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2023.12.14

三菱地所

TOKYO RYUTSU CENTER

最小144坪の倉庫を都心エリアに!東京流通センターによる20万㎡超の大型物流施設「新A棟」完成

1967年から50年以上にわたって東京・平和島で物流施設を運営・管理している東京流通センターは、大田区平和島の一角に東京ドーム3個分以上の4万6,000坪(約15万㎡)という広大な敷地を有し、街機能を持たせた物流施設を総合的にプロデュースしてきた。この10年以上は、敷地内施設の再開発を進めており、その第1弾として『物流ビルB棟』が2017年に竣工。続いて第2弾として『物流ビルA棟』が2023年8月に竣工した。先端の物流施設を誇るA棟の特徴について、開発プロジェクトに取り組んだ東京流通センター A棟再開発室の依田 渉さん、石田 穣二さん、小澤 理絵さんに聞いた。

コンビニもコインシャワーも完備、従業員にとって快適な環境を

今回完成した物流ビルA棟は、屋上駐車場を含む地上7階建てで、倉庫だけではなく、オフィスやショールーム、流通加工場、メンテナンスセンターなど幅広い用途や事業規模に対応している点が大きなポイントとなっている。

「貸し付けの面積帯は、かなり小さな区画(約144坪)から大きな区画(約7,800坪)までバリエーション豊富に取り揃えました。これは、B棟のリーシングを進めるなかで、少量保管やスタートアップなどに小さな区画のニーズが根強くあるということを捉えご対応したもので、お客様にも高くご評価いただいています。また、大田市場が近いという立地特性もあり、給排水を使いたいというお声も多く、A棟では大半の貸し付け区画で水回りもお客様のご希望が実現しやすいように工夫しています。その他、面積に応じて豊富な電源容量、給排気対応を備え、倉庫としてだけでなく、オフィス、ショールーム、メンテナンス拠点といった複合的なニーズにご対応できるようにしました」(依田さん)

さらに、構内の各建物に電源を供給する特別高圧設備を備え、構内全体の最適化も含めてプランニングを行ったという。屋上には『スカイテラス』と名付けた憩いの場を設けたほか、コンビニ、コインシャワーを完備し、ドライバーや従業員にとって働きやすく快適な就労環境を整えた。郊外型の物流施設では昼食をとるのも近くにコンビニや飲食店がない場合があるが、隣接するB棟には直営しているレストランがあり、昼食だけでなく夜の会食にも利用できる。東京流通センターは敷地全体が「街」となっているので、銀行や医療機関などにも困らない。

日々お客様の声を捉えてスピーディーに対応できることが強み

防災センター

電気自動車充電スタンド

さらに、免震構造による地震対策、非常用発電機による停電対策や津波・大雨・台風対策が整っており、非常時の事業継続性も重視。壁面緑化や電気自動車充電スタンドを備え、環境面にも配慮した持続可能な物流拠点となっている。

24時間365日、警備員および設備管理員が常駐しており、万が一のトラブルの際にはすぐに駆けつけられる体制を整えている点も、入居者からは「安心できる」と好評だ。

「当社のセールスポイントのひとつに、施設のオーナーであり運営・管理をする我々が、お客様が入居されている建物と同じ敷地内に常駐しているという点があります。日々、お客様の相談ごとのご対応などを基本業務とするなかでお客様の声をタイムリーに捉え、スピーディーに対応。この点も、お客様からかなり高くご評価いただいていると自負しています」(依田さん)

「当社は、不足や不満、不安などお客様の『不』をできる限り減らし、できることを増やしていきたいという思いで日々管理しています。不安を取り除くために免震化や基準を上回る耐風設計、不足の解消のために給排水を整備し、冷蔵・冷凍庫を利用するお客様にもご対応できるよう電力を供給。そういったことを一つ一つ積み上げて完成したのがA棟です。まさにオーナー常駐管理の賜物だと思っています」(石田さん)

「難しい」と言われた要望にもできる限り応えたい

立地は一大商圏である都心に隣接。東京モノレール『流通センター駅』から徒歩1分、首都高速1号羽田線『平和島』出入口から1km、首都高速湾岸線『大井南』出入口からは3km、環状7号線も至近だ。大井ふ頭にも近く、羽田空港からは車で約10分。陸・海・空、3方向をカバーでき、効率的な配送ルートの構築や、複数回の配送など、ビジネスの拡大のチャンスとなる。通勤のしやすさから雇用優位性も高い。

「郊外の場合は物件を見に行くにも時間がかかりますが、当社の場合は東京駅や品川駅からもアクセスがよく、三菱グループ各社さんもお問い合わせいただければすぐに内覧していただくことができます。ぜひお問い合わせのうえ、現地をご確認ください」(小澤さん)

小澤さんは、このプロジェクトの中心部署「A棟再開発室」の設立当時から在籍する唯一のメンバーである。小澤さんの提案で、A棟にはオールジェンダートイレを導入した。当初は「本当に必要なのか」と社内で議論になったが、「男性の個室トイレが少なく使いたいとき使えない」というお客様の声にも着目し、小澤さん自らトイレメーカー各社にヒアリング。誰でも使いやすいトイレとして設けたという。こうした細やかな配慮もA棟ならでは。

「ほかの物流倉庫だと『その条件は難しい』と断られてしまい、最終的に当社にたどり着いたというお客様も多い。どうしたらお客様がご納得いく形でご入居できるか、内製で抱えている技術系スタッフも含めて対話を積み重ねており、お客様には長くご愛顧いただいています。そこは当社の誇れるところとなっています。物流施設についてお困りごとがあれば、諦めずにまずはご相談いただけたらと思っています」(依田さん)

近年、国内外のデベロッパーやゼネコンも進出し、郊外での物流施設開発は加速しているという。そのなかにあって、これまでの50年で培ったノウハウを最大限活かしながら、次の50年を見据えて生まれ変わった物流ビルA棟。ただ倉庫を貸してそのまま、ではなく、今後も新しく生まれるニーズに応え、理想の倉庫を目指して常に進化し続ける。

INTERVIEWEE

インタビュアー写真

依田 渉   WATARU YODA

東京流通センター A棟再開発室

インタビュアー写真

石田 穣二  JOJI ISHIDA

東京流通センター A棟再開発室

インタビュアー写真

小澤 理絵  RIE OZAWA

東京流通センター A棟再開発室

株式会社東京流通センター

東京都大田区平和島6-1-1 センタービル
1967年設立。集荷から保管、配送までをワンストップで行える物流施設や、ビジネスに必要な機能を完備したオフィスビル、主催者にも来場者にも利便性の高いイベントホール・展示場を建設し、運営・管理を行う。設立以来培ってきた運営・管理ノウハウを活かし、2017年には他社が保有する物流施設のプロパティマネジメント事業を開始し、多くの物件を受託。2020年には物流テックが集積するコワーキングショールーム『TRC LODGE』を敷地内に開設。

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