三菱のスポーツ

2024.01.18

迫力満点!
三菱のラグビーをみんなで観に行こう!!

今回紹介するのは、昨年12月に開幕したばかりのラグビーの最上位リーグ『ジャパンラグビー リーグワン(以下、リーグワン)』に所属する「三菱重工相模原ダイナボアーズ」。彼らの泥臭くも、ひたむきな挑戦についてレポートする。

メインイメージ

三菱重工相模原ダイナボアーズってどんなチーム?

「ダイナボアーズ」は、Dynamic(活動的な)とBoar(いのしし)の造語からくるチームの呼称。神奈川県相模原市民を中心に寄せられた延べ187案を参考にして名付けられた。創部は1971年。その後、地域リーグから昇格を繰り返し2001年に初めて日本のトップを争うリーグに参戦。現在は、2022年1月にスタートしたリーグワンの最上位であるディビジョン1に所属している。 リーグワンの所属チーム数は23になる。上位チームからディビジョン1(12チーム)、ディビジョン2(6チーム)、ディビジョン3(5チーム)に分かれて、ディビジョン1ではシーズンごとに日本一を争っている。 ダイナボアーズは、2022シーズンにディビジョン2からディビジョン1に昇格。2022-23シーズンはディビジョン1で10位の成績を残した。

ボールがタッチラインをこえ、試合を再開させるときのラインアウトの練習。正確にボールをキャッチするために、何度もサインの確認を行う

迫力と熱気が溢れる瞬間を感じに行こう!

リーグワンでは他チームがオールブラックス(ニュージーランド代表)やスプリングボックス(南アフリカ代表)など、ラグビー強豪国の代表メンバーを獲得するなか、ダイナボアーズには、日本の代表選手さえもいない。しかし抜きん出たスターがいないからこそ、ダイナボアーズの選手のプレーは愚直で、まっすぐだ。
相手チームの選手へのタックルが成功したときは喜びもひとしおだし、失敗してもすぐに立ち上がってタックルにいく姿には、感激で胸がいっぱいになる。なにより、体格のいい選手に、小柄な選手がタックルにいく場面に勇気をもらえる。さらに、スピードあるパス回しや大きく蹴り上げられたキックは、驚きのあと、不思議な爽快感を得られる。
地元相模原の力強い応援もダイナボアーズの魅力だ。老若男女問わず、スタジアムに集う地元の人たちは、それぞれがダイナボアーズのラグビーを楽しむファンである。独特の太鼓のリズムに合わせて聞こえる「ダイナボアーズ!」の応援の声は、寒い日も暑い日もスタジアム内に響く。とにかく祭りみたいな盛り上がりで、ワクワクしてくる。
ラグビーはルールが難しいと、観戦に少し気が引ける人もいるかもしれない。しかし、そういう人こそ、実際にスタジアムに足を運んで、スタジアム全体から溢れる熱気を感じに来てほしい。きっと、今まで思っていたラグビーへの感じ方が違ってくるだろう。

相模原ギオンスタジアムで開催されるホストゲームでは多くのフードワゴンが出店。子どもも楽しめるパスやキックの体験や、なりきり駅長体験などのほか、ふわふわドームがダイボ君デザインになったウリボアランドも開園。また、今年の4月には長崎市総合運動公園でのホストゲーム開催も予定されている。

今シーズンの注目選手2人にインタビュー!

ダイナボアーズの今シーズンの注目選手は、キャプテンの岩村昂太選手と、タックル数でリーグトップのタックラー坂本侑翼(ゆうすけ)選手の2人。
そこで、三菱重工業相模原製作所で行われているチームの練習を訪問して話を聞いた。

小柄な選手が多いスクラムハーフというポジションの岩村キャプテンは181cmと長身。速くて伸びるパスが武器でキックの精度も高い。

――ダイナボアーズはどんなチームですか。

岩村:ファンとの距離が近くて、地元の人たちに支えてもらっているチームです。地元の人たちの応援はとにかく熱くて、試合中も常にパワーをもらっています。また、チームのメンバー同士、仲がいいというのも特色でしょうか。そのためか、試合中のコミュニケーションも多くとれています。


キャプテンの岩村選手を中心に、メンバー同士でコミュニケーションをとりながら、チームでの決めごとを共有する。

ボールの争奪戦の練習を行いながら、実戦に備える。だれがどういうかたちで参加するか、何度も繰り返しながら、手順を頭に入れる。

――ディビジョン1には強豪チームが多いので、試合を思うように運ぶことができないときがあるかと思います。そんなとき、キャプテンはどんなことを心がけていますか。

岩村:ラグビーはチームのメンバーが同じ方向をむいて、お互いを信頼して戦うことが重要です。ですから監督をはじめ、コーチ陣が話していることを理解し、グラウンド上でも、チームのルールに沿って、「自分の役割をしっかりやっているか」、「今、何をしなければならないのか」に集中できるような言葉をメンバーにかけています。


