各社のトピックス

2025.01.09

ニコン

NIKON CORPORATION

「『へえ!』を持ち帰っていただきたい」と館長。東京・西大井の新名所、
ニコンミュージアムでたくさんの驚きと発見を体感しよう

各社のトピックス メインビジュアル 「マンスリーみつびし」

カメラ愛好家の聖地として知られるニコンミュージアムが、2024年10月、品川区西大井にリニューアルオープンした。もともとニコンミュージアムは、2015年にニコン創立100周年プロジェクトの一環として、当時本社があった港区で開館。2024年2月末の休館までに約19万人が来館した人気スポット。さらに今回のリニューアルによって、カメラだけでなく、産業や人々のくらしに貢献してきた高度なテクノロジーの変遷が、見て触って体感できるようにパワーアップした。充実の内容にもかかわらず入館無料で、早くも西大井の新名所となっている。

広さが約1.3倍に! 製品や技術のエピソードを伝える

「新しいニコンミュージアムは、ニコンの100年以上にわたる『伝統と革新』を象徴する製品や技術、そしてそこに込めた想いを体感することができるようになっています」と語るのは、ニコンミュージアム 館長の中島 良允さん。従来に比べ広さが約1.3倍に拡大し、約670㎡もの展示スペースに約1,300点の製品を展示。「エントランス」「インダストリー(BtoB事業)」「コンシューマー(BtoC事業)」「シアター」の4つのゾーンで構成されている。

「ニコンはより信頼性の高いもの、より品質のいいものをつくるというものづくりの伝統を培い、世のなかを変える革新的な製品を生み出してきました。今回のリニューアルにあたってそのことを皆さまにしっかりとお伝えしたく、製品や技術の展示だけでなく、開発ストーリーや裏話といったエピソードも含めた、ものづくりに対する私達の思いを新しく加えました」(中島さん)

エピソードや技術力の伝え方にも工夫を凝らした。前館長で経営戦略本部 広報部 ニコンミュージアムの梶 英信さんは次のように語る。

「展示物に添えられたQRコードを読みとることで、公式Instagramに遷移しエピソードを読んでいただくことができます。解説はタッチパネルモニターを導入し、解説端末画面でお好きなものを選んで読めるようにしています。また、高度な技術力を体感してもらうため、実際に機器に触れることができるタッチ&トライコーナーを大きくし、ご好評をいただいています。」

産業の発展に貢献、BtoBの先端技術を分かりやすく伝える

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「ニコンの技術のシンボル」である合成石英ガラスインゴットを中心に、さまざまな業界の発展に貢献する製品と技術を展示しているインダストリーゾーン

エントランスを抜けてすぐのインダストリーゾーンでは、半導体露光装置やFPD(フラットパネルディスプレイ)露光装置、顕微鏡、天体望遠鏡、顕微鏡、光加工機、測定機・測量機など、さまざまな産業の発展に貢献してきたBtoB関連の製品や技術を展示している。

「ニコンはカメラの会社と思われがちですが、歴史的にみるとカメラよりもBtoB製品の製造の方が歴史が古く、事業領域が幅広い。難しくなりがちなそれらの技術・製品を『うつす』『みる』『はかる』『つくる』 という4つの身近な動詞に分類することで、より直感的に分かりやすくお伝えできるよう工夫して展示をしています」(中島さん)

例えば、測定機や測量機の指標となる十字線には、かつてジョロウグモの糸が使われており、当時の大井製作所内で飼育されていたという印象的なエピソードの展示や、ミクロン単位で計測できる測長機に実際に触れてさまざまなものを測る体験ができる。どの展示にも「へえー」「すごい!」と来館者から感嘆の声が上がり、カメラだけではない、ニコンの技術力の幅広さ、奥深さに驚かされる。

27mの壁面にカメラを一挙展示、歴史的な名品に触れることも

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壁一面の展示が圧巻のコンシューマーゾーン

もちろんカメラの展示もバージョンアップしている。コンシューマーゾーンでは、ニコンカメラの初号機である「ニコンI型」(1948年発売)からフィルム一眼レフ「Nikon F」(1959年発売)、最新のデジタルカメラなど、報道や宇宙開発など幅広い分野で活躍する歴代のカメラやレンズを、約27mもの広い壁面を使って一挙に展示。梶さんが「長きにわたるニコンの歴史を物語る展示コーナーとなっています。圧巻ですのでぜひ見ていただきたいです」と力をこめておすすめするその言葉通り、膨大な製品数や歴史の長さに圧倒される。

