
AGCグループ関係会社を統合し、2007年に設立されたAGCエレクトロニクス(AGEL)は、ガラス製品において世界トップクラスのシェアを擁するAGCグループのエレクトロニクス分野の主要拠点だ。
主な事業は、①ガラスフリット・ペースト事業 ②光デバイス事業 ③合成石英ガラス事業 ④ブランクス事業の4つ。ガラスを用いたさまざまな電子部材を取り扱い、高い技術力と真摯なものづくりを誇る。
従業員数は、福島県郡山市にある本社と福島県本宮市にある本宮事業所をあわせて1,000人以上。企業理念のひとつとして「協働」を掲げ、多様な仲間達と力を合わせ、一人では成し遂げられない高みを目指す。
新プロジェクト「AGEL.net」で横のつながりを活性化
フリットペースト部 製造グループの久保木 光行さんは、2022年に発足した工程能力改善チームに所属している。このチームは、QCD(Quality=品質、Cost=コスト、Delivery=納期)を改善し、生産性の向上や新技術の検討など多岐にわたる業務を担う。チームメンバーは久保木さんも含めて4人だが、4人だけで業務にあたるのではなく、製造現場の担当者や品質保証グループのメンバー、さらに技術開発グループ、設備技術センター、AGC横浜テクニカルセンターなどとも連携。まさに「協働」を実践しているチームだ。
「その場しのぎの改善ではなく、深掘りをして根本的に改善していくことが求められています。そのためにはさまざまな部署を巻き込みながら、一丸となって取り組むことが大切。例えば新しい技術を導入する際、ほかの部署ですでに取り入れられてノウハウが蓄積されている場合もありますし、課題があっても横浜テクニカルセンターとコラボすれば早期解決につながることもあります。AGELの従業員はみんな協力的。そこが強みです」(久保木さん)

事務センター人事・総務グループの生田目 絵理子さんは、人事・総務として従業員の意見や要望をもとに、よりよい会社作りのため人財育成制度の策定、エンゲージメント向上施策の検討・実施を担当する。生田目さんは2020年にキャリア採用で入社した。その頃からAGELは従業員が毎年100人単位で増え、組織が急拡大。だが、広い敷地に建屋が点在しており、違う部署の従業員とはつながる機会が少ない状況だった。

「これだけ多様な人が働いているのにもったいないと感じました。そこで交流の機会をつくろうと社長にプレゼン。従業員のコミュニケーションを活発化させるプロジェクト『AGEL.net(え~ねっと)』を立ち上げました。従業員のご家族も一緒に参加できるウォーキングイベントや、社長との対話会を開催したほか、従業員が趣味のクラブを自由に立ち上げられるように支援。今ではバレーボールやサッカー、SUP、自転車、登山など多数のクラブが活動しています。こうした新しい提案を温かく受け入れる土壌があるのは当社のいいところの一つ。『AGEL.netを立ち上げてくれてよかった』といった言葉をもらえることがやり甲斐につながっています」(生田目さん)
暮らしをさりげなく支えているところが魅力
阿部 義人さんは光デバイス部 品質保証グループに所属し、製品の品質を検査し、顧客の要求を満たしているか確認。製品の不具合や改善点があればフィードバックを製造・技術部門と共有し、なぜ不具合が出たのかをともに考え、継続的な品質改善を図る。
「高い基準をクリアした製品を出荷すべく、製品にしっかり向き合って冷静に判断するよう心がけています。私はこれまでずっと光デバイス部に所属しており、そのなかでさまざまなグループを異動してきました。どのグループも立場を問わず相談しやすい風土があり、日頃からコミュニケーションをうまく取れている職場だと思います」(阿部さん)

生産に必要な原料や部材の調達を担っているのは、事務センター調達グループの吉永 早希さん。昨今は円安や物価高の煽りを受けているが、適切な価格、納期で購入できるよう取引先と交渉や調整を行い、製造現場側とも協働しコストダウンに取り組む。天変地異や世界情勢の悪化によって原料の入手が困難になることもあるため、国際ニュースや海外のレアメタルの市況のチェックが日課だ。
「私が調達を担当しているガラスフリット・ペーストは、ガラスをお客さまのご希望に沿って粉末やペースト状にしてご提供する多品種の商品です。電子デバイスの接着やコーティング、チップ部品など日常で使うさまざまな製品に使われている製品。人々の暮らしをさりげなく支えているというところに魅力を感じています」(吉永さん)
プライベートでは、2人の子どもを育てている。夫もAGEL勤務で、第1子出産時は男性育児休暇を1ヵ月、第2子のときは3ヵ月取得。夫婦とも子育てしながらの働きやすい職場であることを実感している。

合成石英部の加藤 智史さんは、勤続25年以上のベテラン。半導体製造に不可欠な合成石英ガラスの成形チームのチームリーダーとしてメンバーのマネジメント行い、昨今増産が課題となっている合成石英ガラスの目標生産数に対応するため、効率よく安全に作業できるよう尽力する。
「続々と入社する新人たちがいち早く現場になじむよう、困りごとがあればなんでも意見を言いやすくする雰囲気づくりを心がけています。休憩室ではみんなのちょっとした会話から、課題があるように感じたら深く聞く、現場もこまめに見に行くなどしています。チーム内は和気あいあいとしていい関係を築けていますね。今後はAGEL.netを通じて横のつながりを強くし、このいい空気をほかの部署にも広げていきたいと思います」(加藤さん)
エレクトロニクス分野で私達の暮らしを支えるAGEL。「協働」の力で未来を切り開く。

久保木 光行
MITSUYUKI KUBOKI
フリットペースト部 製造グループ 工程能力改善チーム

生田目 絵理子
ERIKO NAMATAME
事務センター 人事・総務グループ

阿部 義人
YOSHITO ABE
光デバイス部 品質保証グループ

吉永 早希
SAKI YOSHINAGA
事務センター 調達グループ

加藤 智史
SATOSHI KATO
合成石英部