
気候変動のリスクにどう向き合うかー「事実」が揺らぐ時代に、私たちは何を信じ、どう行動すべきか。
気候変動・脱炭素・自然再生の最前線で活躍する専門家が、豊富な経験をもとにわかりやすく語ります。
受賞者による記念講演会は、10月30日(木)に東京大学で、11月1日(土)には京都市国際交流会館で開催される。参加申し込みは旭硝子財団ウェブサイトで受付中。
2025年(第34回)の受賞者は下記の2名。
ロバート・B・ジャクソン 教授(米国)炭素循環の研究を通じた温室効果ガス削減の取り組み

スタンフォード大学 地球システム科学科 ロバート・B・ジャクソン 教授。
ロバート・B・ジャクソン 教授(米国)は、森林・草原・湿原などの陸域生態系の炭素循環の専門家で、土壌・植生・土壌細菌群集の関係に関する先駆的な研究を行ってきた。また、化石燃料の使用や自然の生態系から発生する二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素などの温室効果ガスの収支を定量化している。2017年からは、グローバルカーボンプロジェクト(GCP)の議長として温室効果ガス排出量の監視と削減を主導している。
ジェレミー・レゲット 博士(英国)金融・資本市場への気候変動リスクの取り組み

ハイランド・リワイルディング社創設者・CEO カーボン・トラッカー・イニシアティブ初代会長 ジェレミー・レゲット 博士。
ジェレミー・レゲット 博士(英国)は、Carbon Tracker Initiative (CTI) の初代会長として「カーボンバブル」の概念を提唱し、化石燃料資産の経済リスクを明らかにした。CTIの活動を通じて投資家や政策立案者に影響を与え、ダイベストメント(投資撤退)運動を促進した。また、経済活動と環境保全の両立を目指す実践的な活動として、英国を代表する太陽光発電企業を創業。最近ではスコットランドで自然回復と地域社会の繁栄を結びつける取り組みを推進している。

ブループラネット賞について
ブループラネット賞は、公益財団法人旭硝子財団が「環境と開発に関する国際連合会議(地球サミット)」が開催された1992年に創設。地球環境問題の解決に向け、理念の構築や科学的理解の深化、あるいは人文・社会科学を含む科学技術に根差した対策や実践活動に大きく貢献した個人/組織を、毎年原則2件表彰している。受賞者には、賞状、トロフィー、賞金50万米ドルが贈られる。
公益財団法人旭硝子財団は、1933年に旭硝子株式会社(現AGC株式会社)創立25周年を記念して設立された旭化学工業奨励会が発祥。1990年には助成分野の拡大と顕彰事業の新設を行うとともに、財団の名称を旭硝子財団に改めた。2018年には公益財団法人旭硝子奨学会の奨学事業を引き継ぎ、今の形となった。次の時代を拓くための研究への助成、次世代を担う人財への奨学助成、地球環境問題の解決に向け大きく貢献した個人・組織に対する顕彰、若い世代への啓発支援など、活動範囲を広げ、豊かさを享受できる社会づくりに貢献している。
旭硝子財団ウェブサイト
https://www.af-info.or.jp/