ナショナルスタッフより

2024.04.04

キリンホールディングス

Mitsubishi Monitor「Global Spotlight」

台湾

寄稿:台湾麒麟啤酒股份有限公司 総務本部長 鄭秋美

台湾の首都―台北

1709年に建設され、長い歳月の洗礼を受けたことで、豊かで確固たる性質を持ち、さまざまな姿を見せてくれる台北。緑豊かで人を育む環境、社会、文化、芸術、悠久の歴史を誇る史跡・文化財は、台北の魅力を示すものですが、それに加えて台北は台湾の政治・文化・教育、商業・経済・貿易の発展、外交友好関係の中心的な都市でもあります。台北の人の厚い人情、温かい心、親しみやすさ、自由、友好的、健全で旺盛な生命力は、グローバリゼーションとローカリゼーションを両立させ、多様な文化を包摂する精神を体現しています。



台湾麒麟は、台湾麒麟工程股份有限公司(台湾麒麟エンジニアリング)として、主に台湾菸酒(股)公司(菸酒公売局の前身)に属する中興啤酒工場の缶詰生産ライン・工程にサービスを提供するため、1988年5月に台湾で設立されました。その後、1996年に台湾麒麟啤酒股份有限公司へと正式に社名変更し、現在では日本以外の国・地域で最大のキリンブランドの販売会社となっています。台湾で日本のビール輸入が解禁されると、すぐに輸入ブランド第1位の座を獲得しましたが、その後1999年の921大地震により台湾国内の消費市場が不振に陥ると、当社は巨額の損失を被り、低迷に陥りました。それでも品質本位と誠実の原則を堅持し、翌2000年に膨大な期限切れ商品を廃棄したことで、地震による赤字の状況はさらに悪化することとなりました。すぐさま組織再編、戦略の再構築を行って再スタートを切り、幸い、2006年にはすべての赤字を解消し、台湾麒麟は正常化を果たしました。以来18年連続で売上高と利益を更新し、輸入ブランド第1位の座を目指して歩みを進めています。



台湾麒麟は、すばらしい会社で、そこで働く人達もすばらしい仲間ばかりです。つらい経験を乗り越えることで私達は成長し、たくましくなりました。私達は教訓を胸に刻み、一つ一つの計画を着実に実行し、心を合わせて目標達成を目指し、記録更新に取り組み、挑戦を続けて参ります。

台湾麒麟啤酒における私のキャリア

私は大学卒業後に台湾麒麟に入り、キリングループの一員となれたことを誇りに思っています。入社当初は会計業務を担当しました。当時の上司に、私は企画の仕事の方が向いているとの判断をいただいて以来、その後の32年間は幸いにもさまざまな部門でさまざまな仕事を任せていただきました。30年あまりのキャリアを振り返ると、その業務もさまざまで挑戦できる仕事を任され、私は非常に幸運だったと思います。どのような立場にあっても企業の価値を守り、責任をもってあらゆる業務にあたってきました。麒麟啤酒が台湾で100年企業となることに貢献できれば幸いです。

新しい知識を吸収し、創造的思考を楽しむ

たとえ仕事が忙しくても、休みの時は身心が休まる場所を訪れるようにしています。松山文創園区は、毎月さまざまな展示のテーマを設けており、ここに来れば若いクリエイターの活力に満ちた作品を楽しめますし、身心をリラックスさせるさまざまな方法もあり、ここ数年一番のお気に入りスポットです。台北にいらっしゃったら喧噪を抜け出してこちらの静けさをぜひ体験してみてください。充実感に満たされることでしょう。

松山文創園区の前身は1937年に建設された「台湾総督府専売局松山煙草工場」であり、台湾初の近代的巻きたばこ工場でした。紙巻タバコと葉巻を生産し、台湾経済に大きな価値をもたらしました。2001年に99番目の市定史跡に指定され、当時の建築界の主流と分離した日本式建築様式の事務庁舎、昔の面影をそのまま残した幅広で光を通す長い回廊を持つ旧タバコ工場、1~5号倉庫、男女浴場、ボイラー室などの市定史跡が残されています。2011年に松山文創園区に生まれ変わってからは、台湾のオリジナリティとイノベーションを牽引し、カルチャーとクリエイティビティというソフトパワーを強化する役割を担う新旧融合型の創作拠点となり、クリエイターにとっては世界に羽ばたくための登竜門となっています。

松山文創園区の専有面積は6.6ヘクタール、緑化面積は2.41ヘクタールに達します。50種超の飼育・生息鳥類、125種の地被植物、50種の昆虫など生物の種類が多く、多様性があり、台北市の重要な生態生息地となっています。誠品生活松菸店の書店エリアの24時間営業と台北ドームの開幕に伴い、松山文創園区の持続可能な発展と運営は「史跡」、「生態」、「文化芸術」を中核に据え、デザイン、トレンド、スポーツに発展の重点が置かれています。

鄭秋美

台湾麒麟啤酒股份有限公司

総務本部長 

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