野島氏は「三菱未来館を通して、いのちの大切さを考えていただくと同時に、万博を通じて大阪の魅力、日本の魅力を世界に発信できたらよいと思っています」と意欲的に語る。
2025年4月13日の開幕に向けて期待が高まっている大阪・関西万博。三菱グループ30社が提供するパビリオン、三菱未来館に込めた思い、そして見どころについて三菱大阪・関西万博総合委員会の委員長、野島 嘉之氏(三菱商事 代表取締役常務執行役員)に聞いた。
包まれるような没入型映像で7,500万キロの旅へ
https://www.mitsubishi.com/ja/report/vol41.htmlより
三菱未来館のナビゲーションキャラクター「ビビ」と「ナナ」
大阪市の夢洲(ゆめしま)の地上に浮かぶ三菱未来館の建物は、さながらマザーシップのよう。地下の大空間からボーディングデッキを登ってパビリオン内に入り、2階へ進むと100人が着席できるメインショウシアター「ヴァーティカルシャトル」2室がある。床から天井までを覆う最先端のLEDディスプレーは、幅11m、高さ9m、高精細(2.6mmピッチ)のLEDスクリーンを複数組み合わせている。大型ディスプレーで観客席を包みこむことで、7,500万㎞を巡るコンテンツ『未知なる深海から遥かなる宇宙へ、いのちを巡る壮大な旅-JOURNEY
TO
LIFE』の世界に飛び込んでいるかのような没入型の映像を体感できる。そして、深海から宇宙まで、時空を超えて「いのち」を巡る驚きのできごとに遭遇する——。
大阪・関西万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。三菱グループ30社が提供するパビリオン、三菱未来館では「いのち輝く地球を未来に繋ぐ」を基本コンセプトとし、「いのちの始まり、いのちの未来」、そして「いのちの尊さ」「いのちの出会いと共に生きる奇跡」を感じられるコンテンツを提供する。映像制作にあたっては、電通ライブ
チーフ・クリエイティブディレクター 加藤 友之氏が監督、アストロバイオロジー研究の第一人者である東京科学大学 地球生命研究所 所長・教授の関根
康人氏が総合監修を務め、日本、オーストラリア、タイなどからグローバルなスタッフが結集した。「科学」と「エンターテインメント」を組み合わせた、三菱未来館ならではの映像が期待される。
猛暑でも涼しい、最新技術を駆使した建築にも注目
三菱グループ30社で構成する三菱大阪・関西万博総合委員会の委員長、野島 嘉之氏は、三菱未来館の構想はコロナ禍真っ只中に始まったと明かす。
「新型コロナウイルスや世界のさまざまな紛争など、いのちを見つめ直しその大切さに気づく機会が多い近年。そんななかでこの構想が始まりました。コロナ禍がいつ終息するのか、どのような制約があるのか先行きが見えない苦労もありましたが、万博という貴重な機会に三菱グループとして誇れるパビリオンにしたい、三菱グループのメッセージをお伝えしたいという思いのもと、責任とやり甲斐をひしひしと感じています。ご来場いただくすべての世代、とりわけこれからの社会を担われる若い世代の皆さんに、『いのち』についての気づきや考えるきっかけをご提供できればと思っております」
野島氏は、コンテンツと併せて三菱未来館の建築デザインや構造にも注目してほしいとアピールする。地球環境、持続可能性に細かな部分まで配慮した建築は、三菱グループ各社の技術の結晶でもある。
「三菱未来館は、埋立地という土壌の条件に対し約50mにもおよぶ鋼鉄製の杭を打って基礎としたうえで半地下状に掘削し、その上部に地上2階建ての建物を浮かせています。床下空間を厚いコンクリートで覆うベタ基礎は解体時に多くのCO₂を排出しますが、三菱未来館はリサイクル可能な杭を採用しているため会期後の撤去が簡単なうえ、CO₂を削減できます。また、柱のない半地下空間には地下ならではの冷気が流れ、上部の建物が日差しを遮るので、会期中は猛暑のなかでも空調に頼らず自然を最大限に活用した風通しのよい涼しい待機スペースにもなります。空調エリアはできるだけ絞り、そのほかのエリアは半外部化することによって環境負荷の低いパビリオンを実現。こうした斬新な設計と構造には最新技術が込められています。また、建設工事において発生する掘削土は場外への排出を極力減らし、会期後には埋め戻して循環利用することで、大切な地球資源である大地を間借りして元に戻し、再利用することを意図しています」
地球規模の課題に取り組んでいきたい、その思いを三菱未来館に託す
三菱グループは、1970年の大阪万博、2005年の愛・地球博にも「三菱未来館」を連続して出展してきた歴史がある。そして2025年。海外から161の国や地域の参加が表明されており、国内からも8つのシグネチャーパビリオンや、13の民間パビリオンが出展する一大イベントである大阪・関西万博に、「三菱未来館」の名を引き継ぐ。
「私達が今回、参加を決断した大きな理由として、パビリオンを通じて、1870年の創業以来担ってきた社会的役割を改めて世界に広く発信し、持続可能な地球と社会の発展に貢献し続けたいというメッセージがあります。これまで三菱グループが繋いできた『三菱未来館』という名に託した思いを実現したいと考えています。多くの世代の方に、将来まで思い出に残る唯一無二のパビリオンをご体験いただけると確信しておりますので、どうぞ、皆さまで三菱未来館にお越しください。また大阪・関西万博では、バーチャル万博会場においても三菱未来館を出展しますので、リアルで来館された方も、こちらも併せてお楽しみいただければと思います」
三菱未来館の見どころや映像制作の詳細は、プロモーションサイト等で随時情報を発信している。
地球規模の課題に取り組んでいきたい、その思いを三菱未来館に託す
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2025年7月31日(木曜日)には、EXPOホール(通称シャインハット)において、「三菱パビリオンデー」を開催。明治安田・三菱広報委員会・三菱みらい育成財団の3団体がそれぞれの企画によるイベントを準備しており、小学生から高校生までを中心とする若い世代の声を大阪・夢洲の地から世界に発信していくことを計画中。