今月の一社

今月の一社

菱晃

北海道旭川市の旭山動物園といえば、動物の行動特性を最大限に生かしたそれまでにない展示方法が有名です。アザラシが垂直に泳ぐ姿が見える円柱形の水槽は、現地を訪問したことがなくても思い浮かぶ方が多いでしょう。また最近では、海中から空を見上げるような巨大水槽で「空飛ぶペンギン」が見られるサンシャイン水族館(東京・池袋)の新展示も大きな話題となっています。これら、見る人に忘れがたい感動を与える展示は、丈夫で透明度の高いアクリルパネルにより可能になりました。それを設計・加工・施工しているのが、三菱ケミカルグループの『菱晃(りょうこう)』です。

水族館の大型アクリル樹脂板

菱晃は、大型水槽用パネルについて、1966年の上野動物園水族館大水槽の改修工事で、世界で初めて水槽に大型アクリル樹脂板を納めた実績を持ちます。

アクリル樹脂板は接着を重ねることで厚さ、サイズを無限に大きくすることが可能なうえ、厚くなっても光の透過度が落ちないという特性を持っているため、膨大な量の水を支え、その中で泳ぐ魚たちの姿を見る水族館の水槽にはうってつけ。水族館の水槽が巨大化し、展示方法も多様化の一途を辿っている背景にはアクリル樹脂という素材と菱晃の技術力があったのですね。水槽用パネルを製造しているアクリテック部のサイトでは国内外の納入事例が掲載されています。国内では旭山動物園やサンシャイン水族館、大阪海遊館など全国の名だたる水族館がずらり。行ったことのあるこの水族館の水槽もそうだったんだ!と驚きがあること間違いなしです。

トップライト

アクリル樹脂の高い安全性と透明度、抜群の加工性、耐久性といった特徴には幅広い用途があり、菱晃の取り扱い製品は大型水槽用パネルのほか、建築物の屋上部に設置して屋内に太陽光を送り込むトップライト、ガラスミラーに比べ丈夫で割れにくいアクリミラーがあります。また、土木・建築分野では、工場の床や道路のコーティング・補修用素材があります。そのほかにも、私たちの生活を守る地質安定剤・止水剤、材料分野では、暗い中で蓄えた光を発光する蓄光蛍光体顔料など、実に多岐にわたっています。

日々の暮らしをさらに安全に豊かに。菱晃が生み出す製品群には、透明なアクリルパネルの向こうから眩しい太陽の光が差し込むような「明るい未来」を感じますね!


本社:東京都中央区日本橋小網町14-1

注:本文中の情報等はいずれも2017年7月現在のものです。