2021年に入社した、東京支店 三郷第一営業所の厚見 映里さんと、横浜支店 国際輸送事業チームの中谷 庄馬さんに話を聞きました。
三菱倉庫株式会社
1887年設立。倉庫保管・配送・国際輸送等の総合物流サービスをグローバルに展開するほか、オフィスビルや商業ビルの開発・賃貸を中心に不動産事業も行う。長年の実績に基づく物流への知見・最適な物流施設・新たなテクノロジーを組み合わせて物流の課題解決策を提案し、サプライチェーン全体の効率化と、サステナブルな社会の実現に向けて顧客とともに取り組んでいる。


厚見 映里 ERI ATSUMI
2021年入社。東京支店 三郷第一営業所
「私の意見を最後まで聞いてくれたうえで、相談事に丁寧に答えてくれる上司や先輩に恵まれています。先輩方のように広い見識を持って、状況に応じた適切な判断ができるようになることが目標です」

中谷 庄馬 SYOMA NAKATANI
2021年入社。横浜支店 国際輸送事業チーム
「困難な状況のときも『何とかなる』の精神で仕事をしています。こだわりが強く自分で仕事を増やしてしまう節もありますが、そうなりそうなときは周囲に助言を求め、よく助けられています」
物流を滞らせないためにはコミュニケーションが大切

三菱倉庫に入社以来、二つの営業所で倉庫の現場管理に取り組んできた厚見 映里さん。海外からおもに船で運ばれてくる商品を、関税納付前の外国貨物の段階、またはヤードですでに通関許可がおりて内国貨物として倉庫に入庫し、保管、流通加工、店舗に向けた出庫を行う。商品が店舗に陳列され、私達の元に届くまでの一連の物流サービスを提供するのが、厚見さん達の仕事だ。
「最初に配属された大井営業所では、酒類の出庫や加工食品の入庫・流通加工などを担当しました。輸入食品を国内で流通させるには、仕分けや包装、食品表示法に基づくラベル表示などの加工をする必要があります。法律に関わる業務で責任も大きいのですが、倉庫で加工した商品が店頭に並んでいる様子を見ると達成感がありました」(厚見さん)。
クリスマスなどのイベント前に酒類が多く出たり、災害時や最近の米不足によって加工食品やパスタの出荷が増えたりするなど、倉庫の現場には社会情勢がストレートに反映されることも発見だった。その度に、自社の存在意義と仕事のやり甲斐を強く感じている。
日々膨大な商品の管理や配送手配を担う厚見さんが、仕事に最も必要だと感じているのは、現場での密なやりとりだ。

「商品が港に入り、出荷されるまでのプロセスで、倉庫はいわば“真ん中”の存在。入庫、出庫、移動、調整などを行うなかで、お客さま、船会社、倉庫の作業員、運送会社など多くの方と連携するため、齟齬が起きないようコミュニケーションを大切にしています。日頃から現場を回って情報収集をしたり、『今のお話はこういう理解でよいですか?』と、相手と認識合わせをしたりすることを心がけています」(厚見さん)。
昨年秋、三郷第一営業所に異動し、現在はアパレルの入庫業務と統括を担当。倉庫のDX化が進んでいる営業所だが、目下の課題は、最新技術と現場とのギャップを埋めていくことだ。たとえ高性能なロボットでも、現場の運用やニーズに合わなければ費用対効果が上がらない。その見極めがとても難しいと感じる。
「最近は展示会や社内外の研修会に足を運び、知識を広げる機会を積極的につくっています。『すぐに今の仕事に繋がらなくても、将来そういえばあのときの……とふと別の仕事につながるときもある』と上司も快く参加をあと押ししてくれます。このチャンスを生かしてひとつでも改善を実現させることが目標です」と意欲を見せた。
「運ぶ」というシンプルな仕事の価値を高める

「社会生活を下支えする公益性の高さに魅力に感じて、物流を選びました」という中谷 庄馬さん。1年目で配属された横浜支店大黒第一営業所・D号倉庫では、コーヒー豆の輸入、入出庫配送、倉庫管理を担当した。
「コーヒー豆をコンテナから入庫する現場の立ち会いとお客さまへの入庫報告がおもな仕事で、毎日コーヒーの麻袋と向き合っていました」と振り返る。
2023年に国際輸送事業チームへ異動。現在は、国内から海外へ輸出する貨物の取り扱いを代行する「輸出乙仲(おつなか)」といわれる領域の営業を担当している。
「たとえば、国内メーカーが製品を輸出しようとすれば、多くの煩雑な手配や手続きが必要です。そこで当チームでは、工場からの引き取り、コンテナ詰め、港への輸送、税関への申告、輸出船への積み込みなど、輸出に関わる国内作業全般をお客さまに代わって行います。そこで最適な輸送サービスの提案や見積もりを行うのが私の業務です」(中谷さん)。

