三菱HCキャピタルでは、社員参加型かつ継続的な活動として、地域の課題をはじめとするさまざまな社会的課題の解決に貢献できる社会貢献活動に取り組んでいる。そこで得られたものとは-。
三菱HCキャピタルは、社会貢献活動方針において、「環境」「人づくり」「福祉・健康」「安全・安心」「地域貢献」の5つを重点分野と定め、その重点分野に関連する社会的課題の解決に向けて継続的に社会貢献活動に取り組んでいる。活動するうえで重視している点について、同社コーポレートコミュニケーション部広報グループの羽賀 彩子さんは次のように話す。
「会社の方向性と一致していることを前提に、社員参加型の活動であることや、活動の継続性を重視しています」
国内の各拠点で実施する社会貢献活動のほかに、“当社ならでは”の活動の在り方について経営陣を含めて議論し、2018年頃より、会社全体として活動するプログラムを本格的に始動させた。
現在、同社では、「フェアトレード商品の社内販売会」、東京都八王子市の森林で実施している花粉の少ないスギなどへの植え替え、育林活動である「三菱HCキャピタルグループの森」、障がい者アーティストへの支援を行う「アートビリティ」への協賛活動など、毎年5~6件のテーマで活動している。また、社員が社会的課題や活動の意義を理解したうえで実際の活動に参加できるよう、各活動の前には、「LTA(Learn Think Action)セミナー」と題して、外部講師を招いた講座も実施している。
なかでも参加者が多いのが、「FITチャリティ・ラン」。毎年12月頃に金融業界の企業が行っているチャリティイベントで、イベントの参加費や協賛費を慈善団体に寄付する活動だ。同社は本イベントに協賛するとともに、毎回多数の社員が参加している。2025年は神宮外苑周辺で行われ、全体で4,500人以上、同社グループからは役職員168名とその家族が参加した。
同じく広報グループの井口 優里穂さんは、社員が活動に参加しやすい工夫について次のように話す。
「多くの社員に積極的に参加してほしいという思いから、費用を会社負担にするなど参加のハードルを低くしています。また、社員の働く環境や課題意識、家庭環境を踏まえて参加するプログラムを選択できるよう、さまざまな社会貢献活動を設計しており、社内で実施する気軽に参加できるものから宿泊を伴うものまで、バリエーションをもった活動を展開しています」
代表的な活動の「雪かきボランティア」で
「地域課題を知り、事業でも役立ちたい」という声も
同社の社会貢献活動のなかでも、代表的な活動となっているのが2018年度から始めた「雪かきボランティア」だ。これまで、山形県尾花沢市や大石田町、戸沢村で単身高齢者宅を中心とした民家等で雪かきの活動を行っており、2024年度末時点で、累計44軒の除雪を実施、延べ166名の役職員が参加している。
これらの地域は豪雪地帯対策特別措置法で指定されている「特別豪雪地帯」だ。しかし、近年では人口減少や高齢化の進行により「雪かきの担い手不足」が深刻化しており、冬期の豪雪地帯を取り巻く環境は厳しい状況となっている。同社では、高齢者世帯が多い地域における持続可能な除雪体制の一翼を担うとともに、実際に体験することで社会的課題を深く理解すること、地域の方々との交流を通じて社員の社会貢献活動マインドの醸成を図ることを目的に、2018年度に尾花沢市で活動を開始した。
2024年度からは、活動回数や対象地域を拡大。尾花沢市のほか、隣接する大石田町と戸沢村においても活動を実施し、2025年度には、朝日町、飯豊町を活動予定地に加えた。また、尾花沢市では地元中学生との共同作業や交流会など新たな試みも計画。実際には、山形県での雪かきボランティアは中止となったものの、記録的な積雪となった新潟県長岡市で活動を実施した。広報グループの平林 万里奈さんはこう語る。
「地域の方が雪でなぜ困っているのか。どのくらいの作業量なのか。私達も当初は十分に認識していませんでした。改めて豪雪地帯の現状と課題を知ることから始め、今まで活動を継続してきました。今後は活動エリアをもっと拡大していきたいと考えています」
こうした社会貢献活動は社員の気づきにもつながっている。「実際に足を運び、体験してみて地域の課題がよく分かった」「地域の少子高齢化の現状もよく分かったので、事業としても何か役に立ちたい」「雪かきの達成感や地域の方々との心温まる交流もあり、また来年も行きたい」など多くの参加者が意義を感じ、学びを得ている。参加した社員らは地域の課題を自分ごとのように感じられるようになり、あわせて社内交流も深めることができているという。
社外からも、同社の取り組みは高く評価されており、2023年度「日本雪工学会賞」において、企業の社会貢献活動としての「雪かきボランティア」の継続的な実施が雪工学の進歩発展に貢献したと評価され、「技術賞」を受賞。東京ボランティア・市民活動センターが主催する第9回「企業ボランティア・アワード」においては、「コミュニティ貢献奨励賞」を受賞した。
同社では今後も社員に対し社会貢献活動に参加する機会を提供していくことで、日々の業務や日常での意識・行動の変化を促すとともに、社会的課題の解決、ひいては、持続可能で豊かな未来の実現に貢献していく方針だ。羽賀さんもこんなメッセージを送る。
「今後は年間を通じて地域に貢献できるプログラムも実施していきたいと考えています。ただ、まだ社会貢献活動を身近に感じられていない社員もいるなかで、どんなアプローチが可能なのか。あるいは、当社だからこそできる社会貢献活動は何なのかを考えていきたいです。これからも当社らしい社会貢献活動をつくり上げていきたい。もし、雪かきボランティアをはじめとする当社の社会貢献活動に興味がある企業があれば、ぜひ当社にお声掛けいただければと思っています」
INTERVIEWEES
羽賀 彩子 AYAKO HAGA
経営企画本部
コーポレートコミュニケーション部
広報グループ
井口 優里穂 YURIHO IGUCHI
経営企画本部
コーポレートコミュニケーション部
広報グループ
平林 万里奈 MARINA HIRABAYASHI
経営企画本部
コーポレートコミュニケーション部
広報グループ
三菱HCキャピタル株式会社
2021年4月に三菱UFJリースと日立キャピタルの経営統合によって誕生。“未踏の未来へ、ともに挑むイノベーター”を「10年後のありたい姿」に掲げ、その実現に向けて、祖業のリースはもとより、有形無形のアセットの潜在価値を最大限に活用したサービスや事業経営などに取り組んでいます。