
多彩に活動!
みつびし最旬トピックス
末廣別邸から六義園へ アジサイの里帰り
-三菱とのゆかりが結んだ花の架け橋-
![]() 三菱の歴史が結んだ縁により、富里市から六義園へ里帰りした紫陽花「くれない」。紅色に色づく三枚の額がスリーダイヤのよう
|
共に三菱の歴史に深いゆかりを持つ、旧岩崎久彌末廣農場別邸公園(千葉県富里市)から六義園(東京都文京区)へ、アジサイの苗10本が譲渡されました。譲られたのは、白から紅色へと移ろうヤマアジサイの一種『くれない』。この苗はもともと六義園から富里市に枝分けされたもので、今回の譲渡は、三菱の歴史が結んだ縁を象徴する出来事となりました。
富里市の末廣別邸は、三菱第三代社長・岩崎久彌が晩年を過ごした邸宅です。敷地内の主屋・東屋・石蔵は国の登録有形文化財に指定され、美しく整備された庭園は一般公開されています。今年は修復工事を経て主屋も公開が始まり、多くの来訪者を迎えています。
一方の六義園は、1702年に川越藩主・柳沢吉保が築いた庭園で、幕末の混乱で荒廃していたものを三菱の創業者・岩崎彌太郎が明治期に買い取り、別邸を設けて庭を整備するなどして往年以上の姿へと発展させました。久彌もこの別邸で新婚時代を過ごし、その後、1938年に東京市へ寄付。戦後の1953年には国の特別名勝に指定されました。現在は桜や紅葉の名所として名高い庭園です。
富里市の末廣別邸は、三菱第三代社長・岩崎久彌が晩年を過ごした邸宅です。敷地内の主屋・東屋・石蔵は国の登録有形文化財に指定され、美しく整備された庭園は一般公開されています。今年は修復工事を経て主屋も公開が始まり、多くの来訪者を迎えています。
一方の六義園は、1702年に川越藩主・柳沢吉保が築いた庭園で、幕末の混乱で荒廃していたものを三菱の創業者・岩崎彌太郎が明治期に買い取り、別邸を設けて庭を整備するなどして往年以上の姿へと発展させました。久彌もこの別邸で新婚時代を過ごし、その後、1938年に東京市へ寄付。戦後の1953年には国の特別名勝に指定されました。現在は桜や紅葉の名所として名高い庭園です。
![]() 復元された庭園の新たな見どころとして整備された「あじさいの植栽」。同じ久彌ゆかりの六義園から枝分けされた13種の紫陽花が花を咲かせる
|
2012年、末廣別邸は三菱地所から富里市に寄付され、公開に向けて往時の庭を復元する整備が行われてきました。その過程で同じく久彌にゆかりを持つ六義園から枝分けされた13種類のアジサイが植えられ、新たな見どころとなりました。富里で枝から苗木を育て株を増やしたアジサイは年を重ねるごとに鮮やかな花を咲かせ、訪れる人の目を楽しませています。
しかし近年の猛暑などの影響で、六義園にあるアジサイが弱り、危機的な状況に陥っていました。そこで六義園から『くれない』の里帰りの相談を受けた富里市役所の林田利之さんは、ちょうど来年に向けて苗づくりを行っていた時期だったため、10本を六義園用に育成し、今回の譲渡が実現しました。
『くれない』は、白から紅に染まる花姿が印象的で、紅色に色づく額の形が三菱のマーク、スリーダイヤを思わせます。林田さんは、末廣別邸の庭園には六義園から移植されたツツジがあり、また、末廣農場からはヒノキの苗木が六義園に移植された歴史的背景もあることから、久彌ゆかりの六義園と末廣別邸を結ぶ新たな縁になると考え、里帰り用の苗を育成しました。
しかし近年の猛暑などの影響で、六義園にあるアジサイが弱り、危機的な状況に陥っていました。そこで六義園から『くれない』の里帰りの相談を受けた富里市役所の林田利之さんは、ちょうど来年に向けて苗づくりを行っていた時期だったため、10本を六義園用に育成し、今回の譲渡が実現しました。
『くれない』は、白から紅に染まる花姿が印象的で、紅色に色づく額の形が三菱のマーク、スリーダイヤを思わせます。林田さんは、末廣別邸の庭園には六義園から移植されたツツジがあり、また、末廣農場からはヒノキの苗木が六義園に移植された歴史的背景もあることから、久彌ゆかりの六義園と末廣別邸を結ぶ新たな縁になると考え、里帰り用の苗を育成しました。
![]() 富里で育った「くれない」の株を受け取った、六義園サービスセンター 副サービスセンター長の坂口真依子さん(右)と同・田口陸さん(左)
|
苗を受け取りに訪れた六義園サービスセンターの坂口真依子副サービスセンター長に10株を手渡した林田さんは、「七年前に六義園からいただいたアジサイは、現在では数百株に成長し、末廣別邸の庭を彩っています。今回里帰りする『くれない』が、六義園と末廣別邸をつなぐ懸け橋となることを願っています」と語りました。
今回里帰りした苗は六義園で育てられ、2年後ぐらいには庭園で来場者の目を楽しませることになる見込みです。
アジサイを通じて交わされたやりとりは、単なる植物のやりとりを超え、三菱グループの歴史が紡いだ縁が今も確かに息づいていることを示しています。末廣別邸と六義園をつなぐアジサイの花は、時を超えて受け継がれたゆかりの証しとして、これからも人々に静かな感動を与えていくことでしょう。
※2025年9月26日掲載。本記事に記載の情報は掲載当時のものです。