ライフスタイル企画

2025.07.03

旅企画「目的旅のススメ」

走る喜びを満喫! 絶景ディスカバー半島ドライブ旅

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2023年、2024年の夏、2年連続で観測史上1位の記録的な猛暑になったことは記憶に新しい。今年も梅雨明けは早く、全国的な猛暑が予想され、秋にかけても厳しい残暑が続くという。そう聞くと、外出する気分すら萎えてしまうところだが、ドライブだったらどうだろうか。
日本は島国だけに三方を海に囲まれる半島が全国各地にある。北は知床半島から能登半島、房総半島に紀伊半島、南は薩摩半島、沖縄の本部半島まで。きらめく海を横目にドライブすれば、気分爽快! 半島には独自の食文化が育み、海の幸も山の幸も揃う場所が多いだけに、寄り道する楽しさもある。車窓からの絶景を目に焼き付けて、明日への英気を養おう。

【静岡県】絶景、伊勢海老、温泉を目的にクルマを走らせる『伊豆半島』

世界遺産と同様にユネスコが推し進めているプログラム、ジオパーク。国際的に価値のある地質遺産を保護し、そうした地質遺産がもたらした自然環境や地域の文化への理解を深め、科学研究や教育、地域振興等に活用することにより、自然と人間との共生及び持続可能な開発を実現することを目的としている。

現在、日本からは10の地域が登録されており、伊豆半島はそのなかの一つだ。静岡県の東端から南へ60km突き出した伊豆半島は、東西約40km、長い海岸線は318kmにもおよぶ。

そして、半島の最南端、南伊豆と呼ばれるエリアには天城山脈より連なる山地を背にし、南と西が太平洋に開けた風光明媚な景勝スポットが点在。人気のドライブコースとなっている。

まず、目的地に設定したいのは、2024年4月にリニューアルオープンした「石廊崎オーシャンパーク」。休憩所や駐車場などが整備され、太平洋の大パノラマを一望。壮大な自然の成り立ちを肌で体感できる。

県内随一の漁獲量を誇る伊勢海老は、南伊豆を代表する海の幸。活きがよく身がぎゅっと引き締まっていて、お刺身でもボイルでも焼いてもうまい。

伊豆漁業協同組合 南伊豆支所には直売所があり、伊勢海老のほか鮑やサザエ、金目鯛などの鮮魚や干物など加工品を購入することも可能。

海の幸をたらふく味わったあとは、車を10分ほど走らせ、町営温泉「銀の湯会館」へ。ここは、大風呂のほか4種類の露天風呂、45畳の大広間を備えた日帰り温泉施設。

敷地内から自噴する自家源泉「銀の湯(下賀茂56号泉)」の泉質は、ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉で、温泉成分が濃いのが特色だ。

ちなみに源泉によっては100度を超える温泉が湧き、その熱を利用して栽培されるメロンも南伊豆の特産品だ。

1泊2日で、のんびり滞在するのもおすすめだ。

『石廊崎オーシャンパーク』

〒415-0156 静岡県賀茂郡南伊豆町石廊崎546-5
☎︎ 0558・65・1600


『銀の湯会館』

〒415-0303 静岡県賀茂郡南伊豆町下賀茂247-1
☎︎ 0558・63・0026

【青森県】”風の岬”とも呼ばれる龍飛崎であの名曲を想う『津軽半島』

本州の最北端に位置し、東は約20km先の北海道・下北半島と西は松前半島と海峡を挟んで相対する津軽半島。歌い継がれるあの昭和の名曲の舞台としてあまりにも有名だが、それだけに浮かぶイメージは冬景色のそれだ。

だが夏の龍飛崎は緑に覆われ、美しい景色が広がる。想像とのギャップに驚くが、龍飛崎は津軽半島北部から秋田県境にかけての沿岸地域に広がる津軽国定公園の一部。それだけに、世界自然遺産白神山地の一部である白神岳や青池を含む十二湖、ニッコウキスゲが咲き誇るベンセ湿原、津軽富士と呼ばれる岩木山など、美しく多彩な大自然の絶景が広がっている。

