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「三菱商事 千年の森 森林保全活動」グループ社員が間伐、植樹体験

-三菱ゆかりの地便り 高知・安芸#6 -

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三菱商事 千年の森(通称:彌太郎の森)

三菱グループの創業者、岩崎彌太郎の生誕地である高知県安芸市で、三菱商事グループの社員・家族が参加する「三菱商事 千年の森(通称:彌太郎の森)森林保全活動」が10月19日に行われました。

三菱商事は、社会貢献活動の3つの軸の一つに「環境の保全」を挙げ、世界各地で地球環境の保全に取り組んでいます。国内では2009年より高知県、安芸市、高知東部森林組合と「協働の森づくり事業パートナーズ協定」を締結。地域の環境保全に貢献することを目的に、同市の山林を社有林として保有するほか、市有林の一部及び高知東部森林組合の管理森林を含めた263ヘクタールを「三菱商事 千年の森」(通称:彌太郎の森)と名付け、森林整備を実施しています。この活動を通じた水源かん養や多様な野生生物の移動経路の確保に努めている点などが高く評価され、2024年、当該263ヘクタールのうち「四国山地緑の回廊」と接続する212ヘクタールが、環境省により自然共生サイト※に認定されました。

※自然共生サイト:「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」を国が認定する区域のこと。


この森林保全活動は2009年から行われており、これまでに575名が参加。森林整備に欠かせない間伐※や植樹の体験が実施されてきました。今回も全国から三菱商事グループの社員・家族ら53名が安芸市に集まり、作業手順の説明などを受けた後「岩崎彌太郎生家」の裏山でもある妙見山にある保全活動場所に移動しました。標高448メートルとはいえ林の中は足場も悪く、足元に気を遣いながら急斜面を歩き、間伐対象のエリアに向かいます。

※間伐(かんばつ):森林の成長に応じて樹木の一部を伐採し、過密となった林内密度を調整する作業

間伐の意義と作業手順の説明を受けます
林に入ると木と土の香りに癒されますが、安全第一で進んでいきます
適度な光が空から降り注いでいます

今回訪れたエリアの人工林は、適切に間伐、除伐※等を行う必要があります。手を加え育てることで、林の中に適度な光が射し込み、下草が生い茂り、水源涵養(かんよう)機能や土砂流出防止機能が高まります。ただし、森林保全に不可欠な間伐作業は危険な作業。林業における作業中死亡事故の約半数は伐木作業中であり、細心の注意を払う必要があります。体験とはいえ「実地」そのもの。想像以上にタフな現場で、林の中に入ると参加者の表情も真剣になります。

※除伐:目的樹種以外の侵入樹種を中心に、形質の悪い木を除去する作業。

参加者はのこぎりの刃を幹にうまく入れるのも一苦労

息を切らしながら目的地まで進み、対象エリアに到着すると、早速スギやヒノキの間伐を始めます。高知東部森林組合の方々によってあらかじめ間伐が必要な木がマーキングされています。生育の状態や混み具合等を見定めてピックアップされているとのこと。ただ初心者向けに切りやすい木を選んでいるわけでは当然なく、太い木も細い木もあります。切り方の説明を事前に受けるものの、経験の浅い人にとっては、不慣れなノコギリの扱いはもとより、急斜面な足場で踏ん張ることもままならず、苦戦します。そのため参加者は6チームに分かれ、さらに交代制で木を伐ります。時に励ましながら、時に安全を気遣う声かけを行いながらの作業です。

指導を受けながら作業をすると、力加減がわかり、太い幹が相手でも着実に刃が入ります。そして、幹が割れる音がすると、木を伐るメンバーたちに緊張が走ります。

木が倒れる様子は圧巻です。自分たちが手作業で伐った木がメキメキと音を立て、ドーンと倒れる瞬間、歓声と拍手が自然に沸き起こります。この時の達成感は格別で、切り株の前でカメラを向けるときの参加者のすがすがしい表情がそれを物語っています。

午前中の間伐作業の後は、安芸市の皆さんから参加者へ鮎の塩焼きやいのしし汁が振る舞われました。天候も雨の予報にもかかわらず持ちこたえ、眼下に市中心部や太平洋を眺めながら食事をするのは、作業をやり遂げたすがすがしさも手伝い、格別です。

午後は、近くの管理地でモミジバフウ(アメリカフウ)を植える植樹活動を行いました。これもまた傾斜地での作業に奮闘しながら、しっかり根を張るようにと地面を踏み固めつつ、着実に植えて行きました。


また、妙見山といえば、岩崎彌太郎のエピソードが残る星神社。ここで彌太郎が「吾れ、志を得ずんば再びこの山に登らず」と門戸に書いた逸話が残る、三菱グループにとって身近な存在の神社です。植樹後は参加者が厳かな雰囲気で、ご祈祷に参加しました。

面積の89%が森林という安芸市で森林保全活動の一端を体験するこの活動。自社の社会貢献活動の意味を理解し、安芸市や高知県の森林保全の取組やその大変さを体感することは意義深いものです。環境保全を頭で理解するだけではなく、流した汗と達成感と筋肉痛が何よりの「学び」の証であることが、参加者の表情からも感じられました。

※2024年11月5日掲載。本記事に記載の情報は掲載当時のものです。