若手社員登場

2025.12.11

三菱プレシジョン株式会社

チャレンジ精神旺盛な若手社員が考えていることを紹介します。

ものづくりの最前線で求められるものは?

2021年に入社した、資材部 シミュレーションシステム調達課の東来 みなさんと、宇宙機器部 宇宙衛星機器課の泉 将さんに話を聞きました。

三菱プレシジョン株式会社

フライトシミュレータと航法装置の設計・製造会社として1962年に発足。現在は航空機・鉄道・自動車などの各種シミュレーションシステム、人工衛星やロケット、防衛航空などに搭載する機器、各種駐車場機器やサービスを提供するパーキングシステムの3事業を中心に展開。安全・安心・快適な未来社会実現のため、社会インフラのアップデートに貢献する。

若手社員登場 メインビジュアル マンスリーみつびし
インタビュアー写真

東来 みな  MINA TORAI

2021年入社。資材部 シミュレーションシステム調達課
「5年目にしてまだ日々のタスクをこなすことに精一杯な自分もいます。一方で直属の後輩が増え、教えることの難しさを感じると同時に、後輩の成長する姿に刺激を受けて共に頑張ろうと励まし合える日々を送っています」

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泉 将  SHO IZUMI

2021年入社。宇宙機器部 宇宙衛星機器課
「難しい課題にも諦めずに取り組むことができる半面、設計上のミスなどを発見したときに、焦ってほかの不具合を見落としてしまうことも。常に視野を大きく持ち、落ち着いて対応することを心がけています」

調達の仕事は「最善の形」でものづくりを完遂すること

三菱プレシジョンの資材部で、シミュレーションシステムの購買・調達部門に所属する東来 みなさん。自動車シミュレーターの担当を経たあと、現在は鉄道乗務員の養成や車両の研究開発に使用する、鉄道シミュレーターの部品・役務調達(各地の保守会社への点検・保守・修繕の発注)を担っている。

東来さんがこの職種を志したきっかけは、大学のゼミで企業と共同でカフェ運営に取り組んだことだ。
「仕入れや在庫管理、売り上げの分析などを通じて購買・調達の仕事の面白さを知り、社会で働くイメージが湧きました。三菱プレシジョンに入社したのは、駐車場設備やシミュレーターなど、ニッチでありながら、私達の生活には欠かせないものづくりに魅力を感じたからです」(東来さん)。

鉄道シミュレーターにはゲーム機ほどの小型なものから、車両全体を再現した大規模なものまで、顧客の要望に応じてさまざまな製品がある。資材部では社内工程部門の依頼をもとに、発注先の選定や価格交渉を行い、調達した購入品を製品外注先に支給する。

「国内だけでなく、海外向け製品の調達にも携わっていますが、難しいと感じるのは、客先から使用部品を限定されるケースや、気候など環境に耐える仕様への配慮が必要なときです。材料費や人件費の高騰が続く昨今、さらなるコストアップの要因にもなります。関係部署の意見を聞きながら取引先と交渉し、クオリティの高いものを、いかに適正な価格と時期に調達できるかが課題ですね」(東来さん)。

調達品の納期調整や品質確保はもちろん、各部署と協力して工程の安定的な運営を支えたり、外注先と社内との間に立って調整を行ったりすることも部門の役割だ。ただ自社の設計側の希望を押し通すのではなく、作り手の意見を社内に還元し、いい協力関係を築くことで「常に双方にとってWin-Winであることを目指しています」と強調する。

各部署とのコミュニケーションを大切にし、工程上の問題をひとつずつ解決して、最後に最も重要な安全性の検査をクリアすること。それを達成したときのやり甲斐が、東来さんにとって次の工事へのモチベーションだ。

新たな宇宙機器の設計開発に一からチャレンジ

大学では電気電子工学を学んだ泉 将さん。就活では自動車や電器メーカーといった暮らしに身近な業界を視野に入れるなか、三菱プレシジョンのパーキングシステムに興味を持ったことをきっかけに入社を決めたという。

「でも入社してみると、自分が学んだ分野が最も生かせるのが宇宙機器事業だと分かり、そちらに進みたいと希望を出しました。それまで宇宙は自分にとって『すごい世界』だったので、配属が決まったときはうれしかったです」と振り返る。

泉さんが担当しているのは、人工衛星の姿勢を変化させる「リアクションホイール」という装置の電気設計(電子回路設計・基板設計など)だ。入社して3年目までは、宇宙ベンチャー企業の6U衛星(10×20×30㎝の超小型人工衛星)に搭載する小型リアクションホイールの開発。
3年目以降は、ベンチャー企業向けの高速で人工衛星の姿勢を変えられる小型姿勢制御装置などの開発に取り組んできた。

