今月の一社

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MGCエージレス

後で食べようと思っていたおやつの存在をうっかり忘れてしまい、気づいたらカビが…!なんて悲しい体験は極力避けたいですよね。今回は食品のおいしさを守ってくれるおなじみの脱酸素剤「エージレス®」の製造を行っている、三菱ガス化学グループの『MGCエージレス』をご紹介します。

お菓子の袋や小分けの切り餅、市販のピザの包装の中などに、「食べられません」と書かれた小さな袋状のものが入っているのを、誰しも目にしたことがあるでしょう。あれは「脱酸素剤」と呼ばれるもので、食品の周りの酸素を吸収除去する役割を持っています。三菱ガス化学(株)が世界に先駆けて開発し、現在でも一番多く使われている脱酸素剤、それが「エージレス®」です。

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エージレス®の誕生は1977年。MGCエージレス(株)は、1988年にエージレスサービスセンターとして創設されました。その後長きにわたり、脱酸素剤の代名詞ともいえる「エージレス®」の、顧客からの依頼に基づく各種分析や試験等のテクニカルサービスを東京事業所で提供、福島県の白河事業所では新たな工場で製造を行っています。

そもそも、脱酸素剤と乾燥剤の違いは何でしょうか。海苔やお煎餅に同封され、空気中の水分を吸収して食品が湿気るのを防ぎ、美味しさを保つのが乾燥剤です。一方、脱酸素剤が吸収するのは酸素です。なぜ酸素を除去する必要があるかといえば、まず第一に、食品を虫やカビから守るためです。脱酸素剤を使って酸素を除去することにより、虫やカビが生きられない環境にすることができます。言い換えれば、薬品を使わずに殺虫効果を得られるのが脱酸素剤なのです。

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そしてもう一つ、脱酸素剤は「酸化」を防ぎます。酸素に触れることで色や食感、風味等が変わってしまう物は数多く存在します。脱酸素剤はこのリスクを防いで美味しさを守り、賞味期限の延長を実現します。

もちろん、殺虫効果、酸化防止効果はともに食品以外にも活用されるもので、エージレス®の仲間が衣類、医薬品、医療器具、工業製品などにも広く使用されています。たとえば、加水分解と酸化による薬効成分の変化を防ぐことができる医薬用向けの乾燥機能付脱酸素剤「ファーマキープ®」や、包装内を無酸素状態(酸素濃度0.1%以下)にすることで、防錆油や化学薬品を使わずに金属・電子部品を錆から守る、あるいは文化財の長期保存を可能にする乾燥機能付脱酸素剤「RPシステム®」など、用途に合わせたさまざまな脱酸素剤が開発されています。

脱酸素剤のトップメーカー三菱ガス化学(株)の国内生産拠点であるMGCエージレス(株)は、長年支持され続けている品質、安定した供給体制、そして顧客の声を開発につなげるカスタマーサービスを提供し、さまざまな物の品質保持に貢献しています。今度あの小袋を見つけたら、ぜひ「エージレス®」の名前を確かめてみてくださいね。


住所(東京事業所): 東京都千代田区神田駿河台3-6-1 菱和ビル
お問い合わせ:エージレスサービスセンター 03-3251-0761

※記事中の記述はすべて2022年4月現在のものです。