カメラのタッチ&トライコーナーでは、なかなか触れる機会のない歴史的な名品などを実際に持ってシャッターを押すことができ、超一流フォトグラファーの気分を味わえる。

「ニコンミュージアムを通して、カメラファンにはさらなる愛着を、ビジネス関係者の方々には期待と信頼を、社員には誇りを持ってもらいたいと考えています。そして、この地域の方々や一般の方にもフラッと気軽に立ち寄っていただき、『へえ、ニコンはこんな会社だったのか』といった『へえ』を持ち帰っていただけたらうれしいです」と語る中島さん。
「へえ」はすなわち「発見」だ。実際に西大井に長年住む来館者には、「ニコンのことは昔から知っていたけれども、こんなにさまざまな製品を作っていたとは思わなかった。度肝を抜かれました」と驚かれたという。

「リニューアル前の港区にあった頃はビジネスで来館されるお客さまが多かったのですが、西大井でのリニューアルオープンにあたって、地域の方々にも加わっていただいて、大げさかもしれませんが、町ぐるみで盛り上げていくことができたらいいですね。OBの方々もよく来館しています。50年以上の前の装置を懐かしそうに眺めてうれしそうにしている表情を拝見すると、この先50年、100年と、このミュージアムを受け継いでいかなければと感じます」(梶さん)

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併設のミュージアムショップ

ニコンひと口ようかん
アクリルカメラキーホルダー
「ニコンひと口ようかん」と「アクリルカメラキーホルダー」

併設のミュージアムショップで販売しているオリジナルグッズも拡充した。名物の「ニコンひと口ようかん」(税込1,400円)もリニューアルし、定番の本練り、いも、柚子、栗に加え、新たにコーヒー味が新登場。カメラ、レンズなどの写真入り「アクリルカメラキーホルダー」(税込500円)は15種類もラインナップ。缶バッジのカプセルトイも好評だ。

新たなスタートを切ったニコンミュージアム。中島さんは「これからも進化させていきたい」と意気込む。

「私は創立100周年のときに社史の編纂に携わったのですが、ニコンの長い歴史に触れて『いい会社だな』と感じると同時に、ニコンが代々ものづくりにこめてきた思いをもっと多くの人に知ってほしいという強い気持ちをいだきました。今回のリニューアルではその気持ちを形にすることができました。今は、ニコンにとって非常にゆかりの深い西大井で、ニコンのアイデンティティを伝えていくことの責任の重さを感じています。100年の歴史に恥じることのないよう、伝統と革新を伝えながら、企業市民として地域と連携し、今後もミュージアムを育てていきたいですね」(中島さん)

ニコンミュージアムでは今後、企画展や子ども達に向けたイベントなどの構想を練っているところだという。

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ニコンミュージアム入り口には、スロープも設置されている。

ニコンミュージアム

所在地 140-8601 東京都品川区西大井1-5-20 株式会社ニコン 本社/イノベーションセンター1F 開館時間 10時~17時30分(最終入館は17時まで)
休館日 月曜日、日曜日、祝日および当館の定める日
※土曜日が祝日の場合は休館となります。
※荒天や交通機関の状況などで、休館や開館時間の変更をする場合があります。
入館料 無料
お問い合わせ Tel: 03・6743・5600
https://www.jp.nikon.com/company/corporate/museum/

INTERVIEWEE

インタビュアー写真

中島 良允  YOSHIMASA NAKAJIMA

ニコンミュージアム 館長

インタビュアー写真

梶 英信  HIDENOBU KAJI

経営戦略本部 広報部 ニコンミュージアム

株式会社ニコン

東京都品川区西大井1-5-20
1917年の創立以来、光の可能性を追い求め、新たな価値を提供。カメラなどの映像事業、半導体やフラットパネルディスプレイ露光装置などの精機事業、顕微鏡をはじめとするヘルスケア事業、光学素材や光学部品等を提供するコンポーネント事業、光加工機などのデジタルマニュファクチャリング事業を展開し、「お客さまの欲しいモノやコトをお客さまにとって最適な方法で実現」することを目指す。

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