各社のトピックス

2026.05.14

三菱UFJ信託銀行

Mitsubishi UFJ Trust and Banking Corporation

社内報アプリのポイントを使うだけ
三菱UFJ信託銀行が社会貢献活動の社内気運を醸成

社会貢献活動に賛成する人は多い。しかし、実際に行動に移すとなると、そこには小さくない壁がある。そのギャップを、企業はどのように埋めていけるのだろうか。

三菱UFJ信託銀行が社内で社会貢献活動の気運を高めようとしている。三菱UFJフィナンシャルグループ(以下、MUFG)では「世界が進むチカラになる。」というパーパスのもと、持続可能な環境・社会の実現に向け、サステナビリティ経営において優先的に取り組む課題を設定。金融サービスと事業を通じた社会課題の解決と持続可能な社会の実現に取り組んできた。一方で、金融ビジネスでは直接的に関与しにくい社会課題も少なくない。そうした領域には、業務純益の一部を活用して社会還元する枠組みを整え、寄付やボランティアによる社会貢献活動を実施してきた。

5つの優先領域と5つの想い・こだわり。

MUFGでは、「次世代育成・子ども支援」「環境保全」「文化の保全と伝承」「金融経済教育」「災害など・その他支援」という5つの優先領域を定めている。これらを軸に「わたしたちの地域の広がりや人とのつながりを活かした活動をしたい」「社会貢献活動への参画を通じ、社員の共感の輪を広げたい」といった5つの想い・こだわりを掲げ、グループ全体で施策を展開してきた。ではこうした枠組みのなかで、三菱UFJ信託銀行はどのような課題意識を持っていたのか。経営企画部サステナビリティ企画室上級調査役の飛田 佑子さんはこう振り返る。

「私達のような部署がサステナビリティ活動を主導する一方で、その取り組みが独りよがりになっていないか、社員一人ひとりの意見や考えをもっと反映できるのではないかという想いがありました。そこで事業外でのサステナビリティ活動の課題のひとつである実行ハードルの低減を図りながら、“手軽に”“自ら”“選択できる”をコンセプトに、社員への浸透を目的とした独自の取り組みを始めたのです」

社内報アプリのポイントを使って
1ポイントを30円相当として会社が寄付

三菱UFJ信託銀行では2023年に「会社と社員をつなぐ」をコンセプトに、社内報アプリ「Kakehashi」をリリースした。社員が私用携帯にダウンロードすることで、社内NEWSや福利厚生、キャリア開発・研修、社員向け特典などの情報をいつでも手軽に受け取ることができる。

現在のダウンロード数は約6,000件。このアプリへのアクセス促進を目的に、「今日の運試しチャレンジ」のルーレットでポイントが貯まる「MUTBポイント」を創設、貯まったポイントは、社員が社会課題解決に取り組むNPO法人などへの寄付に使うことができる。

「NPO団体はさまざまな分野で活動しているため、事務局が5つの優先領域に基づき複数団体を選定し、社員がそのなかから希望する団体を選びポイントを行使できる仕組みにしました。1ポイントは30円相当として会社が寄付を行い、2023年度より延べ1,000名の社員が参加する社会貢献活動となりました」(飛田さん)

2023、2024年度の支援先。

これまでに日本点字図書館、困窮子育て家庭を支援するキッズドア、日本赤十字社など6団体に寄付し、2023~2024年度の支援額は約2,000万円に達している。

3回目の取り組みとなる2025年度は共感の輪をさらに広げるべく、SNSを通じた社外への支援呼びかけと、支援先の変更を行った。新たに2025年4月より開設したMUTBのInstagram「&サステナ!!」では、本取り組みに対する反応を広く募り、「いいね」の数に応じて寄付が行われる仕組みを導入。1いいね100円(上限:50万円/団体)としたところ、想定を上回る約9,000件の「いいね」が寄せられたという。

