みにきて! みつびし

みにきて! みつびし

ニコン100年の歴史と技術の集う場所

ニコンミュージアム

施設DATA

  • ショールーム・ギャラリー
  • 家族/子供と
  • 友達/カップルで
  • 一人で
  • 予約不要
  • 駅近
  • 雨でもOK
  • 入場無料

トピックス:

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こんにちは! 事務局のカラットです。写真が趣味という方は多くいらっしゃるかと思いますが、そんなカメラ好きの誰もが持ちたいと憧れるカメラメーカーといえば、黄色と黒のロゴでおなじみ、ニコンでしょう。そのニコンは来年、創立100周年を迎えます。これに先立ち昨年オープンしたニコンミュージアムを取材してまいりましたので、今回はその魅力をご紹介します!

2015年10月17日、東京品川のニコン本社内にニコンミュージアムはオープンしました。「光利用技術」と「精密技術」というニコンのふたつの礎が、この100年でどのような進化を遂げてきたかを、各時代を象徴する名機の展示を見ながら知ることができます。

圧倒的な透明度で見る者の目を奪う合成石英ガラスインゴット。重さは850kgあるという。
圧倒的な透明度で見る者の目を奪う合成石英ガラスインゴット。重さは850kgあるという。

照明の落とされた、どこか神秘的な館内に入ると、まず迎えてくれたのが謎の巨大な塊。この物体の正体は、「合成石英ガラスインゴット」と呼ばれるもので、ニコンの光学素材製造技術の粋を集めて製造された、このミュージアムのシンボルです。驚くのはその圧倒的な透明度。80センチはあろうという分厚さにも関わらず、中は静かな清水の中を見ているかのように一切の曇りがありません。こんなに透明な物質が作れるんだ…と感嘆のため息が出るばかりです。もはや芸術品とも呼べるこの美しさを生み出せる高い技術力に、いきなりノックアウトされました。

「ニコンがひらく世界」巨大スクリーン上を浮遊するニコンの製品群。スクリーン前にあるコントローラーで、映像に包まれるように操作する。
「ニコンがひらく世界」巨大スクリーン上を浮遊するニコンの製品群。スクリーン前にあるコントローラーで、映像に包まれるように操作する。

「シアター」では、ニコン100周年のために作曲された交響組曲「LUX CENTURIAE」を聴きながら、様々な映像資料で創設以来の軌跡と、未来に見る夢の世界へと私たちを案内してくれます。

球体のような小部屋に入ると、そこは小宇宙。「ニコンがひらく世界」と題されたこの展示では、天井近くから足元まで広がる大スクリーンにニコンの製品群が映し出され、手元のコントローラーを使って見たい製品を選ぶと、その製品にまつわる映像がスクリーンでダイナミックに展開! 大迫力の美しい映像に全身を包まれる迫力に、思わず歓声を上げてしまいました。

ナノから光年まで広がるニコンの世界

「レンズの実験室」は、光とレンズの性質や、レンズ設計の基本などを学べるコーナー。博物館の実験コーナーさながらの展示で、硝材による見え方の違いなどを実際に体感しながら、そうした仕組みがどのようにカメラのレンズに応用されているのかを知ることができました。ここではお子さんと一緒に理科の勉強をすることもできそうです。

壁一面を埋め尽くす歴代カメラの数々
壁一面を埋め尽くす歴代カメラの数々

そしてお待ちかね「映像とニコン」のコーナーでは、初号機「ニコンI型」から最新のデジタル一眼レフカメラまで、約450点のカメラがずらり! その量はもちろん、少しずつ進化していくカメラの姿にも歴史を感じます。「このカメラ持ってたな、と懐かしそうにされるお客様も多いですよ」と解説いただきましたが、確かにカメラって撮った写真だけでなく、それ自体も思い出の品になりますよね。一点一点、いつまででも眺めていたいコーナーでした。

超望遠モンスターレンズ「AI Zoom-Nikkor1200-1700mm f/5.6-8P IF-ED」
超望遠モンスターレンズ「AI Zoom-Nikkor1200-1700mm f/5.6-8P IF-ED」

一般向けだけでなく、報道カメラや特別仕様のカメラも展示されており、中でも「AI Zoom-Nikkor1200-1700mm f/5.6-8P IF-ED」は最大長約900mmにもなる超望遠のモンスターレンズ。これは甲子園のバックスクリーン横から本塁上のプレーを撮影するために作成されたものだそう。また、インターネットがない時代、撮影した写真のフィルムを新聞社などに送る「電送機」の姿も。これがあれば現像することなくネガを遠隔地に送れるという当時の最新機器ですが、とにかく重量があるため輸送に苦労した、というこぼれ話もお聞きしました(笑)。

「産業とニコン」「バイオ・医療機器とニコン」のコーナーでは、ニコンの技術が、映像以外にもさまざまな分野で活躍している様子を見ることができます。ニコンの礎のひとつは精密技術であり、1925年には「JOICO顕微鏡」を発売しています。測量機器に欠かせない精度。ニコンの100年はその限界に挑み続ける100年でもあるのですね。

「宇宙とニコン」の展示では、ナノの世界から一気に光年のスケールへ。ニコンは日本で最初に本格的な天体望遠鏡を手掛けたメーカーのひとつでもあります。天体観測から宇宙開発用の光学機器まで、ニコンの「目」は宇宙のかなたまで飛んでいきます。

おみやげにおススメ! 「ニコンようかん」。工場のある栃木県の菓子メーカーが製造している。
おみやげにおススメ! 「ニコンようかん」。工場のある栃木県の菓子メーカーが製造している。

「カメラメーカーのニコン」はもちろん誰もが知るところですが、ニコンミュージアムへ来れば、極小から無限の彼方まで広がるニコンの世界を、実際に目で見て体験することができます。企画展示やイベント、またミュージアムショップにはここでしか手に入らないグッズもいろいろあります(カラット一押しは「ニコンようかん」!)。事前アンケートではニコンミュージアムに訪問したことのある方はまだ少数でしたので、あなたの知らないニコンを見に、どうぞ一度、足をお運びください!


注:本文中の情報等はいずれも2016年11月現在のものです。