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2026.03.19

三菱オートリース

MITSUBISHI AUTO LEASING CORPORATION

三菱オートリース、代車レンタカー事業を内製化「MALレンタカー」設立

三菱オートリース株式会社は2026年1月、100%出資の子会社として「MALレンタカー株式会社(マルレンタカー、以下MALレンタカー)」を設立し、事業を開始した。新会社の代表取締役社長に就任した神谷 知宏氏と、親会社である三菱オートリース 常務執行役員で車両本部長を務める大下 佳紀氏に、設立の狙いと今後の展望を聞いた。

整備業界の長年の課題「持ち出しの代車」を改革

現在、国内には約9万の整備工場が存在し、その多くが10台前後の代車を保有している。単純計算でも、全国には約90万台の代車があることになり、これが「MALレンタカー」の主なターゲット市場だ。車検や修理の際に整備事業者が貸し出す「代車」の領域である。

整備事業者が自社所有の白ナンバー車を代車として有償で貸し出すことは、法律上認められていない。近年は損害保険業界でもコンプライアンスがいっそう厳格化し、代車費用が支払われるためには「正規のレンタカー」であることが前提条件となっている。その結果、整備業界では長年にわたり、代車を「無償で貸す」慣行が続いてきた。しかし、その維持コストはすべて整備事業者の負担となっている。神谷氏は次のように語る。

「事業パートナーである整備工場様とのリレーション強化を進めるなかで、整備工場様が一方的に代車コストを負担し続けるという構造的な課題を解決したいという思いがありました。MALレンタカーの事業の最大の特徴は、整備事業者様が所有する車両を三菱オートリースが買い取り、それをMALレンタカーがリース契約して『わナンバー(レンタカー)』化し、有償での貸し出しを可能にする点です。整備工場様が適正な料金を受け取れる仕組みを構築し、経営の安定化を支援することが、我々の役割です」(神谷氏)

前述の通り、全国には約90万台の潜在的な対象車両がある一方、現在MALレンタカーが手がける車両は約4,000台。

「まだまだ成長の余地は大きいと考えています。まずは整備事業者様向けの代車ビジネスを着実に拡大し、将来的には損保会社様との連携や、BtoCへの展開といった『フェーズ2』のビジネスにも挑戦していきたいですね」(神谷氏)

内製化によって、収益だけでなく利便性と企業価値を高める

実はこの代車レンタカーのスキームは、旧日立キャピタルオートリース時代の2007年から、外部パートナーとの連携によって運営されてきた。MALレンタカーの設立により、この機能を三菱オートリースグループ内に完全に取り込むことになる。今回の内製化には、収益向上以外にも複数の狙いがあるという。

「整備事業者様に向けては、システムを全面刷新し、リースとレンタカーのデータ連携を強化することで、さらなる利便性向上を目指します。また三菱オートリースとしては、長期契約が中心のリース事業と、短期利用が可能なレンタカー事業を組み合わせることで、お客さまの多様なニーズに全方位で対応できる体制を構築し、提供価値を広げていきたいと考えています」(神谷氏)

また、大下氏は「入口(調達)」と「出口(売却)」の機能強化を内製化のメリットとして挙げる。

「車両調達においては、従来はリース契約が決まってから個別に車両を発注するのが一般的でした。しかしレンタカー機能を持つことで、例えばお客さまが1台しかリースしない場合でも、レンタカー用も含めて100台単位でまとめて発注するといったことが可能になります。これにより、調達価格の低減や納期の安定化が期待できます。出口戦略についても大きな変化があります。これまで当社には中古車販売機能がなかったため、リース満了車両はオークションで売却してきました。現在は中古車市場が高騰しており収益を確保しやすい状況ですが、2019年ごろには1台あたり10〜20万円の損失が出るケースもありました。レンタカー機能があれば、満了車両を1〜2年レンタカーとして活用したのちに売却することで、利益を確保できる可能性が高まり、グループ全体の収益性向上につながると考えています」(大下氏)

さらに、次世代の経営人材を育成するという側面もある。

「新たに子会社を設立することで、経営人材を育てるフィールドが生まれました。レンタカー事業を起点に、将来的には中古車販売など、さらなる機能拡張のアイデアも生まれてくるでしょう。社員に夢ややり甲斐を感じてもらえる会社にしていきたいですね」(大下氏)

「生まれも育ちも茨城県日立市」という日立キャピタルオートリース出身の神谷氏と、「人事経験12年」という三菱オートクレジット・リース出身の大下氏。異なるバックグラウンドを持つ二人がタッグを組んで運営するMALレンタカーは、三菱オートリースが掲げる「モビリティに関わる総合ソリューション」の一翼を担い、グループに新たな価値を創出していく。

INTERVIEWEES

インタビュアー写真

大下 佳紀  YOSHINORI OSHITA

常務執行役員 車両本部長

インタビュアー写真

神谷 知宏  TOMOHIRO KAMIYA

MALレンタカー 代表取締役社長

三菱オートリース株式会社

東京都港区芝5-33-11 田町タワー
1972年設立。自動車にかかわる車両調達・税・保険・運行/安全管理・メンテ保守などの管理業務を広く受け持つ。また、時代の変化やお客さまのニーズの変化に合わせて、モビリティサービスを通じた最適なソリューション・付加価値を提供。お客さまに自動車に関する手間をアウトソースしていただき、最適な車両管理サービスを提供することで、人とモノの移動を支え、自動車産業の一部を担う。

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