下地島エアポートマネジメントは宮古島から伊良部大橋でつながった下地島の空港内にある。空港の正式名は「みやこ下地島空港ターミナル」。同社はその空港ターミナルの運営に携わっている。国内線は東京(羽田)、神戸、那覇、福岡(夏期限定)のスカイマーク便、国際線はソウル(仁川)、釜山、台北(桃園)、台中を結ぶ路線が就航する空港(2026年4月時点)で、富裕層向けビジネスジェットの専用ターミナルもある。
下地島エアポートマネジメントは三菱地所のグループ企業の1つ。三菱地所は高松空港、富士山静岡空港、新千歳空港を含む北海道内7空港と、国内10空港の運営に携わっている。
みやこ下地島空港ターミナルは民間運営のため、ターミナル内は従来の空港のイメージとは異なり、まるでリゾートホテルに訪れたような雰囲気。水上ラウンジもあり飲食も可能で、飛行機に乗るまで、ゆったりとした空間で過ごすことができる、利用客は年々増加しており、宮古空港に次いで、第2の宮古島の玄関口となっている。
三菱地所では、みやこ下地島空港ターミナルだけでなく、「ヒルトン沖縄宮古島リゾート」や日本初上陸の「ローズウッド 宮古島」などリゾートホテル開発も手掛けており、空港運営と両輪で、宮古島だけでなく、沖縄全体の観光産業や地域経済の活性化に貢献している。宮古島は都会のように時間に縛られず、南国特有の雰囲気を味わいながら、リラックスできる場所。そんなリゾート地で働く下地島エアポートマネジメントの皆さんを、これから紹介しよう。
保安検査を抜けた後の搭乗待機エリアにある水上ラウンジ
木材を活かした南国風のターミナル
空港内にあるカフェ&バー「Coral Port LOUNGE Cafe&Bar」。フライト直前までゆっくりと過ごせる
エアラインとお客さまの安心・安全を
最も大事にしています
施設運営部の松原 菜摘さんは、空港内店舗の運営業務に携わっている。インバウンドも多く、最近は韓国、台湾などのお客様が増えている。
「コンセプトに見合ったお店づくりとともに、バイヤーのように商品選定や商品開発も行い、宮古島らしい、オリジナリティのある商品展開を心がけています。商品がきれいに見えるようにお店のスタッフとディスプレイを変更して、それによって売上がどう変化するのかなど、考える日々を送っています」
働きやすい環境を実現するスタッフ管理も仕事のひとつ。シフトの作成から面談まで行い、スタッフの悩みを解消するよう努めている。そんななか、日常の仕事で気をつけていることは何か。
「やはりスタッフ管理ですね。小さなお店ですが、スタッフは10人以上と多いので、全員の悩みを聞きつつ、小さい要望でもないがしろにしない。できるだけ全員の声に優先して応えようとしています」
事務所と店舗を行ったり来たりで忙しい日々だが、仕事のやり甲斐を感じるのはどんなときか。
「自分が仕入れた商品が売れたときや、皆でディスプレイを変更して、売上がアップしたときは商売人としてうれしいですね。お客様からお店がオシャレだと言われたときもやり甲斐を感じます」
新城 卓さんは施設運営部で、プロパティマネジメント業務を担っている。航空会社、物販、飲食、レンタカーなどテナントとの調整から、施設の維持管理・修繕計画の立案、利用者のサービス向上、売上管理や契約手続き、空港としての安全・快適性を保つための日常管理まで担当し、仕事の幅は広い。
「仕事の中でも、とくにエアラインとお客さまの安心・安全を最も大事にしています。離島であるがゆえに、いろんな物事が都会のようにスムーズに進まない場合もあります。しかし、お客さまが求めるサービスの水準は都市部と変わりません。そのため運航に支障が出ないよう、充分に対応できるよう努力しています」
維持・修理のための業者も少なく、部材が手に入らない場合もある。そのため、トラブルを未然に防ぐ予防保全を重視し先手の対応を心掛けている。また、ビジネスジェットターミナルの運営にも携わっており、新城さんの仕事の責務は重い。
「お客さまの安全・安心を最優先しているため、日頃から何もなくスムーズに物事が進んでいるときが一番ですね。地元出身ということもあり、空の玄関口を支えているというやり甲斐を感じます。利用者数も増加傾向にあり、多くの皆さんに宮古島の魅力を知ってもらえれば、とてもうれしく思います」
韓国と日本の架け橋になって、
離島の国際空港の受け入れモデルを構築していきたい
施設運営部の李 ジョンウォンさんは、空港ターミナル運営を中心に、テナント対応を担当するとともに、直営飲食店舗の予算と実績管理を行っている。