坂本選手はタックルで相手のボールを奪い取る、運動量と走力が求められるポジション。176cmと小柄な体格ながらそのタックルは、ぶつかるというよりも、仕留めるという表現がぴったりの安定したものだ。

――坂本選手はラグビー選手でもありますが、社員でもありますよね。どんなお仕事をされていますか。

坂本:安全・環境グループという部署に所属しています。簡単に言うと、工場で災害がおきないように対策をしたり、工場で災害が起こってしまったときの対応をしたり。とはいえ仕事をしているのは午前中だけですし、シーズンが始まれば、週2日の出勤になり、どうしても就業している時間は短くなります。なので、同じ部署の人にはいつも感謝しています。実は上司が元ダイナボアーズのキャプテンと監督なのです。理解してもらっているというより、応援してもらっているという方がしっくりくるといいますか。業務時間が短い分、与えられた仕事はミスなく、効率的にしっかりこなしたいので、「分からないことはすぐに質問して解決する」ように心がけています。コミュニケーションは仕事をするうえでも大切ですね。


――坂本選手はリーグワンで昨シーズン(2022-23シーズン)タックル数リーグ1位でしたが、お二人はタックルが怖くありませんか。

岩村:いや、怖いですよ。しかも痛い(笑)。


坂本:私はむしろ、抜かれることの方が怖いですね。もともと体が大きいわけではないですし、タックルは毎日やっていないと忘れてしまうんですよ。なので、コーチにみてもらったり、先輩からアドバイスをもらったりして、タックルの成功率を上げられるようにしています。


岩村:彼くらいのレベルになると、タックルが怖いとも思わなくなるようですし、痛さも感じないようですよ(笑)。役割というか、立場の違いかもしれませんね。

スクラムハーフの岩村選手は身長が高い分、ボール出しのときは腰を低くする必要がある。「他の人より大きくかがまなくてはいけないので、ちょっとつらいんです」と笑いながら教えてくれた。

ほかのメンバーに比べ練習時間が少ないので、ウエイトなどのトレーニングは練習後に行うのだと話す坂本選手。グラウンドの外ではやわらかく、チャーミングな坂本選手だが、ボールを持ったときの迫力はすごい。

――今シーズンのダイナボアーズの見どころを教えてください。

岩村:今は先を見過ぎずに、一つ一つ目の前の試合に全力を尽くしたいと考えています。試合ごとに学び、負けても、次にその学びを生かして成長していければと。 ラグビーは15人で攻めてくる敵に対して、15人全員で守る。そういったやりとりをシンプルにみていただければと思います。まずはぜひグラウンドにきて、テレビでは聞こえない音や伝わらない空気感、緊張感みたいなものを感じてください。三菱グループの皆様、ぜひスタジアムにお越しいただき、ラグビーを一緒に楽しみましょう。


インタビュアー写真

岩村 昂太  KOTA IWAMURA

チームキャプテン
ポジション:スクラムハーフ
生年月日:1993年12月7日
身長:181cm
体重:87kg
出身校:同志社大学

インタビュアー写真

坂本 侑翼  YUSUKE SAKAMOTO

三菱重工エンジン&ターボチャージャ 株式会社 経営管理部安全・環境グループ
ポジション:フランカー
生年月日:1998年10月25日
身長:176cm
体重:95kg
出身校:流通経済大学

ユニフォーム

ダイナボアーズのチームカラーであり、相模原市のシンボルカラーである“さがみはらグリーン”をベースに、相模原市の花であり象徴である“あじさい”をあしらった。

ロゴマーク

ダイナミック(DYNAMIC)に相模の原野を疾走するイノシシ(BOAR)をイメージ。

公式マスコットのダイボ君

試合やイベントに登場するマスコット、ダイボ君。会場を盛り上げるコメントや言動で、ファンも多い。

【ホームスタジアム】
相模原ギオンスタジアム

仕事とラグビーに奮闘する三菱のラグビー2チームを紹介

MSM Steelers(三菱製鋼)

地域リーグの一つ、関東社会人一部リーグ所属。2023年の成績はリーグ4位(8チームが所属)。現在、部員数は25名。 1961年創部。会社の強力なバックアップの元、地域リーグの一つ上のリーグ、トップイーストリーグCリーグ昇格を目指し活動している。全体練習は日曜日。 会社のラグビー部への理解も深く、選手たちはラグビーと仕事をうまく両立させている。

三菱自動車倉敷キングフィッシャーズ(三菱自動車水島製作所)

ウエストCリーグに参加。翌年の2023年には一つ上のリーグ、Bリーグに昇格。 選手たちはフルタイムで業務に従事し、週5〜6回はグラウンドやトレーニング場で汗を流している。

文/内山郁恵
写真/谷本結利

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