夜の帳が下り、見慣れた景色が闇に包まれると現れる夜景。圧倒的な光量を放つ人工光が織りなすその美しさは、日中そこで働く人間にとっても、いつだって新鮮な驚きと感動を与えてくれる。夏と比べて乾燥している冬は、光の散乱が少なく、遠くの光までよく見える。クリスマス、ニューイヤーなど、フェスティブシーズンを彩る華やかなショーウインドウ、街にきらめくイルミネーションもまた、冬の夜をゴージャスに盛り上げる。慌ただしい師走の束の間の癒しにも、夜景はきっと効果的だ。
【神奈川県】日本新三大夜景都市、横浜の冬を光が彩る『THE YOKOHAMA ILLUMINATION』
夜景観光コンベンション・ビューローが2024年に行った改選で、首都圏で初めて「日本新三大夜景」に選出された横浜。
その選出理由のひとつが「都市の変化とともに変貌する夜景の流動性の魅力」だ。
写真提供:横浜市観光協会
1894年に完成した横浜港の要、横浜大さん橋国際客船ターミナル、1930年に開園した山下公園、1961年に完成した横浜マリンタワーなど、歴史ある場所から望むその夜景は、過去と未来が交差する“絶景”だ。
写真提供:横浜市観光協会
明治時代に建築された横浜赤レンガ倉庫は2002年のリニューアル以降、ライトアップが施行され、例年クリスマスマーケットを開催。多くの人で賑わう冬の風物詩となっている。
写真提供:クリエイティブ・ライト・ヨコハマ実行委員会
今年は11月から2026年2月にかけて、横浜都心臨海部の各地で行われるイルミネーションイベントをつなぐキャンペーン「THE YOKOHAMA ILLUMINATION」が開催され、40を超えるイベントが実施される。
写真提供:クリエイティブ・ライト・ヨコハマ実行委員会
横浜駅周辺から桜木町・みなとみらいエリア、新港・大さん橋エリアほか、広範囲にわたって光が彩るその光景は圧巻。冬だけのスペシャルな絶景をぜひこの目に焼き付けよう。
『THE YOKOHAMA ILLUMINATION』
開催場所:2025年11月~2026年2月
開催期間:横浜都心臨海部(横浜~桜木町・みなとみらい~野毛・伊勢佐木町~関内・石川町~山下・中華街・元町周辺ほか)
【長崎県】港と山が織りなすロマンティックな“夜絶景”を一望する『稲佐山公園』
モナコ、香港と並び、世界を代表する夜景の街、長崎。“鶴の港”とも称される長崎港を中心に、その周囲を山々が取り囲むすり鉢状の地形が唯一無二の夜景を作り出している。
そんな長崎の夜景を一望できるフォトジェニックスポットが市街地の西に位置する標高333メートルの稲佐山だ。
写真提供:(一社)長崎県観光連盟
全体が公園として整備され、遊具広場や野外音楽堂、ドッグランなどもあり、市民の憩いの場ともなっている。山頂の展望台からは市内全景を望め、晴れた昼間には長崎市街地をはじめ、雲仙、天草、五島列島までを見渡す。
写真提供:(一社)長崎県観光連盟
そして夜にはこの通り、 “1000万ドルの夜景”が現れる。世界各国からやってくる豪華クルーズ客船が長崎港に入港する日は、夜景とのコラボレーションを楽しむこともできる。
写真提供:(一社)長崎県観光連盟
照明を散りばめた展望台フロアがある山頂までは、「長崎ロープウェイ」や「長崎稲佐山スロープカー」でアクセス可能。麓から山頂まで、ガラス張りのゴンドラから360度クリアな視界で眺める夜景は、非日常感たっぷり。幻想的な“空中散歩”を楽しもう。
『稲佐山公園』
〒850-8021 長崎県長崎市稲佐町
☎︎095•861•7742(稲佐山公園管理事務所)
【北海道】澄んだ空の下できらめく札幌の街明かりに息を呑む『藻岩山&札幌藻岩山スキー場』
かつてアイヌの人達は「インカルシペ(いつもそこに上がって見張りをするところ)」と呼び、見張りをする山だったという藻岩山。
札幌市のほぼ中央に位置し、標高531メートルの山頂からは札幌の街並みや日本海石狩湾、増毛暑寒別岳までの大パノラマが広がる。
写真提供:札幌観光協会
「日本新三大夜景」にも過去3回選ばれ、展望台から眺める月が美しいことから「日本百名月」のスポットにも認定されるなど、札幌随一の夜景の名所は昔も今も多くの人々を魅了する。
写真提供:札幌観光協会
何度訪れてもその美しさには感動するが、少し趣向を変えて楽しむなら、ゲレンデから夜景を望む、という選択肢も。
それを叶えてくれるのが1960年に開場した「藻岩山スキー場」だ。街中から車で約20分と至近にもかかわらず、10コースが整備され、そのうち8つのコースでナイターを楽しめる。
写真提供:札幌観光協会
ゲレンデからの眺める雪と夜景のコラボレーションは、スキーヤーとスノーボーダーだけの特権。いつもの札幌の夜がまた違って見えるに違いない。
『藻岩山』
〒064-0942 札幌市中央区伏見5-3-7
☎︎011•561•8177
『札幌藻岩山スキー場』
〒005-0040 札幌市南区藻岩下1991
☎︎050•3662•8715
構成・文/一寸木芳枝