ライフスタイル企画

2025.11.06

旅企画「目的旅のススメ」

動物園、水族館、博物館の“スター”に会いに行く

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生命の多様性とその神秘を最も身近に感じられる場所である動物園、水族館、博物館。今も昔も人気のお出かけスポットに変わりはないが、久しぶりに足を運ぶと、最新テクノロジーを採用した見せ方やアートのような演出など、工夫を凝らした展示に驚くはずだ。知的好奇心が刺激され、命の躍動と不思議に出合う非日常世界に没入する時間は、リフレッシュ効果も絶大。そして何より、各園、各館の“スター”が放つ圧倒的な愛らしさ、存在感がパワーを与えてくれる。では、全国から選りすぐった魅力ある施設を紹介しよう。

【神奈川県】広さは東京ドーム約10個分!日本最大級の動物園『よこはま動物園ズーラシア』

1999年に開園し、現在では絶滅危惧種を含む約100種、約570点に及ぶ多様な動物がのびのびと暮らす『よこはま動物園ズーラシア』。

写真提供:よこはま動物園ズーラシア

来園者が口々に「まるで世界旅行をしているような気分が味わえる」と話すその理由は、【アジアの熱帯林】、【アマゾンの密林】、【アフリカのサバンナ】など、園内が世界の気候帯・地域別に8つのゾーンに分かれて展示されているからだ。

加えて、ゾーンごとに出合える“スター”がいるのも大きい。

写真提供:よこはま動物園ズーラシア

例えば【アジアの熱帯林】ではスマトラトラ、【オセアニアの草原】ではアカカンガルー、【中央アジアの高地】ではテングザル。【アフリカのサバンナ】ではキリンやグラントシマウマが躍動し、偶数日にはチーターも加わる。肉食動物と草食動物の4種混合展示は日本初という点も興味深い。

写真提供:よこはま動物園ズーラシア

【亜熱帯の森】ではガラス越しに、ホッキョクグマの親子が水遊びする姿を眺めることができる。

公式インスタグラム(@yokohama.zoo)には、園内で暮らす動物たちの“オフショット”がポストされ、それらを眺めているだけでも癒される。都心からのアクセスも抜群な“世界旅行ができる動物園”は唯一無二。実際に足を運んで、その目に“スター”の姿を焼き付けたい。

『よこはま動物園ズーラシア』

〒241-0001 神奈川県横浜市旭区上白根町1175-1
☎︎045・959・1000

【香川県】館内はまるで美術館!四国水景を描く『四国水族館』

瀬戸大橋を眺める絶好のロケーションで知られる宇多津臨海公園。本州から四国への玄関口、橋のたもとに広がるこの公園内には、全国的に注目を集める『四国水族館』がある。

写真提供:四国水族館

四国の豊かな水景を再現し、世界最大の暖流・黒潮が流れる太平洋、穏やかな瀬戸内海、さらには四万十川をはじめとする清流など、そこに暮らす生き物たちをエリアごとに展示。多様な水中世界が6つのゾーンと70の水景で表現されている。

写真提供:四国水族館

順路の指定がなく、来館者が自由に観賞できるのも魅力だが、ぜひ注目したいのが幻想的な光の演出だ。中でも水槽がまるで額装されたアートのように空間を支配する【綿津見の景】は、青が織りなす“静”の世界が視界いっぱいに広がり、自分も海と一体化したような錯覚に陥るほど。

写真提供:四国水族館

同じ光でも“動”の世界で人々を魅了するのが、瀬戸内海をバックにイルカが泳ぐ【夕暮れの景】。多島海、瀬戸内海に沈む夕陽と手の届きそうな距離で躍動する水族館の“スター”の競演は、息を呑むほど美しい。

瀬戸内海を臨むサンセットデッキではビールを楽しめたり、期間限定で夜間営業も行われるなど、“大人が楽しめる水族館”としても申し分なしだ。

『四国水族館』

〒769-0201 香川県綾歌郡宇多津町浜1-4
☎︎0877•49•4590

【福井県】巨大ドームにひしめくリアルな恐竜の世界『福井県立恐竜博物館』

カナダの『ロイヤル・ティレル古生物学博物館』、中国の『自貢恐竜博物館』と並び、世界三大恐竜博物館に数えられる『福井県立恐竜博物館』。

写真提供:福井県立恐竜博物館

恐竜の化石発掘量で日本一を誇る福井県は、日本で発見された新種の恐竜13種類のうち、「フクイラプトル」や「フクイベナートル」など6種類が発見されている“恐竜王国”。

写真提供:福井県立恐竜博物館

福井県立大学の恐竜学研究所とも連携する『福井県立恐竜博物館』のオープンは2000年。銀色に光るドームの内部にある展示室は、「恐竜の世界」「地球の科学」「生命の歴史」の3つのゾーンから構成され、アジアを中心に世界中から集められた恐竜の全身骨格50体が並ぶ。

写真提供:福井県立恐竜博物館

まるで立体の恐竜図鑑の中に迷い込んだような、そんな気分になる館内の中でも、ひときわ目を引く“スター”は、実物の4分の3サイズに復元されたティラノサウルスのロボット。

迫力ある吠え方や動きまでも再現され、ロボットとわかっていても思わず立ちすくんでしまうはずだ。

写真提供:福井県立恐竜博物館

そのティラノサウルスを中心に、肉食恐竜、草食恐竜の全身骨格が配置された恐竜の世界は、無料の音声ガイドアプリに耳を傾けながら歩けば、よりリアルに恐竜たちの生態を知ることができる。

研究者になった気分で頭骨復元や化石の削り出し、CTスキャンデータの分析を行う「化石研究体験」や、春から秋にかけては発掘現場を探訪し発掘体験もできる「野外恐竜博物館」見学ツアーも見逃せない(要予約)。

期間限定の特別展なども開催され、恐竜好きならずとも、一生に一度は訪れたい日本が誇る博物館だ。

『福井県立恐竜博物館』

〒911-8601 福井県勝山市村岡町寺尾51-11 かつやま恐竜の森内
☎︎0779•88•0001

構成・文/一寸木芳枝

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