各社のトピックス

2025.10.30

三菱UFJアセットマネジメント

Mitsubishi UFJ Asset Management Co., Ltd.

「環境保全」「金融経済教育」がテーマ
三菱UFJアセットマネジメントが有志社員による社会貢献活動をスタート

湘南海岸砂防林整備。

三菱UFJアセットマネジメントが2024年度から「環境保全」「金融経済教育」をテーマに社会貢献活動を本格化させている。同活動によって、社員達は何を得たのだろうか。

三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の100%子会社である三菱UFJアセットマネジメントでは、独自の社会貢献活動をEMMIT(エミット=EMI〈笑み〉とCOMMIT〈献身〉を掛け合わせた造語)と名づけ、2024年度から活動を本格化させている。
EMMITは社内有志を公募で募り、応募者約10人で立ち上げた。正式な組織という扱いではなく、あくまでサークルのような位置づけとなっている。有志であるため、社会貢献活動への関心は高く、自ら率先して活動に取り組みたい社員らが集まっている。活動はおもに土日に行われ、企画会議などに関しては業務時間内に行うが、平日の活動についてはボランティア休暇をとって参加することになる。現在はチームを2つに分け、「環境保全」「金融経済教育」とテーマ別に活動を行っている。

社員が自主的に参加することが重要
ボトムアップによるサステナビリティ活動

これまでも同社ではサステナビリティ経営を打ち出し、社員一人一人の業務とサステナビリティを紐づけ、経営と一体となったサステナビリティの取り組みを行っていた。一方で、社員がさらに自律的にしっかりと活動に参加してもらうかたちをより重視した。いわば、ボトムアップで社内のサステナビリティ活動を盛り上げていくため、社員が自らの意思で参加できる組織体をつくる目的でEMMITがつくられた。資産運用会社で社員自ら主体的に社会貢献活動を行うケースは国内でも珍しいといえるだろう。

2024年度のおもな活動。

現在までにEMMITが行った社会貢献活動は、「環境保全」については、公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団が開催するみなと区民まつりへのブース出展、特定非営利活動法人 地球緑化センターが行う湘南海岸砂防林整備、BLUE BIRDが行う東京湾野鳥公園干潟保全などの活動事例がある。EMMITのメンバーのひとりである同社インデックス運用部債券グループシニアファンドマネジャーの奥田 秀星さんは次のように語る。

「私達は有志で集まったものの、こうした社会貢献活動のノウハウや知識がまったくないものですから、何か参考になるようなものをいろいろあたって、情報収集するところから始めました。各企業の社会貢献担当者が集まる港区のネットワークに参加し、情報交換をするなかで、合同でイベントを開始することから着手したのです」
同じくメンバーである同社サステナブル投資推進部シニアマネジャーの長利 幸依さんも述べる。
「EMMITは社内のいろいろな部署から参加しており、2024年5月にチームができて、半年後の10月に開催されたみなと区民まつりでやっと活動を始めることができました。それまではNGOやNPOなど各団体に連絡し、オンライン面談などを通して、何かお手伝いできることはありませんか? という問いかけから始めました。知識も経験もないけれど、やる気だけはある(笑)。そんな私達を受け入れてもらうところからスタートしたのです」

資産運用会社だからこそ
社会貢献に取り組む意義

他方、「金融経済教育」については、2025年2月から山口県山陽小野田市の中学校などで資産運用体験学習などを行っている。奥田さんは言う。
「とくに学校の金融経済教育は地域によってバラツキがあり、資産運用についても同じことが言えます。これからの時代、やはり金融リテラシーの向上は必要不可欠なものです。しかし、教える側に一定のハードルがあるのも確かです。そのあたりを私達がお手伝いできないか。そうしたところに私達の使命があると考えています」

第一線の金融関係者が地方に出向く機会が少ないなか、同社の授業は好評を博している。リスクとリターンをはじめ、子ども達の知識の吸収は早く、アプリを用いたゲームで楽しく学べることもあって、子ども達の反応もいいという。

同社は投資家として企業のサステナビリティを含めた企業活動をチェックする立場にある。だからこそ、資産運用会社が自ら主体的に取り組むことに意義があるといえるだろう。

同社でボトムアップ型の社会貢献活動の土台をつくったEMMIT。今年度からはEMMITメンバー以外の社員も活動に参加できるよう、案件ごとに公募を始めている。これまで活動に参加してきた意義について、長利さんは語る。
「普段の業務では、世界中の国や企業に対し、資産運用の観点から中長期的な経済成長や企業価値向上に資するサステナビリティに関する取り組みについて対話を実施し、対応を促しています。しかし、そんな私達が社会貢献・環境保全活動の現場に行くことはほぼありません。EMMITをきっかけに、自分達が実際の体験として社会貢献活動を行うことで、課題認識が明確になり、その重要性を理解できたと思っています。また、実際に活動に出向くと楽しいですし、環境保全に関する知識や意識もより高まると考えています」
奥田さんも最後にこう述べる。
「EMMITの名に込めているように、笑みあふれる社会に貢献すると同時に、社員自身も楽しみながらコミットできる体制にしていきたい。いろいろな方と知り合い、互いに学び合える機会が得られることも大きな魅力です。情報は自分から動かなければ、入ってきません。自分に何ができるか。もしくは、何かできることはないか。そう考えている方はぜひ公募に応募し、参加してほしいと思います」。

INTERVIEWEES

インタビュアー写真

奥田 秀星  SHUSEI OKUDA

インデックス運用部債券グループ
シニアファンドマネジャー

インタビュアー写真

長利 幸依  YUKIE OSARI

サステナブル投資推進部
シニアマネジャー

三菱UFJアセットマネジメント

東京都港区東新橋1-9-1東京汐留ビルディング
1985年8月設立。三菱UFJ国際投信から、2023年10月現社名へ変更。運用資産は投資信託:42.1兆円、投資一任・投資助言:6.1兆円(2025年3月末基準)、役職員数911名(2025年7月1日時点)。
人気商品は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(愛称:オルカン)と、S&P500連動の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」(スリムS&P500)。2本の保有者数は累計で1000万人を超える。

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