取り扱い品目は、工業設備機器や医療機器、薬品、食品、オフィス用の椅子や机などさまざま。コンテナの選択、輸送方法、ルート設定、保管場所など、検討する要素はたくさんある。適切な提案をするために重要なのは、お客さまの環境や状況を理解したうえで、スピードやコストなど「何を求めているか」を正確に汲みとることだ。
「ただ、つい自分が考える正解にこだわってしまい、お客さまに納得いただけず反省することも。今はお客さまにとっての最適解をきちんと導き出し、メリットを示せるように心がけています」(中谷さん)。
「指定の物をAからBまで運ぶ」物流ほど、シンプルでゴールが明確な仕事はあまりないかもしれない。しかし「運び方」には、多くのクリエイティビティを発揮できると中谷さんは考えている。
「早さや安全性、効率を追求する方程式を組むこともそうですし、近年はCO2の排出を抑える工夫や、ロボット技術の導入による効率化なども求められます。実は、勉強すべきことや、工夫できることが山ほどある分野なんです」(中谷さん)。
そんな中谷さんにとって。仕事のいちばんの喜びは「人の役に立てた」と感じる瞬間だ。
「『急いでくれて本当に助かった』『三菱倉庫さんだから任せられる』といった言葉をもらえると、自分はこのために仕事をしていると実感します」と笑顔を見せた。
オフはスポーツで汗を流してリフレッシュ
「土日のどちらかをアクティブデー、もう1日はゆっくり身体を休めるオフデーにしています」と厚見さん。アクティブデーには、大学時代に打ち込んだテニスやスカッシュをプレーするほか、「2年ほど前から本格的に始めて、最近やっと120を切りました」というゴルフにもハマっている。

「この夏に以前所属していた大井営業所のコンペに参加させていただきました。変わらないアットホームな雰囲気が恋しくなる時間でした」(厚見さん)。
ゴルフを始めていちばんよかったのは、社内での交流の輪が一気に広がったことだ。
「会社にはゴルフ好きの人が多いんです。とくにコンペに出るようになって、普段話す機会が少ない上司とも良い距離感で会話できたり、同じ席に座った、ほかの営業所の所長さんと知り合いになれたり。社内でも多くの人が声をかけてくれるようになりました」と厚見さん。
来年はテニスもゴルフも「全三菱大会」に参加することが目標で、結果を出せるように練習に取り組む日々だ。

ラーメンは杉並、世田谷、中野の辺りを開拓中とか。「写真はボクシングの試合前の追い込みの風景です。もちろんラーメンは食べられません……」(中谷さん)。
一方、中谷さんのオフになくてはならないのは「ラーメン」と「ボクシング」。
「ラーメンが本当に大好きで、週に3回ぐらいは食べ続けています」と楽しそうに言う。
ボクシング歴の方は大学時代から。
「元々キックボクシングをしていて、就職後にブランクがありましたが、ボクシングに転向して最近また練習を始めました。動機は、体を動かしたくなったことと、プロのライセンスを取ろうと思ったことです。それに、真剣に動いて汗を流していると、日頃のストレスを全部発散できて、すごく気分転換になりますね」(中谷さん)。
プロになっても実際に試合に出るかどうかは分からないが、今は週3、4回のジム通いをコツコツと続けている。
スキルアップで「物流のスペシャリスト」を目指す

今後さらに経験を積みたいことや、身につけたいことについて聞いてみた。
「将来は倉庫現場だけでなく、ほかの事業も経験して知識を広げていきたいですね。スケールの大きな現場が好きなので、次は港湾運送事業に挑戦してみたいです。先日見学にいった南本牧のコンテナターミナルの規模の大きさに圧倒されました」(厚見さん)。

「出張でお客さまの海外拠点を訪ねたとき、自分の英語力不足を痛感して『これは本気でやらねば』と考えるようになりました。今後海外マーケットに関わることがあれば、言語の習得はやはり避けては通れないので、まずは一歩を踏み出したい」(中谷さん)。
物流の世界の新たな可能性に向けて、挑戦を続けていく二人だ。