開発費や打ち上げコストが安く抑えられる小型人工衛星は、近年注目されている技術。大学の研究や、宇宙空間でのさまざまな技術検証などに活用される。泉さん達が開発するのは、こうした宇宙利用の裾野を広げることに寄与する製品だ。

「これまで担当してきたのはすべて新製品で、一から仕様を決めて細かな回路設計や基板設計を行い、徐々に形にしていきます。その過程で多くの検討事項があり、新たに理論から学ぶ領域もあります。小型化のためにまったく新しい部品を試したり、製作した基板がどうしても動かず、異なる回路を何パターンも試したりするなど、大変なことも多いですね」(泉さん)。

技術的な壁を乗り越えるときは、師匠と仰ぐ上司の「定性的にではなく定量的にものを考えなさい」という教えを胸に、「考えられるだけの方法を粘り強く試していく」という泉さん。努力が実って、最初に手がけた製品が形になり、設計通りの機能が出せたときの感動は今も忘れられない。

「開発を通して技術に関する知見を蓄えることができ、自分の技術力が向上していると実感できることが、日々の挑戦へのモチベーションです」と笑顔を見せた。

社内サークル活動で思い切りリフレッシュ!

東来さんの普段のオフは、どちらかといえばインドア派。動画配信サイトで映画やドラマ、アニメを観賞するのが大好きだ。「さらにこの夏にはブロックの『LEGO』にもハマってしまい、桜の花が作れるキットなどを黙々と組み立てて楽しんでいました」(東来さん)。

仲良しの同期と毎年夏らしい遊びを楽しむという東来さんは、今年は琵琶湖でSUPに初挑戦したという。「海ほど波が無いので前半は誰も落ちなかったのですが、途中からはボードの上で落とし合いが繰り広げられました……(笑)」(東来さん)。

一方で、三菱プレシジョンには運動好きの社員が多く、スポーツイベントやサークル活動が盛ん。「その影響で、入社後は学生時代より俄然アクティブになったと思います」と東来さんは言う。学生時代にもプレーしていたバトミントンのサークルの活動に参加して汗を流すほか、最近は設計担当の社員に誘われてゴルフにも挑戦し始めた。

「休日の朝にクルマで拾ってもらって、打ちっぱなしに通っています。今年の冬頃には、実際にコースに出ることを目標にしています」と張り切っている。

泉さんも、社内でスポーツを満喫する一人。常に正確さや緻密さが求められる設計業務に携わっていると、オフに身体を動かすことが何よりの気分転換になるようだ。

泉さんが小豆島に旅行した時の写真。「真剣な顔で写っていますが、実はとてもテンションが上がっていて、旅行中ずっと楽しかったです。島に行くことが大好きなので、来年の夏もどこかの島に行きたいと思っています」(泉さん)

「陸上部出身でもともと運動は好きですが、入社して社内サークルでバレーボールを始めたら面白くて、週一回の活動を続けています。また、会社のウィンターキャンプで初挑戦したスノーボードにもハマってしまいました。スキーの経験もなかったため、難しくて何度も転びましたが、上級者の同期に毎シーズンのように連れて行ってもらううちに、だんだん楽しくなっていきました」(泉さん)。

スノーボードを始めて5シーズン目の今年は、いよいよ自分のボードを購入。さらなる上達を目指し、風を切ってゲレンデを滑り降りる日を心待ちにしている。

よりよい価値を提供するためにさらなる進化を目指す

入社5年目の二人に、今後の目標を聞いてみた。

「事務系職種の存在意義は、設計や技術部門を支えることだと思います。なかなか自分の仕事に満足できず『もっとこうしていたらスムーズだったかも』と反省することも多いのですが、最近は『東来さんなら大丈夫』『必ず間に合わせてくれる』という社内の信頼を感じるようになりました。今後もそれをいいプレッシャーにして、調達の立場で会社の価値提供に貢献していきたいです」(東来さん)。

「今後は回路や基板だけでなく、ソフトウェアやFPGA(製造後でも回路構成を書き換えられる集積回路)の設計にも挑戦し、技術者として成長するのが目標。最初に設計した製品を載せた小型人工衛星が来月頃に打ち上げ予定で、今はとてもドキドキしていますが、今後も自分が携わった製品が宇宙で活躍できるよう、知見を広げ、スキルアップしていきたいですね」(泉さん)。

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