
写真提供: MPCA 従業員
MGCピュア・ケミカルズ・アメリカ アリゾナ州 本社工場
当社は1995年1月、米国内で超純過酸化水素(以下、超純過水)を製造する目的で、アリゾナ州メサにMGC Pure Chemicals America,
Inc.(以下、MPCA)として設立されました。日本から米国販売パートナーへの輸入を介して米国内に超純過水が供給されるようになったのは、1980年代後半に遡ります。三菱ガス化学(以下、MGC)は当時、北米の半導体メーカーに安定剤無添加の過酸化水素を規格上限:10ppbで販売した最初の企業でした。
MPCAは2025年に創立30周年を迎えますが、この4年間は、MPCAを小規模な単一拠点企業から複数拠点運営(アリゾナ州メサ、テキサス州キリーン、オレゴン州フォレストグローブ)へ移行させるため専門家を集めるなど、大きな動きを伴う変革期にありました。また、世界をリードする大手半導体企業を顧客として共有するMGC及びグループ会社であるMGC
Pure Chemicals Taiwan, Inc、Samyoung Pure Chemicals Co., Ltd.、MGC Pure Chemicals
Singapore Pte Ltd.から多くを学びました。こうした変化や関係の構築を通して、MPCAは大きな成長を遂げたのです。
CHIPS法による資金援助の導入が進む中、米国は急速に半導体産業界の注目の的になりつつあります。この政策は、米国における半導体産業の活性化と、経済・国家安全保障の強化を目指し、政府が約530億ドルの補助金を投じるというものです。この変革を受け、大手半導体企業が製造工場の拡張を相次いで公表しました。ですから、MPCAの前途は明るいと言えるでしょう。半導体企業の上位5社が米国に立地する中で、MPCAは世界の半導体企業トップ5に超純過水を販売する唯一の供給会社になります。この先多くの課題が待ち受けていることが予測されますが、MPCAの現在のメンバーならば、すべての障害を乗り越え、MGCに計り知れない価値をもたらすことができると確信しています。
MPCAを支える今日までの軌跡
ウェットプロセスに使用される化学薬品の実験用試薬を半導体産業に供給するという私の歩みは、大学時代に遡ります。大学在学中、のちにオーリン・ハント社に買収されることになる化学工場の製造現場で、毎年夏休みの間、3年にわたり働いていました。この経験を通じて製造オペレーターの真価を学び、製造工程のあらゆる側面について知識を深めることができました。卒業後はオペレーション・スペシャリストとしてオーリン・ハント社に採用され、物流、倉庫管理、顧客サービスを学び、最終的には製造企画職に就きました。企画職では、1980年代後半にMGCの超純過水をドラム缶で輸入する業務を担当しました。オーリン・ハント社を退職した私は、2000年にハネウェル・エレクトロニック・マテリアルズ社に転職し、そこで14年間働きました。その後2014年4月にMPCAに入社し、米国東部地域の営業責任者を担当しました。
この10年間は、毎日会社に来て業界の課題に挑むことが楽しくてたまりませんでした。MPCA入社後6年間はMGCのチームと一緒に大手顧客を担当し、2017年からMPCAの統括部長として指導者の役割も担っています。この間、多くの友人ができました。MPCAに今も深く流れている情熱が、姉妹会社全体に脈々と広がっているのを目の当たりにすると、胸が躍ります。情熱は周りの人々をやる気にさせるものです。能力を最大限に活かし、MGCの製品を業界標準にしようと、誰もが全力を尽くしています。
MPCAでリーダーシップを発揮し、ダイナミックな役割を担う中で、私は事業全般に関わる幅広い視点を得ることができました。中核となる焦点は、従業員の忠誠心です。全従業員が、チームアプローチに基づき平等かつ公平に扱われなければなりません。複数の拠点に複数の工場を持つようになった今、完璧を追求する上で従業員の団結は何よりも重要な課題です。チームメイトの誰かが失敗すれば、全員が失敗する、だからこそ全員が自分の行動に責任を持つ、という考え方がMPCAには不可欠なのです。今日のMPCAはすばらしいチームに恵まれており、ここ数年で大きな進歩を遂げ、将来の成長計画を支える基盤を固めてきました。

写真提供: MPCA 統括部長 リー・バウアー
MPCA(アリゾナ州メサ)のスタッフ:左から、経理・財務担当 ジム・バーンハウス、重役補佐 アリシア・ロペス、
人事・総務部長 チャーラ・シッパリー、IT部長 スコット・フルブライト
State 48の魅力
アリゾナ州には多くの呼称があります。「48番目の州」、「銅の州」、「太陽の谷」、そして最も有名な「グランドキャニオンの州」。アリゾナは、1912年、合衆国本土で最後の州となったことから、「48番目の州」(State 48)と呼ばれるようになりました。もともとアリゾナは、銅が豊富に採れることから「銅の州」として知られており、全米の銅の68%を供給する、生産量第一位の州でした。最近ではグランドキャニオンの人気により、「グランドキャニオンの州」として知られるようになっています。この自然の驚異はアリゾナで最も人が集まるランドマークで、コロラド川沿いに数キロにわたって続く渓谷を訪れる観光客は年間500万人余りに上ると試算されています。セドナやアンテロープ・キャニオンも必見の観光地です。

写真提供(リンク先):https://www.pexels.com/photo/view-of-the-grand-canyon-arizona-united-states-17123544/
アリゾナ州北部に位置するグランドキャニオン国立公園。コロラド川および隣接する高地を278マイル(447km)にわたり擁する。
スポーツファンにとって、アリゾナはフットボール(カージナルス)、野球(ダイヤモンドバックス)、バスケットボール(サンズ)のプロチームの本拠地でもあります。PGAゴルフツアーのWM(ウェイスト・マネジメント)フェニックス・オープンも毎年通常2月にアリゾナで開催されます。また、2月と3月にはMLBの春季トレーニングが行われ、リーグ半数のプロ野球チームがシーズン前のトレーニングに励んでいます。
アリゾナのすばらしい気候は広く知られており、州の最大の魅力のひとつになっています。年間約300日の晴天に恵まれ、雨はほとんど降りません(年間降水量は約180mm)。このうえなく快適なアリゾナの暖かい日差しと青い空を、皆さんもぜひ「グランドキャニオンの州」を訪れ、肌で感じてみてください。

写真提供(リンク先):https://www.fubiz.net/2016/03/25/inspiring-cactus-photographs-and-illustrations-on-fotolia/rainbow-sunset-at-the-saguaro-national-park-arizona-usa/
アリゾナ州サワロ国立公園
私には、MPCAを率いるという経験を通して得られた、ビジネスにおける独自の見解があります。努力を惜しまず、従業員の声に耳を傾け、日々学び、真摯に仕事に取り組めば、キャリアを向上させる道が開けるのです。
「リーダーになる前の成功とは、自分を成長させることに他ならない。リーダーになった後の成功とは、他の人々を成長させることに他ならない。」 —ジャック・ウェルチ
