ナショナルスタッフより

2026.07.02

ニコン

Mitsubishi Monitor「Global Spotlight」

米国

米国

日米を技術でつなぐ「架け橋」に

インタビュアー写真
岩見 謙一郎

技術リエゾン

Nikon Inc.

https://www.nikonusa.com/

技術者としての経験を糧に、米州市場の最前線へ

2002年にニコンに入社し、半導体露光装置の製造現場を経験した後、2006年からは映像事業の技術開発部門に携わりました。その後16年間、カメラシステムの仕様検討や試作品の撮影評価、プロサポートといった多岐にわたる業務を経験し、技術者としてものづくりの全体像を多層的に捉える機会に恵まれました。
こうした経験を重ねる中で、「技術者として培った知見を活かして海外の最前線で挑戦したい」という想いが強まり、2022年に技術リエゾンとして、映像事業本部の米州拠点であるNikon Inc. (NI) へ着任しました。
技術リエゾンは、事業本部とNIの間で技術情報のやりとりを支え、そしてお客さまと事業本部を繋ぐ、「技術のなんでも屋」として橋渡しの役割を担っています。お客さまの抱える課題を的確に捉え、事業本部内のさまざまな部門と知恵を絞りながら、最善のソリューションを導き出せるよう努めています。決まったルーチンワークのない仕事ですが、周囲の仲間に支えられながら、日々新鮮な気持ちで向き合っています。

現場に出向きお客さまの声を直接伺う。

チーム一丸で挑む未知の領域への挑戦

私の担う役割の一つに、NASA(アメリカ航空宇宙局)とのプロジェクトにおける窓口業務があります。ニコンとNASAには1971年のアポロ15号以来、50年を超える協力の歴史がありますが、私は技術リエゾンとして、その伝統を受け継ぎながら日々のコミュニケーションを支えています。NASAと事業本部の双方と密に連携し、高度な要求に対する技術サポートや最適なソリューション提案を行い、信頼関係を築くための「橋渡し」に奔走しています。

こうした地道な連携の積み重ねが実を結び、2024年1月には、ミラーレスカメラ『ニコン Z9』を国際宇宙ステーションへ届けることができました。現在『Z9』は、宇宙での科学研究や記録撮影を支える重要な「目」として活用されています。
さらに直近では、有人月面探査「アルテミス計画」における専用カメラの開発支援に全社一丸となって取り組んでいます。月面の過酷な環境を再現したカメラの動作試験においては、地球上では起こり得ない課題が次々と見つかり、原因究明と対策に多くの時間を費やしました。この間、NASAと開発設計部門の間で難しいかじ取りを迫られましたが、チーム一体となって知恵を絞り、一歩ずつ解決策を形にしていきました。いくつもの困難を乗り越え、NASAとニコンの両チームとともに喜びを分かち合えた瞬間は、技術リエゾンとして何物にも代えがたいやり甲斐です。

現在、東京のニコン本社にある「ニコンミュージアム」では、この有人月面探査に向けた専用カメラのプロトタイプを特別に展示しています。実際に足を運んでいただき、月へと旅立つ「特別なカメラ」が放つロマンをぜひ体感していただけたらうれしいです。
ニコンミュージアム:https://www.jp.nikon.com/company/corporate/museum/

Artemis Iの打ち上げに立ち会い。

現場への想いと家族のような組織文化

私が仕事をする上で常に意識しているのは、「現場に足を運び、お客さまに直接会って、ニコンへの期待や要望を肌で感じること」です。要望があれば米州のどこへでも飛び、多くの時間を出張先で過ごしています。課題解決のために、仲間やお客さまとともに悩み、考え、汗を流すことこそが、技術リエゾンの醍醐味だと考えています。
こうした活動を支えてくれているのが、NIの組織文化です。NIは社長から一般社員までがフラットに意見を言い合える風通しの良さがあり、互いを思いやる「大家族」のような温かみのある組織です。こうした絆を私自身が最も強く実感する瞬間が、全米各地で開催される展示会やイベントの現場です。
広大なアメリカ各地に散らばって働くNIの仲間たちが一堂に会するその機会は、まさに「家族との再会」のように感じます。普段は離れた場所で職務に励む仲間たちが、お客さまのために一丸となって活動する。この力強い一体感こそが、ニコンが大切にしている、ファンを重視した活動の大きな原動力となっています。

全米から仲間が集い一体感を分かち合う展示会。

カメラが彩る、ニューヨーク生活の醍醐味

多忙な業務を離れ、カメラを携えてニューヨークを散策することは、私にとって活力の源です。昔から写真を趣味としていることもあり、この都市が持つ多様な表情を楽しんでいます。オフィスと自宅があるロングアイランドは、非常に自然が豊かな環境です。庭に遊びに来る動物たちを眺めたり、家族と海や農場へドライブに出かけたりと、ゆったりと流れる時間を大切にしています。家族との何気ないひとときや美しい風景をカメラに収める時間は、日々の忙しさを忘れさせてくれる至福のひとときです。

対照的に、マンハッタンやブルックリンでは、常に変化し続ける都市の力強いエネルギーに圧倒されます。カメラを片手に街を歩き、都会の風景やそこに住む人々の営みに刺激を受けながらシャッターを切る時間は、自身のエネルギーをチャージしてくれるようです。「自然の癒やし」と「大都市の刺激」の両方に触れられる、この素晴らしい環境で得たエネルギーを糧に、これからも世界中のファンに愛されるニコンブランドを目指して、チームの仲間とともに挑戦を続けていきます。

自然豊かで穏やかな時間が流れるロングアイランド。

ダイナミックな景観と人々の営みを感じるマンハッタン。

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