三菱重工を代表する選手という自覚と責任を持って世界に挑戦し、見ている人と感動を分かちあい、三菱重工ブランドを世界に発信していきたいですね。
大川GM 三菱重工スポーツチャレンジによって、勝つこと、そして3本柱の目的を達成することが使命だと明確に定義づけることができ、選手にとってもやりがいと励みにつながっています。手前味噌ですが、ここまで戦略的にスポーツ活動を推し進めている企業はそんなに多くはないのではないかと思います。優れた選手も当社チームを選んでくれることが多くなりました。今後も、フェアプレー・チャレンジ・ヴィクトリーを基本コンセプトにがんばります。
黒沢センター長 「たかがスポーツ」という見方をする人もいるかもしれませんが、やはり試合を見に行って応援すれば元気をもらえるし、選手も元気をもらえる。勝てばうれしい。スポーツは理屈ではないと思うのです。三菱重工グループのタグラインは「MOVE THE WORLD FORWARD」。三菱重工グループは社会基盤を支える縁の下の力持ちとなり、世界を前進させます。これはスポーツに通じるところがある。たとえばラグビーではライン際でモールを組んで、地道に一歩一歩をつなげて進んで行く。それが三菱重工らしさであり、三菱重工のスポーツでもあると思っています。
特製ネックストラップ
三菱重工スポーツチャレンジサポーターズクラブに加入すると、特製ネックストラップを進呈している。また、公式試合、スポーツイベントに参加するとポイントが付与され、貯まったポイントは、オリジナルグッズと交換できる。
ラグビー部
ぜひスタジアムに来てください。ホームスタジアムの相模原ギオンスタジアムは両サイドが芝生で気持ちがいいですよ。1人でも多くの方に足を運んでもらって選手の後押しをしていただきたいですね。
マラソン部
3月開催の「東京マラソン2023」では、ゴールの東京駅前にたくさんの社員に応援に来ていただきました。他のレースではなかなか沿道に来るのは難しいと思いますが、テレビの前でぜひ応援お願いします。
硬式野球部
都市対抗野球大会は東京ドーム、社会人野球日本選手権大会は京セラドームで主に開催されています。一体感のある応援ができるよう、入場の際に応援グッズを配っています。オリジナルのチャンステーマもできました。一緒に応援しましょう。