みつびし みてきた!

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vol.16 旧岩崎家駒込別邸・都立六義園

こんにちは! 事務局のカラットです。当「みつびし みてきた!」のvol.13 旧岩崎家茅町本邸編で、「都立9庭園のうち実に4つは三菱を創業した岩崎家が所有していた」とお伝えしました。今回はその中でももっとも完成時期が古く、小石川後楽園とともに江戸の二大庭園のひとつと称された「六義園」を訪問してきました!

岩崎家が復興させた大名庭園

東京都内にいることを忘れてしまうほどの豊かな緑と雅やかな空気を楽しめる名園。
東京都内にいることを忘れてしまうほどの豊かな緑と雅やかな空気を楽しめる名園。

六義園に関しては庭園自体があまりにも有名なため、逆に「えっ、三菱と関係があったの?」と驚く方のほうが多いかもしれませんね。東京都文京区にあるこの広大な庭園は、もともとは第五代将軍徳川綱吉の側用人だった川越藩主・柳沢吉保(やなぎさわ・よしやす)が1702年に作った庭園でした。平坦な地に池を掘り、水を引いて泉を設け、富士山まで望める山を築き…と、六義園は完成までに7年半もの歳月が費やされたそうです。

完成当時から名園として名高かった六義園ですが、1868年の明治維新後は新政府に没収され、幕末からの混乱期に大きく荒れ果ててしまいます。そこへ維新から10年後の1878年、近隣の土地家屋ごと六義園をどんと購入したのが、三菱創業者の岩崎彌太郎でした。彌太郎はこの広い庭園の中に別邸を設け、復興に力を注ぎます。往年の美しさを復活させただけでなく、各地から名石を取り寄せて配置したり、茶屋をいくつも建造するなどしてさらにグレードアップ。その後1938年に三代社長の久彌が東京市に寄付し、1953年に国の特別名勝に指定されました。

約88,000平方メートルほどの現在の六義園は、一周ぐるりと散歩すれば30分ほどとのことですが、一歩歩けば足を止めたくなる美しい景観の目白押しに、気づけば2時間が経過していました。

カラットおすすめ 園内景勝ベスト5

六義園にはたくさんの見どころがありますが、それもそのはず、六義園の最大の特徴といわれるのが、和歌などに詠まれた各地の景勝を園内各所に再現していることで、その数じつに88。「八十八境」と呼ばれるこれらの再現を探して鑑賞するだけでも、大きな美術館の作品を見て歩いているようです。八十八境すべてをご紹介することはとてもできないので、ここではカラットが選ぶ「ベスト5境」をご紹介しましょう!

その1. 妹山(いものやま)/背山(せやま)
  • その1. 妹山(いものやま)/背山(せやま)

ベスト5と言いつついきなり2か所同時に選んでしまいましたが、この二つの築山は六義園の中心となる池の真ん中に作られた「中の島」にあります。中の島に入ることはできないので池のほとりから見ることになるのですが、この遠景が実にすばらしいのです。六義園といえばここ、という景勝でしょう。「妹背」とはすなわち夫婦のこと。中の島は、仲睦まじい夫婦の家ということでしょうか。

その2. 千鳥橋(ちどりのはし)
  • その2. 千鳥橋(ちどりのはし)

六義園は、入園してからしばらくは広い空の下を歩きますが、やがて少し木々が生い茂ってくるゾーンに入ります。そこにあるのが千鳥橋です。この辺りは和歌山県の紀の川上流を再現しており、現在の園内で唯一、水の流れる音が楽しめる場所でもあります。岩崎家の所有時代には「滝見茶屋」も設置され(現在のものは復元)、茶屋から滝や橋の趣を眺めることができます。池の鯉や亀との出会いもありますよ。

その3. 山陰橋(やまかげのはし)
  • その3. 山陰橋(やまかげのはし)

岩崎家が六義園の所有者であった頃、園内にはたくさんの茶屋が設置されました。そのほとんどは戦災や震災により失われてしまいましたが、唯一当時のまま残っているのが「つつじ茶屋」です。このつつじ茶屋からの眺めが美しいのが山陰橋。大きな池はこの辺りでは細い川となっており、そこにひっそりとかかる橋の姿が実に優雅です。この周辺はモミジの木が多く、紅葉の季節には絶景を楽しませてくれるそうです。

その4. 吹上浜(ふきあげのはま)
  • その4. 吹上浜(ふきあげのはま)

中の島を反対側から見ることになるこのエリアには、同じく八十八境のひとつで六義園築庭当時から植えられている「吹上松」もあり、静かに風に揺れる水面を眺めながら、「吹上茶屋」(復元)で雅な時を過ごすことができます。「吹上茶屋」は元々は岩崎家が熱海の別荘から移築したもので、現在はお抹茶や和菓子を楽しめる休憩スペースとなっています。岩崎家の人々も、この景色を眺めていたのだな…とノスタルジックな気分になりました。

その5. 藤代峠(ふぢしろたうげ)
  • その5. 藤代峠(ふぢしろたうげ)

標高35m、園内で一番高い築山です。散策に決まったルートはありませんが、ここは終盤にとっておくのをおすすめします。これまで歩いてきた場所を高い場所から見渡せ、少し疲れた体にも最高のご褒美となること間違いなしです。頂上には将軍が座るために置かれたという石もあるので、そこに腰かけて将軍気分を味わうのもいいでしょう!

これから六義園は紅葉のシーズンを迎えます。園の方によると紅葉の盛りには1日に2万人もの来園者があるそうで、週末はもちろん平日でも混雑が予想されていますが、一見の価値があるのは言うまでもないでしょう。六義園の目と鼻の先にある東洋文庫とあわせて訪問するのがおすすめです!

東京都文京区本駒込六丁目

開園時間:午前9時~午後5時(入園は午後4時30分まで)※ライトアップ期間中は9:00~21:00(最終入園20:30)
休園日:年末・年始(12月29日~翌年1月1日まで)
お問い合わせ:03-3941-2222(六義園サービスセンター)

注:本文中の情報等はいずれも2017年10月現在のものです。