白亜の円形が海の青と緑に映える龍飛崎灯台の姿も、この時期は冬のうら寂しい雰囲気は皆無。爽やかな品のある佇まいがフォトジェニックだ。龍飛埼灯台からは、天気のよい日には津軽海峡を挟んだ北海道の松前半島や函館山が見えることも。

また、名曲『津軽海峡・冬景色』の歌謡碑もあり、ボタンを押すと曲が流れる仕掛けもあり、思い出を楽しく彩る。

龍飛崎をあとにしてお腹を満たすなら、津軽半島名物「三厩(みんまや)マグロ」に決まりだ。青森といえば大間のマグロだが、龍飛崎の前に広がる津軽海峡で主に一本釣りされる「三厩(みんまや)マグロ」もあなどれない。夏から10月にかけてはあっさりした味わいが口いっぱいに広がる。

お腹を満たしたあとは、日本一長い木造三連太鼓橋「鶴の舞橋」まで車を走らせよう。

青森県産の「ひば」を用いて作られた全長300mの橋は、津軽富士見湖の両岸を繋ぐ。木のぬくもりがあふれ、やさしいアーチ型のそのフォルムに、きっと癒されるはずだ。

ちなみに、名前は鶴が舞う姿に由来。「長い木の橋」=「長生きの橋」と読めることから開運長寿のパワースポットとしても人気があるとか。

近くには丹頂鶴自然公園や富士見湖パークもあり、ドライブがてら立ち寄るのもおすすめだ。

『龍飛崎・龍飛崎灯台』

〒030-1711 青森県東津軽郡外ヶ浜町字三厩龍浜
☎︎ 0174・31・8025(外ヶ浜町龍飛岬観光案内所)


『鶴の舞橋』

〒038-3542 青森県北津軽郡鶴田町廻堰字大沢
☎︎ 0173・26・5563(鶴田町観光案内所)

【神奈川県】都心から約60分のアクセスのよさも魅力『三浦半島』

神奈川県の東南に位置し、東京湾と相模湾を隔てる南北に伸びた三浦半島。都心から約60分とアクセスがよく、逗子や葉山、横須賀といった人気の観光地はインバウンドゲストで平日から賑わう。

写真提供:横須賀市

そんな喧騒を避け、車を走らせるなら、風光明媚な観音崎の地に立つ「横須賀美術館」がおすすめだ。東京湾を目の前に望む絶好のロケーションで、屋上からの眺望は三浦半島でも指折りの絶景。

クーラーの効いた館内では、横須賀・三浦半島ゆかりの作家の作品のほか、絵画、彫刻を中心に日本の近現代美術作品を鑑賞することができる。おしゃれなミュージアムショップも併設され、お土産探しにもおすすめだ。

写真提供:横須賀市

ドライブの合間に気軽にサクッと食べるなら、基地周辺で「ヨコスカネイビーバーガー」をお試しあれ。米海軍横須賀基地より提供されたレシピを基に誕生したアメリカンバーガーは、元々、米海軍艦船の見張り要員の食事として提供され始めたもの。そのため、さまざまな材料やソースを用いたグルメバーガーとは異なり、100%ビーフの味を活かしたシンプルな味付けが特徴だ。

よこすか海軍カレー、ヨコスカチェリーチーズケーキと並ぶ、横須賀三大グルメのひとつとして注目を集めている。

写真提供:横須賀市

胃袋が満たされたあとは、相模湾を臨む三浦半島の西岸エリアへ。お目当ては「かながわの景勝50選」にも選ばれている絶景スポット、立石海岸。

波打ち際にそびえ立つ巨岩は「立石」と呼ばれ、フォトスポットとしても有名。狙い目は海に沈む太陽と立石、富士山を同時に収められる夕暮れ。

ドライブのクライマックスにふさわしい、ドラマティックな景色を目に焼き付けよう。

『秋谷・立石海岸』

〒240-0105 神奈川県横須賀市秋谷3-5
☎︎046・822・8301(横須賀市観光案内所)


『横須賀市観光情報』公式サイト

〒239-0813 神奈川県横須賀市鴨居4-1
☎︎046・822・4000(横須賀市コールセンター)

構成・文/一寸木芳枝

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