来日して7年目。転職を考えているときに宮古島を結ぶ韓国便が始まるというニュースを聞いて、「自分ができることがあるかもしれない」と入社した。
「韓国で宮古島のことは、まだあまり知られていませんが、日本と韓国の架け橋となって、自分のためにも、島のためにも、韓国のためにも仕事ができると思って入社しました」
日本語は堪能。前職は日本のホテルで施設管理に携わっており、国際的な仕事に関心があった。宮古島に対する韓国の人の印象は「日本っぽくない日本」。韓国では東京や大阪など大きな都会だけでなく、地方都市でローカルに触れ合いたいというニーズが高まっており、宮古島の人気も上昇しつつある。空港利用者のうち2割がインバウンドだが、その7割が韓国からの観光客だ。4月からは釜山便が新規就航し、既存のソウル(仁川)便も運航頻度が週5から週7へ増えた。
李さんは、立ち上げから間もない離島の国際ターミナルであるため、外航機の受け入れ経験が限られており、ほとんどの業務が担当者にとって初めての取り組みになっていると話す。そのため、参照できる相手が限られ、マニュアルよりも現場で知恵を出し合って、対応する場面が多いという。
「業務の過程では混乱することもありますが、課題を乗り越えたときは確かな達成感がありますね。私はこれからも韓国と日本の架け橋になるとともに、離島の国際空港の受け入れモデルを構築していきたいと思っています」
総務企画部の上地 由紀子さんは、社員の皆が安心して働ける環境を整える庶務業務を担当している。上地さんは「目立つ仕事ではありませんが、会社全体がスムーズに動くよう縁の下の力持ちとして取り組んでいます」と語る。備品管理や社内手続きのサポート、各部署からの問い合わせ対応など、仕事の幅は広く、毎日が勉強だと言う。
「だからこそ、社内で困ったことはないか。周囲の会話をなるべく聞くようにしています。もし社用車を使うなら、ガソリンが十分あるかどうか。細かいところにアンテナを張って、必要なものを確認するよう努めています」
離島であるため、ネット注文しても1週間以上はかかるらしい。気候次第では船が止まり、物資の供給も止まってしまうため、事前の管理が必須となる。
上地さんは日頃から、何事も気が付くタイプ。社員が働きやすい環境を整えることに熱心であることは、話を聞いていても感じられる。
「皆さんの仕事がスムーズに進むようになるのが一番うれしいですね。何もなく平凡に1日が終わったときこそ、自分では密かに自己満足しています(笑)」
航空営業部の下田 拓海さんは、下地島空港への新規路線誘致や既存路線維持に関わる航空会社への営業活動、既存路線のプロモーション活動を担当している。
三菱地所から出向してきているが、従前は不動産ファンド系のビジネスや社内ベンチャーで会社経営も行っていた。2025年2月の社内ベンチャーの事業譲渡を機に「宮古島に行きたい」と希望し、下地島エアポートマネジメントへ赴任した。
「東京とまったく違う環境で働きたいと思ったこと、そして三菱地所がゼロから立ち上げた空港ターミナルであり、業務の自由度が高いと考えたのです。社内ベンチャーではゼロイチの業務だったため、下地島空港での1から10へ事業を伸ばしていく業務という違いにも魅力を感じました」
2025年度は、韓国ソウルでの旅行博に参加し宮古島のPRを行い、国内でもスカイマーク路線のプロモーション活動のサポートを行った。また、直近では台湾スターラックス航空の台中線や、韓国ジンエアーの釜山線の新規就航に係る歓迎イベントの実施にも携わった。
「宮古島に来て、仕事の考え方も違うし、時間の流れも異なっていると感じました。また、これまで空港事業の業務経験はなかったので、専門用語から学ぶことになりましたね」
国内・海外からの来島者を増やし、宮古島の人や街を活性化できるような仕事を続けていきたいと話す。
「お客さまと会う機会が増えたので、直接的な交流を通して『来てよかった』との声をいただいたり、新規就航で初便到着時のお客さまの笑顔を見たり楽しそうな様子を見るとやり甲斐を感じます。自分は2025年4月に赴任したばかりで、専門的なことはまだまだ勉強中です。日々いろんなことを吸収しながら業界に携わっていきたいと思っています」。
松原 菜摘
NATSUMI MATSUBARA
施設運営部 主任
新城 卓
TAKU SHINJO
施設運営部 課長補佐
李 ジョンウォン
JONGWON LEE
施設運営部 主任
上地 由紀子
YUKIKO UECHI
総務企画部
下田 拓海
TAKUMI SHIMODA
航空営業部 主任