ナショナルスタッフより

2024.04.18

明治安田

Mitsubishi Monitor「Global Spotlight」

シンガポール

健康は生活習慣から!
元気に働き生きていくために食を見直す

かなり昔の話になりますが、ある日系のグローバルメーカーに新卒で入社し、フルタイムで働きだしてまもなく、体調をくずしてしまったことがありました。そんな私に、後日体調が戻ってから当時の上司が健康管理についてアドバイスしてくれたのをきっかけに、健康や栄養について関心を持つようになりました。


さらにその後、同僚が亡くなったり、慢性疾患を患ったり、病気で仕事を休みがちになったりすることがあり、不健康な食習慣が職場での体調不良の一因だということに気づかされました。


こうした気づきから、食習慣について地元英字紙に投稿したこともあります。2018年にシンガポールの喫煙率や糖分の過剰摂取を低減するための方法を取り上げた記事を読み、食習慣に関する懸念についてぜひ同紙に自分の思いを伝えたくなったのです。


急速に高齢化と長寿化の進むシンガポールですが、保健相も最近の談話で述べているとおり、食習慣がシンガポールにとって重要なテーマであることは今も変わりません。さらに大臣は、糖尿病、高血圧、高コレステロール血症などの慢性疾患は、生活習慣、とりわけ食習慣によるものだと指摘しています。


幸い、食習慣はコントロールできます。ただしそれには、仕事や環境が健康に及ぼす影響を理解し、環境に合わせて必要な栄養をとるよう、意識的に努力することが必要です。たとえばシンガポールのような高温多湿の国に新たに赴任し、駐在員として働く人は、十分な水分補給を忘れてはなりません。またシンガポールの健康に関する指針では、日々の食事について、お皿(プレート)の4分の1を全粒穀類、もう4分の1をタンパク質、残りの半分を果物と野菜の両方にする「ヘルシープレート」を推奨しています。こうした指針は、必要な栄養について考え、十分な情報に基づいて健康的な食事を選択するうえで、参考になるはずです。

私の健康的な朝食(塩昆布、オート麦のお粥、ゆで卵、コーヒー)

また別の日の朝食(オート麦のお粥、野菜、目玉焼き、スモークサーモン、豆、コーヒー)

健康な職場づくりに企業が果たすべき役割

私が働いてきた大企業の多くは、安全文化を保つために徹底した取り組みを継続的に行い、さらに社員食堂も運営しています。ですが、安全対策と同等の取り組みを、従業員の健康的な食習慣のために行う傾向はあまり見受けられませんでした。その理由は、たとえば火災による一時的な休業であっても利益に影響するのに対し、健康と労働生産性の因果関係は、あまりはっきりしないケースが多いからかも知れません。


また従業員向けの安全衛生研修では、環境衛生の重要性については徹底した教育がなされますが、健康的な食習慣の重要性については見過ごされがちです。


ですが、従業員の健康と安全は密接に関連しています。従って、自社で社員食堂を運営している企業であれば、食品の納入業者に対して健康によりよい食材を提供するよう要請したり、健康的かつ魅力的な社食メニューを手頃な価格で提供することで、従業員が健康的な食習慣を身につける手助けをしたりすることもできます。さらに人事部が社員食堂のスタッフと協力し、社食の質向上を図ることも可能です。また、会社の催事で利用する外部のケータリング業者に、健康的なメニューを提供するよう働きかけることもできるでしょう。


安全管理および安全文化の継続的な構築は、企業の果たすべき基本的責任だとされています。それに加えて経営陣は、従業員の健康的な食習慣に向けた取り組みも行うことができると思います。つまり企業は、安全を事業の持続可能性の基盤とするのと同様に、従業員の健康を会社の生産性と業績向上の基盤と位置付け、重視すべきなのです。


グレース・チュウ・チャイ・レイ

明治安田アジア・パシフィック(明治安田生命のグループ企業)

アシスタント・マネージャー

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