多彩に活動!
みつびし最旬トピックス
探究的な学びの充実を目指す「交流と誓い」
-みらい育成アワード2024 開催-
タグを選択すると同じカテゴリの他の記事が探せます。
|
2024年9月28日、JPタワーホール(東京都千代田区)で「みらい育成アワード2024〜知見、実践、その想いを分かち合う〜」が開催されました。これは教育機関等への助成活動を行う三菱みらい育成財団が、2023年度に採択したプログラムの中から特に優れた活動・成果を表彰するもので、会場には助成先の学校関係者や企業・団体などが一堂に会しました。
2023年度は募集に対して413件と前年度の2倍近くの応募が集まり、107件のプログラムが採択されました。その中から特に優れたプログラムを実施した10団体が表彰され、各カテゴリーのグランプリ受賞団体(5団体)より、その成果に関するプレゼンテーションが行われました。
|
|
カテゴリー1(西地区)でグランプリを受賞した香川県立小豆島中央高等学校の受賞プログラムは「総合的な探究の時間『櫂風(かいふう)』」。「社会へ漕ぎ出すための櫂を手にし、イノベーションという風を起こす」という意味が込められたユニークな名称のプログラムは、カリキュラムも個性的です。
探究の教材には自校で製作したデジタル絵本を使用。小豆島と同じような課題を抱えた架空の国の王様が、困り果てて3人の子に解決の依頼をするというストーリーを経て、実際に校長先生から生徒にオファーが下りるという面白く練り込まれた設定に、参加者から感嘆の声が上がりました。
「実際の社会課題をテーマに、それを解決するために探究活動を行おうと言っても、その課題に興味を持っていない生徒が脱落してしまうという問題があり、架空のファンタジーな形でとっつきやすくしていこうと考えました」(小豆島中央高等学校 池本教論)
このような取り組みに「創作と現実がリンクしていくアイデアは大変おもしろい、ぜひ参考にしたい」といった意見が上がっていました。
|
プレゼンテーションに続いて助成プログラムに取り組んでいる4団体が登壇し、「探究的な学びの充実に向けて」というテーマでパネルディスカッションが行われました。今回は「探究的な学び」と、学校教育を取り巻くさまざまな領域・知見とを横断的に交流させていくための考え方や手法について、各団体の取り組み事例を紹介しながら論じられました。各教科の先生、生徒と地域社会がそれぞれの垣根を越えて対話を深め、多様な価値観を盛り込んで創造的な探究につなげていくことの重要性が語られ、質問や意見も多く寄せられました。
|
この流れで行われた参加者同士でのディスカッションでは「教師自らが専門の教科だけを教えるのではなくのみならず、一人の人間として生徒と向き合っていくべき」、「大学の先生を招いて講義をしてもらっているが、それだけでなく、そこで学んでいる大学生との交流が(高校生の)探究的な学びへの関心を強めるケースもある」など、活発な意見交換で会場は盛り上がりを見せ、「探究的な学びを充実させていくには」という課題への関心の高さがうかがえました。
閉会の前には今回のアワードの感想が参加者から発表されました。参加者の間で探究的な学びの充実を目指して高校、大学、教育事業者、それぞれの立場を超えてアイデアやノウハウだけでなく、積極的にアクションを起こそうという熱意も共有されました 。
※2024年10月11日掲載。本記事に記載の情報は掲載当時のものです。