今月の一社

今月の一社

vol.16 三菱長崎機工

三菱と長崎のゆかりは深く、古くは土佐藩が欧米の商人たちから船舶や武器弾薬などを輸入する際の窓口としていた「開成館長崎商会」の主任に、岩崎彌太郎が任じられました。これがのちの九十九商会、そして三菱商会へと発展していったことを考えると、長崎は三菱の故郷のひとつといえます。そんな「長崎」を社名に冠し、三菱の歴史の太い柱の一本である造船業の流れを汲み、現在もこの地で大規模なモノづくりに携わっているのが、今回ご紹介する三菱製鋼グループの『三菱長崎機工』です。

三菱長崎機工は、三菱製鋼の長崎製作所から産業機械部門と鉄構製缶部門を主体に独立した会社です。世界的なシェアを誇る鍛造プレスをはじめ、リングローリングミル等の大型産業機械や環境プラント、磁力選別機・防振装置、計量機器等から、発電用のタービンシリンダー等の各種鉄構構造物まで幅広い製品を製作しています。

プレス

と聞いても門外漢の私は頭の中に「?」がたくさん並んでしまいましたが、三菱長崎機工の鍛造プレスは、発電プラントのタービンローターや圧延設備の圧延ロールといった、「大型設備のための大型部品」を製造することができるのです。こちらの写真をご覧ください。鍛圧機械のひとつですが、右下に立っている方の身長と比べると、この機械がどれほど巨大かをお分かりいただけるかと思います。世界最大級の大型機械の製作実績を持つというのも納得ですね。

三菱長崎機工 イメージ

また、三菱長崎機工は環境プラント事業も展開しています。その中心となるのが下水汚泥処理プラント「メタサウルス」です。メタサウルスは、水熱処理技術により下水汚泥をなんと5分の1にまで減量化。また使用する熱エネルギーの全量をプラントで発生するメタンガスで賄えるためCO2 の発生が無く、減量後の脱水残渣は火力発電等の燃料および農業用の肥料として有効活用できる、画期的なプラントです。同社のウェブサイトでは、この「メタサウルス」を紹介する動画が掲載されています ので、ぜひその環境性・先進性をご覧になってみてください。

長崎で長い歴史を歩む三菱長崎機工ですが、同社沿革の「昭和20年8月 原爆により工場壊滅するも直ちに復興」という文字を見てとっさに息が詰まりました。長崎の歴史と原爆投下は切り離せないもの。この地で長く操業してきた三菱長崎機工も直接影響を受けていたのですね。ですが「直ちに復興」という言葉の力強さにもまた胸を打たれます。

三菱の故郷で歴史の苦難を乗り越えて、超巨大な機械を製造し続けるたくましさ。質実剛健な三菱らしさを強く感じる企業です。

本社:長崎県長崎市深堀町1丁目2番地1

お問い合わせ

注:本文中の情報等はいずれも2018年3月現在のものです。