MUTBのInstagram「&サステナ!!」。

2025年度の支援先は、非営利スタートアップ支援プログラム「SoilxMUFG(ソイルエックスエムユーエフジー)」の2024年度採択先である「次世代・子ども支援」領域の5団体に加え、前年度の寄付先のうち支援額上位である日本赤十字社、養護施設などからの巣立ち支援を行うブリッジフォースマイルを含む計7団体とした。

MUFGと活動をともにするSoilは、非営利スタートアップに対し創業期の資金を助成する公益財団法人である。支援先はいずれも、「儲からないけど意義がある」取り組みに挑む創業間もない団体。活動の背景や課題が見えやすく、社員が支援の必要性を臨場感を持って感じられることから寄付への動機づけにつながると期待している。

社会貢献活動に賛成する人は多いが、
参加にハードルを感じる人もいる

三菱UFJ信託銀行では、社会貢献活動への気運を高めるため、実際に本施策に参加した社員へのインタビューを実施している。その結果、活動を重ねるなかで、各部署内に少しずつ変化の兆しが見え始めていると飛田さんは感じている。実際に社員達はこの取り組みをどのように受け止めているのだろうか。総務部秘書室課長の鈴木 貴之さんはこう言う。

「参画したのは社内報アプリがきっかけです。これまで社会貢献活動はあまり意識して目を向けたことがなく、寄付におよぶこともなかったのですが、社内の活動を通じて寄付すれば興味も沸いてきます。微力ながら貢献できればと考えています」

同じく年金信託部制度管理室制度管理第2課の中山 裕美子さんも語る。

「実はこれまで社会貢献活動を身近に感じていませんでしたが、本活動を通じて寄付したいという思いを抱くようになりました。私一人ではなかなか実行できなかったので、あと押ししてくれた事務局には感謝しています」

リテールコンプライアンス部管理G調査役の山本 和矢さんも言う。

「上司から社内報アプリをすすめられ、先輩と競いながらポイントを集め始めたのがきっかけです。私自身も学生時代、当社が関与する財団から奨学金を受けていました。見返りを求めるわけではありませんが、今やっている活動が縁となって、将来誰かとつながるかもしれないと今も日々ポイント活動を行っていますね」

社員にとって、社会貢献活動に関心はあっても、忙しい日常のなかで時間を確保したり、何をきっかけに行動すればよいのか分からなかったりと、最初の一歩にハードルを感じることも少なくない。だからこそ、と飛田さんは語る。

「ポイントを寄付に換える仕組みそのものよりも、社員一人一人が社会と関わろうとする“入口”をつくることが大切だと考えています。社会貢献に共感していても、具体的な行動につながらないまま終わってしまう。その間にある距離を、少しだけ近づけたい。この取り組みを通じて、社会課題が“どこか遠いもの”ではなく、日々の仕事や生活の延長線上にあるものとして感じてもらえたらうれしいですね。そうした小さな関わりの積み重ねこそが、私たちが目指している姿です」

INTERVIEWEES

インタビュアー写真

飛田 佑子  YUKO TOBITA

経営企画部
サステナビリティ企画室
上級調査役
※所属部署は取材時(2026年3月)の部署です。

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鈴木 貴之  TAKAYUKI SUZUKI

総務部 秘書室 課長

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中山 裕美子  YUMIKO NAKAYAMA

年金信託部制度管理室
制度管理第2課

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山本 和矢  KAZUYA YAMAMOTO

リテールコンプライアンス部管理G
調査役

三菱UFJ信託銀行

東京都千代田区丸の内1-4-5
三菱UFJフィナンシャル・グループの中核を担う信託銀行として、銀行業務に加えて資産運用・管理、不動産、証券代行、相続関連業務など、幅広く業務を展開している。コーポレートメッセージ「人をつなぐ。未来をつなぐ。」を掲げ、時代を先取りする「先進性」と高度な「専門性」をさらに磨き、1つでも多くの社会問題を解決し、お客さまと社会の想いを未来につないでいく。

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