多彩に活動!みつびし最旬トピックス

多彩に活動!
みつびし最旬トピックス

三菱ゆかりの地便り 岩手・小岩井農場 #1

-第四号牛舎の耐震対策工事 はじめに行うことは?-

タグを選択すると同じカテゴリの他の記事が探せます。

牛たちがのんびりたたずむ小岩井農場

岩手県雫石町にある小岩井農場は、三菱第二代社長・岩崎彌之助が創設に関わった日本最大級の民間総合農場です。明治24年(1891年)に創業し、現在に至るまで、多くの人々に親しまれています。特に、明治末期から昭和初期にかけて建設された国指定重要文化財「小岩井農場施設」21棟は、わが国の農業近代化の変遷を示す貴重な農業遺産として知られており、多くの建造物は現在も稼働し続けている、「生きた文化財(リビング・ヘリテージ)」です。

公益財団法人小岩井農場財団は、これらの建造物を保有し、修復・管理・保存環境の整備を行いながら、重要文化財の学術的調査研究および普及を図り、学術・文化の振興に寄与しています。中でも建造物の修復は、文化財を未来に託す上でも重要な役割を果たします。その一環として、第四号牛舎の耐震対策工事が始まりましたので、ご紹介します。

第四号牛舎

第四号牛舎は明治41年(1908年)に建てられた木造二階建ての建造物です。産室を備えた搾乳牛舎として建設されましたが、現在はすべて搾乳用に改造され、65頭の乳牛が飼育されています。117年の歴史を持つ第四号牛舎は、老朽化が進んでおり、耐震対策工事が必要となりました。
この8月より工事が始まりましたが、ここで気になるのは「牛舎にいる牛たちはどうするの?」という点です。

工事のスペースを確保する必要があり、現在飼育されている65頭のうち16頭を別の牛舎に移動することになりました。

写真を見ると「私たち、どこにいくの?」と不安そうに見えますが、慣れないことをするので身構えるのは当然のこと。移送する側も、牛たちを慎重にトラックに乗せています。 普段牛と接する機会の少ない人々にとっては、のどかで牧歌的な光景に見えるかも知れませんが、引っ越しをする牛たちも、工事の始まった牛舎に残る牛たちも、ストレスやケガがないように、細心の注意を払いながら、文化財の耐震対策工事を進めていきます。

第四号牛舎の牛たち
トラックに乗って、引っ越し

工事の様子は、この「最旬トピックス」や小岩井農場財団のインスタグラムでも随時更新されます。どうぞご期待ください。

トラックに乗って、引っ越し
引っ越しが一段落した牛舎

※2024年8月21日掲載。本記事に記載の情報は掲載当時のものです。