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みつびし最旬トピックス
小岩井農場施設 文化財ウォークツアー開催!
-穏やかな初夏の農場をウォーキング。貴重な非公開施設の見学も-
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三菱第二代社長・岩崎彌之助が創設に関わった日本最大級の民間総合農場であり、21の農場施設が国指定重要文化財に指定されるなど、日本における酪農のパイオニアとしても知られる岩手県雫石町の小岩井農場で、近代化遺産の公開と健康増進を目的にした「文化財ウォークツアー」が開催されました。
当日の雫石町は雲一つない青空で、気温は20℃ほど。爽やかな初夏を満喫できるウォークツアー日和でした。
気候の良い時期に農場内をウォーキングしながら、特別公開の施設を見学するこのツアー、小岩井農場資料館館長の野澤裕美さんがガイドとなり、施設の成り立ち、特徴などわかりやすく紹介されました。
この日見学したのは21棟の重要文化財のうち10棟。貴重な建築群が一番集まっている「上丸牛舎群」を見学したあと、普段は一般非公開エリアの「天然冷蔵庫」までウォーキングし、その後観光施設「まきば園」の中にある重要文化財ギャラリーを見学するという約3キロの道のりを、10人の参加者でウォーキングしました。
今回のイベントは一定時間以上歩くことで貧困のこどもたちの寄附につながる非営利・寄付型ウォーキングイベント「足の8020ウォーキング」に協賛。楽しく軽やかに歩いて社会貢献にも、という趣向。
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一号牛舎は昭和9年(1934年)の建設。当時最新鋭のスタンチョン※式を取りいれた搾乳牛舎です。重要文化財でありながら今も現役で、68頭の乳牛が収容されています。まさに生きた文化財(リビングヘリテージ)と言われる所以です。
※スタンチョン・・・牛の首のあたりを挟んで安定させつなぎ留める首かせの一種。
一号牛舎。牛は暑さが大の苦手のため、最近換気扇が設置された。重文ゆえ慎重な検討をし、最終的には「牛の福祉が第一」と決断したそう。
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現在はスタンチョンを使っていない。牛の体格が育種改良により大きくなったので、牛舎は工夫しながら使用している
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健康のために牛たちは外の運動場へ毎日移動させています。草を食んだり休んだりしてから戻ると、牛舎内のそれぞれに決められた場所がわかるのだとか。賢い!と思いきや、牛たちにも多少の縄張り意識があるらしく、それも影響しているのかもしれません。
次に向かったのは一号サイロと二号サイロ。明治40年(1907年)に建設された、日本に現存する最も古いサイロで、その大きさとレンガの色あいが歴史を感じさせます。
サイロにトウモロコシを貯蔵し発酵させる。牛の健康と美味しい牛乳には、食料貯蔵庫は不可欠
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見学中にトラクターショベルがやってきた。サイロとトラクターショベルの見事なデザインバランスに思わずシャッターを切ってしまった。
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その後も建造物をいくつか見学した後、いよいよ1.5キロほど離れた「天然冷蔵庫」に向かいます。途中非公開エリアを通るため、公道からでは見ることが難しい岩手の山々や牛たちが佇むまきばの風景を目にすることもでき、心が和みます。写真好きの方なら絶好のフォトスポットです。
「これぞ小岩井農場」という光景に、カメラ持参の参加者は次々シャッターを切っていた。
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「天然冷蔵庫」は明治38年に建設。当時小岩井農場は種牛の育成・販売が本業でしたが、せっかく得られた牛乳を無駄なく活用しようと乳製品事業を興します。付加価値の高い製品づくりとして本格的に取り組んだのはバターの製造。バターの瓶詰め作業や貯蔵には冷蔵設備が不可欠で、乳製品工場を立ち上げた際その近傍に作ったのが「天然冷蔵庫」です。小山を掘ってその中にレンガで作られたこの「天然冷蔵庫」から「小岩井 純良バター」は発売当初、主に首都圏の富裕層向けに出荷されていました。
天然冷蔵庫外観。横から見ると小山を掘ってレンガで中を作ったことがよくわかる
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天然冷蔵庫の中はひんやり!天井がアーチ状に作られているなど近代的なデザインも。
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通常非公開の天然冷蔵庫ですが、今回は外観のみならず中にも入れました。内部は通路と3つの部屋で構成され、内装はモルタルで覆われてはいるものの当時のまま。一気に体感温度が下がり、庫内が今も常時10度程度で保たれていることを体感できました。
天然冷蔵庫の後は「重要文化財ギャラリー」に戻り、映像や模型・パネルで小岩井農場の歴史や重要文化財について学ぶひとときでした。
重要文化財ギャラリーにある天然冷蔵庫の模型。中はイメージ。使用当時は内装もレンガ造りだった。
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ゴールは「重要文化財ギャラリー」。詳しくはmitsubishi.com「みにきて!みつびし」で
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今回のウォークツアーに参加した人からは「今後も定期的に開催してほしい」「次は四階建倉庫、倶楽部を見てみたい」といった声があり、貴重な体験を満喫していました。
イベントを主催する公益財団法人小岩井農場財団
は、重要文化財の保存・管理のほかに一般公開も事業の一つに位置づけていて、「健康促進と重要文化財に関する広報活動を兼ねたこのイベントは継続して行いたい」とのこと。イベント事務局では、小岩井農場にある重要文化財の魅力を知っていただくためにさまざまなアイデアを検討しているそうです。今後のイベントについても小岩井農場財団のウェブサイト
やInstagram
、mitsubishi.comで告知を掲載しますので、チェックしてはいかがでしょうか。
※2024年5月29日掲載。本記事に記載の情報は掲載当時のものです。