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みつびし最旬トピックス
東洋文庫「知との出会い」の楽しさを全国に
-石川県立歴史博物館 夏季特別展 記念講演会-
一見難しそうな東洋学を東洋文庫の学芸員がわかりやすく解説
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東洋学の世界的研究図書館、東洋文庫が所蔵する名品を展示する特別展「知の大冒険 ―東洋文庫 名品の煌めき―」の関連イベントとして記念講演会が、8月4日に石川県立歴史博物館で行われました。
講演テーマは「知の大冒険攻略ガイド」。
東洋文庫の学芸員2名が講師を務め、東洋学のわかりやすい解説や展示品の観賞ポイントなどユーモアも交えて講演。会場の参加者からは時折笑い声も聞かれるなど楽しく東洋学を学ぶ機会になりました。
約100万冊の蔵書を誇るアジア最大級の研究図書館である東洋文庫。その日本屈指のコレクションの中から選りすぐりの書物や地図、絵画を揃えた特別展「知の大冒険 ―東洋文庫 名品の煌めき―」が、7月19日から石川県立歴史博物館で始まりました。
この特別展では、マルコ・ポーロの旅行記『東方見聞録』や教科書でおなじみの『アヘン戦争図』など100点を超える貴重な史料を通してアジアを中心とした歴史や文化を紹介します。(前期・後期で一部入替え)
展示中の国宝『文選集注』(10-12世紀 平安時代 書写)
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「『世界、そしてアジアの中の日本』について考えるためには、日本が海外からどう見られていたかを知る必要がありました。東洋文庫創設者の岩崎久彌は国内外の資料の収集だけでなく、研究活動継続のための資金提供にも尽力しました」(公益財団法人東洋文庫 学芸課長・主幹研究員 岡崎礼奈氏)
展示品には国宝や重要文化財も含まれますが、日本の資料でも、海外との関係や時代背景を踏まえ「なぜ貴重といえるのか」という解説を聞くと見方が広がります。
「たった一枚の資料でも、近づいてよく見ると多くの発見があります」とご自身の「推し」の展示物を紹介されたのは篠木由喜氏。(公益財団法人東洋文庫 研究員・学芸員)
オランダで制作された古い地図を拡大してみると、「これは石川県では?」と思わせる小さな地名が浮かびあがり、会場からは「おおっ!」と声が響き、一度見た資料でも再度じっくりと見たくなります。
学芸員の「推し」の展示物紹介に会場では笑い声も
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今回の特別展では、記念講演会の他にも関連イベントが多く開催されています。石川県立図書館とのコラボ企画として「本でめぐる『知の大冒険』」が行われ、同図書館内に、東洋文庫やその所蔵品を深く知るための特設コーナーが設けられました。
東洋文庫では、普及活動として2011年のミュージアム開館以来38回にわたる企画展を開催し、2022年以降は、初めての巡回展として、宮城県、茨城県、京都府、長崎県、石川県の5か所で東洋学を楽しく学んでもらえる展示を行いました。
石川県立歴史博物館 夏季特別展は9月1日まで開催中です。時空をこえたアジアの旅を体験できますのでぜひお出かけください。
石川県立図書館に設けられたコラボ企画コーナー
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記念講演会の前日に行われた石川県立歴史博物館の学芸員による展示解説にも多くの方が参加
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月1日まで開催中です!
石川県立歴史博物館
夏季特別展「知の大冒険 ―東洋文庫 名品の煌めき―」
会期:2024年7月19日(金)~2024年9月1日(日)
時間:9:00~17:00(展示室への入館は16:30まで)
観覧料:大人1,200円、大学生・専門学校生960円、高校生以下無料
※2024年8月19日掲載。本記事に記載の情報は掲載当時のものです。