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「宇宙、循環、いのちのつながり」に、思いを馳せる
-日本館トークイベントに三菱未来館が協力-
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大阪・関西万博 日本館主催、三菱未来館協力によるトークイベント「宇宙・循環・つながるいのち」が、8月24日、万博会場内のEXPOサロンで開催されました。
1970年の大阪万博と同様に、2025年の大阪・関西万博でも、宇宙に焦点を当てたパビリオンが数多くあります。日本館では「火星の石」が展示され、三菱未来館では深海における「いのちのはじまり」を序章とし、終盤では「火星」に向かいます。今回のトークイベントは、こうした共通のテーマ性からこのような連携が実現しました。
イベントでは「宇宙・循環・つながるいのち」をテーマに、宇宙での滞在、火星の隕石、惑星探査、そして生命の起源や進化を扱うアストロバイオロジーといった幅広い分野を取り上げ、第一線で活躍する専門家たちが、難解に思えるテーマをわかりやすく紹介しました。
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登壇者(左から)
モデレーター 榎本麗美さん
内閣府官房審議官 浦上 健一朗さん
宇宙飛行士 山崎直子さん
国立極地研究所 准教授 山口亮さん
JAXA 宇宙科学研究所 臼井寛裕さん
東京科学大学 地球生命研究所 所長 関根康人さん
三菱未来館「JOURNEY TO LIFE」の総合監修を務める関根さんは、「いのちが地球でどのように生まれ、これからどのような未来を迎えるのか」という三菱未来館のテーマに、日本館のテーマである「循環」を重ねたプレゼンテーションを行いました。
「いのちが生まれたとされる『熱水噴出孔』付近では、老廃物が温水中で分解され、再び栄養源として利用されるという循環の仕組みが存在していました。そうした循環があったからこそ、いのちは誕生し、生き延びてきたのです。やがていのちは光合成を獲得し、海から陸へと進出、地球はいのちに満ちた世界となりました。さらに産業革命以降、人類は物流をはじめとした人工的な循環を生み出し、地球は新たな進化と循環のサイクルを形成しています」
「このような循環を、地球とは独立した環境で持ちうる最有力候補とされるのが火星です。いつの日か人類が火星に新たな循環を生み出し、そこで暮らしながら進化を遂げる──。まさに『いのちと循環の未来』が、火星にあるのです」(関根さん)
![]() 関根さんのプレゼンテーションに多くの聴衆が引き込まれた
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![]() 深海から宇宙への旅を終えて青空の下へ。猛暑の中でも貴重な夏の思い出となった。
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![]() 「火星の石」の一部を特別に山崎さんが手に取る一コマも
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日本館に展示されている「火星の石」は、約13億年前に誕生し、1000万~1300万年前に火星を離れ、地球に到達したと考えられています。イベントでは、この石が火星由来であること、水の存在を示す粘土鉱物が含まれていることが紹介され、火星探査や将来の火星居住の可能性もプレゼンテーションで紹介されると、各パビリオンのテーマに繋がりがあることが理解できます。
聴講していた高校生は、「関根さんの『循環なくして生きていくことはできない』という言葉が心に響きました。宇宙飛行士・山崎さんのISSでの体験談も印象的で、改めて“循環”と“つながり”の大切さを感じました」と感想を語っていました。
宇宙に関心をもつ中高生の姿も多く、300名強の来場者で満員の会場は終始熱気に包まれました。
![]() 関係者は本番前に三菱未来館も視察。いのちのはじまり・いのちの未来を映像で体感した
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※2025年9月5日掲載。本記事に記載の情報は掲載当時のものです。