ライフスタイル企画

2024.02.22

旅企画「目的旅のススメ」

「冬の寒さを吹き飛ばす! 芯からぽかぽか温まるサウナ旅」

1960年代にフィンランドから上陸したサウナ。以来、時代の変化に寄り添いながら、日本独自の文化として進化してきた。ここ数年ではサウナ活動、略して“サ活”なる言葉もすっかり定着。サウナ、水風呂、外気浴を繰り返す、温冷交代浴により、体も心もスッキリ“ととのう”、リフレッシュ効果も注目され、ブームは高まる一方だ。それに伴い、全国各地に個性豊かなサウナが続々と誕生。温泉同様、旅の目的にサウナを挙げる人も増えている。そこで、サウナで体を温めながら、冬の澄んだ空気がもたらす絶景を楽しめるデスティネーションをピックアップ。さぁ、サウナ旅へ出かけよう!

富士山を眺めながら人生最高の“ととのう”体験を。山梨県『GEN.』

神々しい佇まいで、“霊峰”と呼ぶにふさわしい冬の富士。その姿を正面に見据えながら、サウナを中心とした滞在が楽しめる『GEN.』は、そのコンセプトに「SAUNA&RETREAT」を掲げるプライベートヴィラだ。

隣接するゴルフコース『富士クラシック』をはじめ、『東京クラシッククラブ』など、全国6ヶ所にゴルフ場・ホテルを保有する株式会社クラシックが手掛け、2023年8月にオープン。

東京から約2時間、富士の樹海を抜けた先、富士山のおよそ3合目と同程度の標高に位置し、ヴィラの正面には壮大な富士山が広がる。

そんな富士の絶景は、当然サウナルームからも眺めることができ、時間とともに刻一刻と移りゆく表情を思う存分、味わえる。

サウナルームを監修したのは、実業家にしてプロサウナーである“ととのえ親方”こと 松尾 大氏。大きめの薪サウナストーブを置くことで空気の循環をよくして、本場のフィンランド式サウナのようなロウリュを可能にしているという。

しっかりと体を温めたあとは、専用ガーデンに用意された富士山モチーフの水風呂でクールダウンを。

湯船と両方用意されているので、露天風呂感覚で浸かるだけでもいい。富士山に浸かり、富士山を独占しながら“ととのう”。そんな、唯一無二の体験を叶えてくれる。

プライベートヴィラは1日1組限定。90平米の広さを誇り、最大3名まで宿泊可能。富士山とサウナはもちろん、春先ともなればゴルフもセットで楽しめる。

疲れた体をリフレッシュするなら、ここで決まりだ。

『GEN.』

〒401-0338 山梨県南都留郡富士河口湖町富士ヶ嶺1306
1泊2食付き11万円(税サ込)〜 ※1〜3月期間限定価格あり

崖の中から海を眺め、静寂に身を委ねて。島根県『IZUMO HOTEL THE CLIFF』

2023年5月のオープン以来、絶景ラバーはもちろん、サウナーからも注目を集めているのが “洞窟ホテル”こと、『IZUMO HOTEL THE CLIFF』だ。

出雲縁結び空港から車で約40分。島根県の東部に位置する出雲市。縁結びの神様として名高い出雲大社で知られるこの地だが、実は海、山、平野、川、湖と多彩な自然に恵まれた場所でもある。

そんな出雲市の西海岸の砂浜から約10mの距離に建てられたこのホテルでは、ゲストルームを “プライベートCAVE”と呼び、全室すべて崖からの日本海ビューを叶えている。

なんでも、最高のオーシャンビューを見せるために、8棟それぞれの向きを緻密に計算して設計したというからすごい。バルコニーにはジャグジーが完備され、バスタブに身を沈めながらサンセットを楽しめるという趣向も心憎い。

ゲストのお目当ては、部屋からの絶景以外にもある。それが1日1組限定の予約制サウナだ。洞窟探検気分で館内を進み、プライベートサウナの扉を開ければ、空と海の大パノラマがお出迎え。

広々としたサウナルームは、ヒノキからもたらされる森の香りに満ちた空間で、深いリラクゼーション効果やストレス解消効果があり、森林浴をしているような心地よい安らぎを感じられる。

水風呂エリアはガラス窓など遮るものが一切なく、スクエアに切り取られた空間からは海からの外気が直に通り抜け、自然と一体となった感覚を味わうことができる。

夜ともなれば、漆黒の空に煌く満天の星を眺めることも可能。時計やスマホの存在を忘れ、デジタルデトックスしてみるのもおすすめだ。

『IZUMO HOTEL THE CLIFF』

〒699-0901 島根県出雲市多伎町久村1870 B1F
☎︎ 0853・86・3300
客室数:8室
1泊1室2名利用時3万8,000円(朝食付き・税込)〜
プライベートサウナ利用料1枠5,000円

冬の渓流サウナで銀世界を独占。青森県『星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル』

冬の温泉旅の醍醐味のひとつといえば、雪見風呂も外せない。しんしんと雪が降りしきり、あたり一面銀世界の中でお湯に浸かる幸せたるや。さらにサウナで体の芯まで温まったあと、雪を見ながら外気浴ができたら、もう言うことはないだろう。

そんなサウナーの願いを叶えてくれるプランが、『星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル』で2024年1月にスタート。

白銀に彩られた奥入瀬渓流の美しい冬景色を眺められる特別な場所で、1日1組だけが味わえる「冬の渓流サウナ」は、国立公園の大自然の中で“ととのう”を体験できる、夢のようなプランだ。

そもそも、十和田八幡平国立公園を流れる奥入瀬渓流は、国立公園の特別保護地区。法律によって火を用いたサウナを実施できる場所は限られているだけに、希少な経験であることは間違いない。

セルフロウリュで体を十分に温めたあとは、高さ約2mの渓流を見下ろすことができる特等席で外気浴を。静かに雪が降りしきる渓流の景色を独り占めする時間は、なんとも贅沢。

水風呂も渓流沿いに用意され、せせらぎに耳を澄ませながら、火照った体をクールダウンすることが可能だ。

さらに〆には、ととのった体にじんわり染み渡るとっておきの“サウナ飯”が。フランスの煮込み料理「ブフ・ブルギニョン」の濃厚な赤ワインと野菜の味合いが胃も心も満たしてくれる。

冬の絶景と極上のサウナ体験は、旅の忘れられない思い出になるに違いない。

『星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル』

〒034-0301 ⻘森県十和田市大字奥瀬字栃久保231
☎︎ 050・3134・8094(星野リゾート予約センター)
総客室数:187室
スタンダード1泊2食付き(2名1室利用1名料金)2万4,000円(税サ込)〜

構成・文/一寸木 芳枝

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