今月の一社

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vol.37 丸の内熱供給

東日本大震災から九年という月日が経過しました。あの大災害に際しては、電気や水道が「災害に強い」ことがいかに大切かも実感しました。そこで今回は、東京丸の内地区を中心に安心・安全・快適な地域冷暖房システムを展開している、三菱地所グループの『丸の内熱供給』をご紹介します。

「地域冷暖房」とは、一定地域内の多数の建物へ熱製造プラントから導管を通し、冷水や蒸気を供給して冷暖房・給湯などを行うシステムです。丸の内熱供給は1973年からこの地域冷暖房事業に取り組んでいます。当時の丸の内は皇居の松が枯れるほど大気汚染が深刻な状況だったそうで、公害防止の観点から地域冷暖房の促進が不可欠と考えた三菱地所をはじめとする丸の内エリアの地権者が中心となり、丸の内熱供給は設立されました。

丸の内熱供給 イメージ1

地域冷暖房のメリットは、まずはその環境性。熱源設備を一括管理することで、地域全体での二酸化炭素排出量を大幅に削減することができます。また各ビルが屋上に冷却塔などの設備を持つ必要がないため、屋上庭園にして都市美観の向上やヒートアイランドの低減にも役立てることができます。

次に省エネ性。熱源設備の集中により、個別の建物がそれぞれに熱源設備を持つのに比べ一割以上、一次エネルギーの消費量が少ないことがわかっています。さらに丸の内熱供給では、夜間電力を活用した蓄熱槽の運用や、東日本大震災以降、事業継続計画(BCP)対応として注目されているコージェネレーションによる熱電併給も実施しています。

丸の内熱供給 イメージ2

そして安全性。地域冷暖房のプラントは地下にあり耐震性に優れているほか、個々の建物に熱源設備がないため、災害時には二次災害発生のリスクを大幅に低下できます。さらに熱源設備を持たなくていいということは、各ビルにとっては設備投資や維持管理のためのコストが不要ということに。ボイラー等が不要な分、空きスペースを賃貸に活用するといった収益化も可能で、経済性にも優れています。

丸の内熱供給では現在、大手町地区、内幸町地区、丸の内一丁目地区、有楽町地区、丸の内二丁目地区、そして青山地区の6地区で熱供給を行なっており、全地区合計でメインプラント6か所、サブプラント15か所を地下に設置し、蒸気配管、温水配管、冷水配管を巡らせて街のインフラを守っています。

今やビジネス街だけでなく、ファッションやアートの街でもある丸の内。この街で過ごす人々の安全・安心・快適性を地下から支えているのが、丸の内熱供給です。

本社:東京都千代田区丸の内1-6-5

お問い合わせ:03-3287-2288

※記事中の記述はすべて2020年3月現在のものです。