ライフスタイル企画

2023.12.21

スタイリスト川上さやかの仕事服論

「快適に進化」したスーツに変えるだけで、毎日がラクになる

スタイリストの川上 さやかさんがビジネスパーソンの服装への疑問や迷いを解消し、背中を押すファッションエッセイ。明日の仕事服を選ぶのがラクになり、自信がもてるヒントを教わります。今回は、より頼もしく進化しているスーツについて教わります。

今、数年前と比べて、スーツが驚くべき進化をしているのを知っていますか?たとえば、「ストレッチ性が抜群で、自転車通勤でも快適なスーツ」。当然ですが、スーツはきちんとした場面で着る仕事服なので、カジュアルに見えてしまうと相手に失礼になってしまいます。ですが、見た目はきれいなのに動きやすいのがこれらのスーツの魅力。しかも、シワになりにくい加工が施されているものも多いので安心ですし、毎日のように着ても膝が出てしまう感じもありません。一般的なスーツは、たとえば撮影で袖まくりをしてモデルさんに一度着せると、もう一度着せるときには、アイロンをかけないといけないくらいシワがついてしまうものが多いのですが、そんなこともありません。

「洗濯機で丸洗いできるスーツ」や「シャワーで洗えるスーツ」など、手入れのしやすさに長けたスーツも見つかります。自宅で簡単に洗えるので、クリーニング代が節約できるのはもちろん、クリーニングに出しに行く手間も省けます。洗えるスーツは大抵防シワ加工も施されているので、洗ったあとにシワシワになってしまうこともないでしょう。スーツを毎日のように着る職種の方や、外回りなどで汗をかくことが多い方にうってつけですね。

「パジャマのような着心地のラクチンなスーツ」も人気。窮屈感がないから動きやすく、年齢による体型の変化もやさしく受け止めてくれます。ほかにも「花粉が付きにくいスーツ」「撥水生地を使った雨の日もノンストレスなスーツ」など、便利なものがたくさん出ています。

そもそもスーツがこんなに進化したきっかけは、やはりコロナ禍。リモートワークが一気に広がり、きちんと感が必要だけれどラクな着心地の仕事服がいいという需要が高まったこと。そして、リュックを背負って自転車に乗るなど、以前よりもアクティブな通勤手段が増えたこと。そんなニーズをスーツメーカーが汲み取り、スーツの傾向が一気に変わりました。

以前は機能性の高さを売りにしたスーツと言えば、デザイン性は二の次で、まるで“就活生”のような生真面目なものしかありませんでしたが、今は機能に加えて、見た目もおしゃれで今どきなデザインになっており、新たなスーツを発見するたびに「こんなのあるんだ!」と感動しているほどです。

機能に優れたスーツを着れば、仕事の質が上がると実感できるくらい、仕事のシーンにおいて身につけるものの存在は大きなものです。特に毎日スーツを着用されるような方であれば、その効果をより実感できるはず。ぜひ一度、新しいスーツをチェックしに行ってみてください。

プロフィール

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川上 さやか(かわかみ・さやか)
スタイリスト

ファッション雑誌『Oggi』(小学館刊)やファッションブランドのウェブコンテンツなどで活動するスタイリスト。大手銀行の会社員からこの仕事に転身した異色の経歴の持ち主。シンプルでベーシックな中にもひとワザ効いたおしゃれさが光るスタイリングや、リアルな仕事服のコーディネート提案が人気。著書『おしゃれになりたかったら、トレンドは買わない。』(講談社刊)も好評発売中。
instagram:@sk_120

イラスト/山口 奈津 構成・文/高橋 香奈子

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