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オール三菱合唱団、8年ぶりにコンサート開催
-東京フィルハーモニー交響楽団と「メサイア」演奏-
三菱グループ各社の合唱団が集まって構成されるオール三菱合唱団が9月15日、東京都港区のサントリーホール大ホールで「三菱ダイヤモンドコンサート」を開催しました。
1987年に初めて開催された「三菱ダイヤモンドコンサート」は今回が14回目で2017年以来8年ぶりの開催でした。もともと2020年の三菱創業150年に合わせて企画されていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大などにより延期を余儀なくされていました。
![]() オール三菱合唱団、東京フィルハーモニーオーケストラ、ソリスト4名、
指揮者の齋藤友香理さんがそろったサントリーホール大ホールのステージ |
「三菱ダイヤモンドコンサート」は全三菱運動文化大会の一環で行われています。その母体になった全三菱運動大会は、1961年に三菱グループ各社の社員が運動を通じて技能の向上と会員相互の親睦、融和を図る目的で創設され、ルーツは三菱第3代社長・岩崎久彌が1903年に設立した三菱運動倶楽部まで遡ります。三菱運動倶楽部は岩崎小彌太が第4代社長になり、社員の精神的修養、人格の錬磨に重きを置くようになったことから、同じルーツを持つ三菱養和会同様、小彌太が提唱した養和の精神「和を養い和を貴ぶは三菱所属社員の伝統的精神なり」が息づいています。
一体感のあったエネルギッシュな演奏
今回は指揮者に、国内外で活躍中の齋藤友香理さんを迎え、4名のソリスト(ソプラノ:七澤結さん、アルト:林眞暎さん、テノール:櫻田亮さん、バリトン:萩原潤さん)と東京フィルハーモニー交響楽団とともに、ヘンデル作曲の「メサイア」を演奏しました。
サントリーホールの正面入口には、13時の開場より前から演奏を聴きに訪れた多くの人が集まり、開場と同時に客席が埋まっていきました。13時30分の開演時間が近づくと合唱団員、オーケストラ、ソリストがステージに揃い、最後に指揮者の齋藤さんが登場し、観客席から大きな拍手が沸き起こります。指揮台に齋藤さんが立つとホール内は静まり返り、演奏が始まりました。
![]() オール三菱合唱団の団員は170名を超えます
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![]() 躍動感のある指揮をする齋藤さん
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「メサイア」はヘブライ語の「メシア」(「救世主」の意味)の英語読みで、キリストの生涯を描いたヘンデルの代表曲。1741年に作られた3部構成のオラトリオ(演奏会形式で上演する劇音楽)で、演奏時間は約3時間に及びます。
齋藤さんの指揮のもと、合唱団、オーケストラ、ソリストが一体になり、演奏は美しいハーモニーを奏でます。170名を超える合唱団はダイナミックな歌声だけではなく繊細な歌声も披露。第2部終盤の「ハレルヤ」、第3部終盤の「アーメン」の合唱は圧巻です。
演奏終了後、客席からは割れんばかりの大きな拍手が沸き起こり、観客を魅了した演奏に、惜しみない称賛が贈られました。
![]() テノールの櫻田亮さんによる独唱
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![]() ソプラノの七澤結さん(左)とアルトの林眞暎さんによる二人唱
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コンサート終了後、齋藤さんは演奏をこのように振り返ります。
「合唱団から音楽をやりたいという心意気を感じていたので、私が関わることでいい演奏ができるよう役に立ちたいと思っていました。お客様の目の前で生の演奏を聴いてもらうことでしか味わえないことを感じてもらえるような指揮を心がけました」
![]() コンサートで指揮をした齋藤友香理さん
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練習を指導し、コンサート当日も演奏を聴いていた合唱指揮者の山神健志さんは、これまで関わった4回の「三菱ダイヤモンドコンサート」の中で今回が一番いい演奏だったと評します。
「オーケストラとのリハーサル時間がなかなかとれず、それぞれの曲を1回軽く合わせた程度で本番を迎えました。団員の皆さんはドキドキして本番に臨んだと思われますが、それがかえっていい緊張感を生み、長い曲でも途中でだれることがなく思っていた以上にうまくいきました。実にエネルギッシュな演奏でした」
![]() 練習を指導した合唱指揮者の山神健志さん
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合唱団員の1人としてステージで歌ったソプラノの須藤久美子さんは「サントリーホールの大舞台に立てたことは光栄なことですし、練習でできたことが出し切れたので達成感があります」と振り返ります。テノールの田中佑弥さんは客席を埋める多くのお客様を目にしたとき、「いよいよ始まる」と奮い立ち、演奏に臨む気持ちが研ぎ澄まされていったといいます。そして、1年近くにわたった練習をこのように振り返ります。
「練習では本番が近づくにつれて張り詰めた雰囲気が強くなっていきましたが、モチベーションを保ちながらより良い音楽をつくることに先生方が細心の注意を払っていたことが伝わってきました。最後まで妥協することなく、本番直前まで親身にご指導いただいたと思っています」
![]() ソプラノの須藤久美子さん
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![]() テノールの田中佑弥さん
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齋藤さんはオール三菱合唱団について、「これからも音楽への情熱は忘れず、いい意味で音楽に執着し続けていただければと思います」とエールを送ります。また山神さんは「普段は別々の合唱団で活動しているのに元から1つの合唱団かのような不思議な一体感がオール三菱合唱団にはあります」と評します。
「三菱ダイヤモンドコンサート」の魅力は、アマチュアのオール三菱合唱団が、一流のホールで一流の指揮者とオーケストラとともに演奏を行うことができるところです。プロの力を借りつつ、三菱グループの一体感が美しいハーモニーを生み出しています。次回のコンサートでも素晴らしい歌声を聴かせてくれることでしょう。
※2025年10月23日掲載。本記事に記載の情報は掲載当時のものです。